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「まるがめにほんごひろば」メールマガジン
~外国にルーツをもつ子どもたちとその保護者の学習支援等に向けて~
通算第38号(2016年12月4日発行)毎月1回月末及び随時発行予定(編集者加筆:太文字)
バックナンバーはURL:http://marugame-kodomo-nihongo.net/merumaga.html で閲覧できます。
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【1】今号のトピック
◆外国人差別、初の実態調査 11月から 1万8500人対象 法務省
特定の人種や民族への差別をあおるヘイトスピーチなど、外国人への差別的な言動が各地で起きていることから、法務省は国内に住む外国人を対象に、差別に関する初めての実態調査を11月から始める。3カ月を超える在留資格を持つ人など18歳以上の1万8500人が対象。外国籍の住民が多い札幌市、東京都港区、名古屋市、大阪市、福岡市など全国37の自治体を通じ、調査票を送る。日本語、英語のほか、中国語、韓国語、ベトナム語、ポルトガル語など計13の言語に対応。「外国人であることを理由に差別を受けたことがあるか」や「外国人に対する差別を見聞きしたことはあるか」などを聞くほか、具体例を尋ねる質問もある。回答は民間の公益財団法人に分析を委託し、年度内に結果を公表。今後の人権政策に反映させる考えだ。※香川県内での調査があるかどうか不明。調査結果がどうなるか、公表を期待したい。
【2】研修会・講演会・論文情報
◆外国人の未就学児童のための日本語指導学習支援ボランティア養成講座
第2回 平成28年11月17日(木)19:00~20:30 大阪国際交流センター3階会議室
講 師 臼井智美 大阪教育大学准教授
第2回講座「外国にルーツをもつ子どもの指導の方法」
小学校での子どもたち○自分の意思がうまく伝わらず、友だちをつくることができない→大人が思っている以上に子どものストレスは大きい。○文化の違い・月曜日は学校に来ないことがある。→日曜日は家庭で夜遅くまで過ごす家庭(家族と過ごす時間を持つことが一番大切であると考える。価値観の違い。)
・学校を休むときでも、学校に連絡がない。
・学校の家庭訪問には非協力的 →家のことを学校が干渉してほしくない。先生が家に連絡すればするほど、親は学校に不信感をもつ。
・先生が文化の違いを学ぶチャンスがない。
・中国の子ども→消しゴムを友だちから借りる、返すのを忘れる。→日本の子どもは返してくれないので、とられたと思い、親に言う。中国では、忘れたですます文化がある
指導の方法
・学校生活の一日の流れ(日課)を理解させる。
・学校生活のルールを理解させる。
・学校生活の中でとる行動を体験させる。
※小学1年生の学級を再現する。
黒板の右端 月 日( 曜日)日直さん○○ 縦書き
1日流れ10:30 朝の会 出席確認(出席者の名前を呼ぶ)
教師「○○さん、おはようございます」
子ども「□□先生、おはようございます。」
10:40 チャイム 教師「立ちましょう。」日直「今から1時間目の勉強を始めます。」11:10 チャイム 教師「立ちましょう。」 日直「これで1時間目の勉強を終わります。ありがとうございました。(礼)」
以下 2時間目と続く
11:50 終わりの会 ・今日の勉強を振り返る。・帰りの歌を歌う。・帰りのあいさつをする。教師「みなさん、さようなら。」子ども「先生、さようなら。」「みなさん、さようなら。」※箸の持ち方 ゲーム感覚で体得させる。大豆をつかむ練習 友だちと数を競う。※鉛筆の力の入れ方 線を書く 筆圧の感覚を覚える。
※声のものさし(どういう場合に、どのくらいの声で話すか)
声のスケール 大きさ 動物の絵を使って、大きさを理解してもらう。
0~5 0の声:貝の絵(黙読) 1の声:昆虫の絵(1人で教科書を読む)2の声:ネズミの絵(内緒話)3の声:犬の絵(グループに聞える声)4の声:ライオンの絵(教室皆に聞こえる声)5の声:ゾウの絵(校庭に響く声)※動物の絵は、貝は小さく、だんだん大きく模造紙に描く。例えば2の声で話しましょう。と言って練習。
※給食当番のルール エプロン、帽子、マスクをつける。 食器かごの持ち方、片づ
け、分別※掃除の仕方 トイレの使い方(和式の練習)
・ひらがな 書けるのをめざすのではなく、見て慣れる。子どもにとって、身近な題材を使う。食べ物が無難。カードにひらがなで書く。ひらがなを見る機会を多くして、文字への抵抗感を少なくする。・「聞いたことがある」「知っている」をめざす。
色の学習 紙の着せ替え人形で、赤いい服を着させる、黄色いズボンをはかせる。
・日本語の1文字1音で読むことに慣れさせる→歌を歌う(手を叩いて1拍2泊。)
・やる気にさせる。○○さん、まっすぐに座りなさい.ではなく →△△さん、姿勢がいいですね。(他の子の姿勢をほめることで、まねをしたいという気持ちを刺激する。○○さん、また間違えましたよ。ではなく→○○さん、よくできましたね。(成功体験させたい。)・立ちましょう。立ってください。→同じことを言っていることがわからない。・わかりますか。わかる人はいますか。
○30分の授業の中で、「読む」「書く」「聞く」「話す」の4つの活動をバランスよく、スモールステップで組み込むことで、言葉を覚える。
・どのように組み合わせるか。
・6歳の子どもが飽きないための活動を考える。
・6歳の子どもにとって難しくない活動を考える。※ブロックをつくる。切り貼りす
る。色絵ぬり、カードなど 【4】編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
外国人差別については、メルマガで南海電鉄の車内案内の事例を書いたが、全国の各法務局の「外国人のための人権相談所」に挙がった人権侵害事案は平成27年に85件だった。氷山の一角であろう。世界の人種差別ワースト10に日本が入っているという統計もあるようだ。どういう基準なのかわからないが、11月から始まる実態調査でその一端を知ることができるかどうか。
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