メルマガ第52号 2017.12.2

「まるがめ子どもにほんごひろば」             
~外国にルーツをもつ子どもたちとその保護者の学習支援、外国人住民とのつながり に向けて~ 通算第52号(2017年12月 2日発行)
      毎月1回月末及び随時発行
 ※太字は引用文掲載
  URL:http://marugame-kodomo-nihongo.net/閲覧可  
【1】トピック
◆外国とつながる子どもたちの保護者と話し合う会を開催します。
と き 12月10日(日)11:30~12:30
ところ 丸亀カトリック教会 会議室 
開催の経緯:最近、ひろばへの子どもたちの参加が少ない日が多くみられるため、サポーターから、「子どもたちはひろばをどう思っているのか、ひろばが子どもたちにとって行きたい場所になっているのか、保護者は子どもの学習についてどんな思いをもっているのか、などをサポーターも理解すべきではないか。そのためにも、保護者と話し合う機会をもつべきでないのか」という意見があったことから今回の企画となった。当初は、ひろばの会場である丸亀市城乾コミュニティセンターを会場にと考えたが、多くの外国人住民への周知と参加しやすい場所として、まず手始めに外国人保護者が多く集う「丸亀カトリック教会」とし、今後は、丸亀市城乾コミュニティセンターで継続してこのような話し合いの場を開催することを考えることになった。
(話し合う内容)
○参加した保護者の状況(小学生がいる保護者、中学生がいる保護者、両方いる保護者)や子どもの状況(日本で生まれた、母国で生まれ来日(小学校前に来日、小学校卒業時に来日)、家庭内言語などを聞くことを通して、参加保護者の子どもを取り巻く状況を把握し、以下のような質問を投げかけてみようと思っている。(通訳の外国人住民に参加してもらう。)
○家で学校の話しをしますか。授業は分かるといってますか。宿題は家でしていますか。
○うちの子は日本語を上手に話すので、学校の授業もわかるはずだ・・・と思っていますか。。
(生活言語と学習言語の違い,語彙を増やすこと、論理的思考力を伸ばすことの大切さ)
○高校への進学は、中学校で頑張ればなんとかなる、中学校でなんとかしてくれると思っていませんか。
(小学校での学習の基礎の必要性、中学校の学習の難易度の高さ、高校入試の厳しさ、香川県では外国籍
等生徒への優遇措置はない)
○日本の学校のシステムはしっかりしているし、先生も優秀なので、子どもの将来のことは心配していないと思っていますか。(学校による対応の違い、学校による在籍児童生徒の数の差、サポートする講師の数と時間数)
○高校進学については、・進学させたい・進学してほしい・学校が決めてくれるだろう・高校進学しなくても仕事はあるから心配していない。
※日本は、まだ学歴社会、資格要件に高校卒業あるもの多い、子どもの将来に多くの選択肢を提供できるかどうか。
※日本語教室の存在を知ってもらう。保護者が子どもの背中を押す努力が絶対必要。子どもは学校で勉強に疲れているので、お休みまで勉強したくない。
◆城乾小学校の「ワールドフェスタ」を見学(11.19)
こくさい教室の子どもたちの発表を見ようと城乾小学校体育館を訪れた。体育館内は、前の方に全校児童が着席しており、その後方が保護者席となっていた。最後尾には椅子席も用意され、私は、ここから見学することにした。こくさい教室の発表が始まった。内容は、桃太郎の劇。40名近くのこくさい教室児童が、犬、猿、雉に分かれて出場し、鬼役の先生をこらしめるというお話になっていた。桃太郎にしたがっていく様子が楽しかった。児童のみなさん お疲れさまでした。
「ワールドフェスタ」は、外国籍等の児童が多い城乾小学校の全校生による発表会で、特色ある活動ある活動として紹介されている。以下は引用文。
1目的
ワールド学習(多文化共生を目指す総合的な学習の時間)の総まとめとして、自分たちが調べたことや思ったこと、考えたことを全校生や保護者、地域の方々に発信し広めていく場として、平成23年度から毎年11月に開催している。
2 始めたきっかけ
本校に外国にルーツがある児童(以下、外国籍等児童)が増えてきたため、平成23年度に「外国人子女」加配が配置され、取り出し指導を実施する「こくさい教室」が設置された。当時、日本国籍の児童と外国籍等児童との間で、文化や生活習慣の違いから生じる戸惑いやトラブルがあった。そこで、今後のグローバル化社会を見すえ、多文化共生に基づく人間関係づくりを進める一環として、ワールドフェスタを実施することになった。
平成28年度は、全校生269名のうち59名(約22%)が外国籍等児童である。(平成28年10月31日現在)
【2】書籍・論文紹介・新聞記事・行政機関の記者発表記事・その他情報
◆外国人犯罪 8割が「不安」(四国新聞 11.16)に疑問
「全国的に増加傾向にある外国人犯罪について、県民の約8割が不安を感じていることが、時事通信社と四国新聞社が実施した県民1千人対象の合同世論調査2017で明らかになった。」との記事があった。「県警によると、来日外国人犯罪の検挙件数は2016年が94件で、過去10年間で最多。」と続く。この県警からの聞き取りの真偽を確かめるため、県警の統計をWEBで調べてみた。
来日外国人の刑法犯と特別法犯の検挙、送致件数の合計が94件である。確かに、過去10年間で最多である。しかし、資料によると、「来日外国人とは、我が国にいる外国人のうち、いわゆる定着居住者(永住権を有する者等)、在日米軍関係者及び在留資格不明の者以外の者をいう。」とある。ということは、訪日する県内旅行者などの短期滞在者が年間30万人、技能実習生、留学生や身分によらない在留外国人が6千人であり、そのなかで94件であるから、日本全体の検挙率が計算上0.3%、県内が0.03%となる。外国人犯罪は日本人の10分の1少ないではないか。世論調査では、「外国人犯罪に対する不安感はあるかどうか」の質問であり、これでは、真面目に暮らしている永住者、日本人等配偶者、定住者、特別永住者を含めた外国人全体という形で8割の人が不安感を感じていると取られてしまう。新聞社は、ここんところをどれだけ理解して、記事にしているのか。県警の報道資料を鵜呑みに、不安感だけを煽ってはいないのだろうか。
【3】編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今日12月2日のひろばは、てんやわんや、いや大盛況といった方がいい日となった。サポーターが3人と少ないうえに、児童が8名参加してくれた。うれしい悲鳴だが、しっかりした対応ができなかったことは、子どもたちに申し訳ない思いで一杯だ。子どもの参加数は流動的であり、継続した支援ができるよう、12月10日の保護者懇談会では、このことも含め、よく話し合いたいと思った。
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