メルマガ第80号

(2019年8月8日発行)毎月随時発行(記事、論文等の引用は太文字)
   URL:http://marugame-kodomo-nihongo.net/merumaga.html
◆外国人生徒等に対する2019年度高校入試の概要
 外国人生徒等に対する高校入試特別措置等の調査は、国からの事業委託を受けて「中国帰国者支援・交流センター」がこれまで実施していたが、2016年から「外国人生徒・中国帰国生徒等の高校入試を応援する有志の会」が引き継ぎ行っている。同会から当ひろばに香川県の調査依頼があり、このほど、全国の調査結果が冊子にまとめられた。
●調査地域:47都道府県と市立高校のある自治体あわせて合計61地域●高校入試特別措置等①特別措置:時間延長、漢字にルビ、辞書の持ち込み、別室受験、教科減など②特別入試枠:特定の高校に、外国人生徒等を対象とした入学定員枠を設けている。
●調査結果:特別措置、特別枠がある地域を「○」、これらがない地域「×」、その他の地域「△」(1)すべてが「○」は6地域(神奈川県、茨城県、山梨県、鹿児島県、長崎県、福岡市)(2)すべてが「×」は3地域(石川県、高知県、さいたま市)(3)特別措置が「○」は30地域:[外国人生徒等の滞日年数制限や措置の内容は地域によって大きく異なる。(4)特別枠が「○」は17地域:滞日年数制限や学校数、定員、試験内容は地域によって大きく異なる。すべての高校に特別枠があるのは茨木県、山梨県、岐阜県、長崎県。
※香川県の状況:特別措置「△」(入学者選抜実施細目において「外国人生徒等の選抜にあたっては、海外経験を十分考慮するとともに、その事情により一定の配慮をすることができるものとする」と定めており、日本語能力に配慮して面接を行っているが、学力検査での時間延長や科目減などは行っていない。また、平成28年4月1日以降に中学校に入学した者に限る)特別枠「×」、2018年度入試の受験者数・合格者数は非公開。https://www.kikokusha-center.or.jp/shien_joho/shingaku/kokonyushi/other/2018/37kagawa.htm
◎上記の調査結果を皆さんはどう思われただろうか。外国人生徒等の高校入試に特別措置や特別枠がすべて設けているのは全体のたった9.8%である。四国では、徳島県が進んでおり、特別枠は「×」だが、特別措置は「○」(時間延長,漢字にルビ,辞書の持込など具体的な措置は受検者の状況を聞き,各校と教育委員会が協議をして決定しており、試験は数学・英語・作文が多い。)
香川県でも、せめて、徳島県ぐらいの特別措置を望みたい。
◆日本に住む外国人、初の2%超え 島根・鹿児島15%増 朝日7/10
日本に住む外国人の数は今年1月1日時点で約266万7千人となり、日本の総人口約1億2,744万4千人(前年比約26万人減)に占める割合が初めて2%を超えた。一方で日本人人口は前年より約43万人少なく、09年をピークに10年連続の減。
 総務省が10日、住民基本台帳に基づく人口調査として発表した。外国人は前年より約17万人、6.79%増え、5年連続で増加した。外国人の割合は、前年の1.96%から2.09%に上がった。
 全47都道府県で増加し、島根や鹿児島、熊本など10道県で10%以上伸びた。政府が2017年11月に外国人技能実習生の職種に「介護」を加えたことや、急増する訪日外国人観光客を接客する店員らを企業が多く雇い入れたことなどが影響しているとみられる。
※香川県内の外国人 12,467人(前年比935人増、8.1%増)
丸亀市内外国人2,088人(前年比65人増、3.2%増)
※在留外国人統計(総務省)2018年12月末では、
全国の在留外国人数 2,731,093人 香川県 12,597人 丸亀市 2,039人
●一緒に考えませんか!
今回は、「多文化共生と個人の多様性の尊重」について考えてみたい。総務省の研究報告書には、多文化共生とは「国籍や民族などの異なる人々が、文化的な違いを認め合い、対等な関係を築こうとしながら、共に生きていくこと」とある。早稲田大学の山西教授は「国籍や民族など複数の「文化」がある地域社会で共存するというと、「~人」、「~教徒」などといったアイデンティティにのみに固定して考える傾向があるが、実は、さらに女性であったり、母親であったり、主婦であったりという複数の異なる個人が共存することであったりする。それは、「多様な価値観、多様なアイデンティティを有する複数の個人が一つの空間の中で共に生きることであり、文化を構成する最小単位は個人の中にある何らかの帰属意識である」と言う。多文化共生は、国籍、民族、宗教を超えて、異なる人と人の多様な関係性を尊重し生きることだと考えると、もっと身近な視点で考えられるのではないかと思ったりするのだが。
◆編集後記
 夏休みに入って、ひろばへの子どもたちの参加は6~7名でいつもと変わりはない。一昨年以降、夏休み限定のひろばを開催していないことも参加が増えない原因かも知れないが、長期休暇に限らず、ひろばへの参加を期待したい。
■編集・発行 香川まるがめ子どもにほんごひろば事務局 文責:安藤 
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