最新着 メルマガ 2016.11.27第37号

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「まるがめにほんごひろば」メールマガジン             
~外国にルーツをもつ子どもたちとその保護者の学習支援等に向けて~ 
通算第37号(2016年11月27日発行)毎月1回月末及び随時発行予定(編集者加筆:太文字)  
バックナンバーはURL:http://marugame-kodomo-nihongo.net/merumaga.html で閲覧できます。  
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【1】今号のトピック
◆香川県の在留外国人数が初めて1万人、技能実習生数は4千人を超える。
平成28年6月末現在における在留外国人数(確定値)が法務省から発表された。
全国では230万7,388人で,前年末に比べ7万5,199人(3.4%)増加。香川県は、1万313人で、初めて1万人を超え、前年末に比べ528人(5.4%)の増加と全国比を上回った。県内の国籍別の状況は、中国、フィリピン、ベトナムの順で多く、在留資格別では、技能実習生、永住者、定住者の順は前年末と変わらなかったが、技能実習生数は4千人を超え、比率で39.2%と4割に迫った。丸亀市は、国籍別の状況は、中国、フィリピン、ペルー(ペルーは全国上位9番目であり市町村別統計上数値が不明)の順で多かった。在留資格別は統計発表なし。※県内の増加数の約55%は技能実習生であり、永住者などの定住外国人は、約14%の増加である。
【2】研修会・講演会・論文情報
◆外国人の未就学児童のための日本語指導学習支援ボランティア養成講座
と き 第1回 平成28年11月10日(木)19:00~20:30
第2回 平成28年11月17日(木)19:00~20:30
ところ 大阪国際交流センター3階会議室
講 師  臼井智美 大阪教育大学准教授
(著書)ことばが通じなくても大丈夫 「学級担任のための外国人児童生徒サポートマニュア
ル」、イチからはじめる外国人の子どもの教育―指導に困ったときの実践ガイド ほか
第1回講座「外国にルーツをもつ子どもの指導の留意点」
1.大阪国際交流センターにおけるプレスクール
○ボランティアによるプレスクールの開催(1月~3月中旬土曜日、日曜日に開催するプレスクールで活動するための研修の場として、前年11月、ボランティアの養成講座を開講している。今年で4回目。
○大阪市では、日本語指導の専門的なトレーニングを受けた指導者によるプレスクール(愛知県など)は開催されていないが、小学校に入学後に多くの学校で、学校適応指導、初期日本語指導を行っているため、ボランティアによるプレスクールを開催している。近所の子どもに寄り添う感覚で、あまりハードルは高くしていない。
2.プレスクールの役割
○来年1年生になる外国人の6歳の子ども(①日本国籍を持たない子、②日本人との国際結婚家庭で生まれた日本国籍を持つ子、③現在は帰化し日本国籍であるが、かっては外国籍であった子 ※在日韓国・朝鮮の子は対象としていない。)が日本の小学校に入学するに当たって、少しでも不安を少なくし、気持ちの準備ができるようにする。
○6歳の子どもに配慮しなければならない事項があり、それを常に頭に置いておく。
○プレスクールでの一般的な指導
・適応指導
日本語や日本文化に関する知識や学習経験がほとんどない子どもに、学校生活や社会生活を送る上で最初に必要となる日本語や日本文化の習得をならう指導、サバイバル日本語といわれる、「いい/だめ」、「ある/ない」、「いる/いらない」などのすぐ必要になる日本語、身の回りの物の名前、学校内の教室や場所の名前、挨拶、ルールなどを教えたりすることから始める。
・初期指導型日本語指導
ひらがなやカタカナの習得に始まり、簡単な日常会話をしたり、平易な文章を読んだりで
きる程度の日本語力の育成をねらう指導
○大阪国際交流センターで指導
日本語や日本文化の習得ではなく、まずは慣れることを主眼にする。
(例)指導の1日目は、身体の部分の名前を覚える。(外国語としての英語指導では、ま
ずはあいさつから)
※日本で生活する子どもにとって優先順位が高いのは、あいさつではなく、命に関
する言葉、体調に関する日本語である。トイレに行きたい、お腹が痛いなど、本
人」しかわからない、自分の体調の悪いことを自分で意思表示できることが大切。
基本的には日本語のみで教える。
留意点
1. 6歳の子どもが相手だということを忘れないこと
・日本語で一度にたくさん説明しても、子どもには理解できない。
・子どもの集中力は長く続かないし、興味のないものには関心を示さない。
・活動や遊びの要素を取り入れて、なるべく身体を動かす。
※椅子に座る学習は耐え難い、がまんできない。身体を動かしたり、絵カードや写真を
使ったりしてわかってもらう工夫をする。(雑巾、掃除用具など)
※プリントを出してください。→このような曖昧な表現は子どもはわからない。机の下
にあるプリントを机上に出すのか、先生のいる机に提出するのか。
※小2算数の授業:「式と答えを発表してもらいます。どうしてその式にしたのか、わ
けも言えるといいですね。」
・一文が長い、意味を理解できない。
2.「できる」をめざすのではなく、「わかる」をめざすこと
・文字の習得が目的ではない。(文字の習得はそもそも小1から)
・できなくても決して叱らない。(学校に行きたくないと思わせないこと)
3. 最大の目的は、未知の学校生活への不安を取り除くこと
・学校生活での必要度の高いものを教える。
・日本の学校生活に慣れてもらうために、具体物を使って場面指導する。
・日本の学校生活の始まりを、わくわくした気持ちを持てるようにする。
※掃除用具の使い方も実物を使って練習する。
給食の時間のロールプレイ:こぼしてもいい、練習させるだけでいい。
全部を覚えさせるのではなく、子どもの様子を見ながら教える。
(第2回講座は、次号に掲載)
【4】自由書き込み欄(このメールマガジンへの注文、ご意見をお寄せください。 
(                                         )
【5】編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 大阪国際交流センターでのいわゆるプレスクールのボランティア養成講座を受講した。県外か
らの受講は私一人。プレスクールでは、愛知県が先行しているが、大阪市では小学校に入学後
に多くの学校で、学校適応指導、初期日本語指導を行っているため、ボランティアによるプレ
スクールを開催しており、今年で4年目だそうだ。文字は覚えるより、慣れることに主眼を置
き、子どもに日本の学校生活を疑似体験させ、春には学校に行きたいという気持ちを起こさせ
ることが狙いだ。ひらがなやカタカナの習得中心かと思っていた私にとっては、新鮮であっ
た。学校生活の疑似体験させることが大切なことから、丸亀でのプレスクール実施には、学校
との連携が欠かせないと感じた研修でもあった。
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