メルマガ第70号

(2018年11月30日発行)毎月随時発行(記事、論文等の引用は太文字で掲載しています。)バックナンバーは、URL:http://marugame-kodomo-nihongo.net/merumaga.htmlで閲覧できます。
◆吉川英治さんの講演会 (丸亀市生まれ、カナダ在住、プロボクサーコーチ、映画製作、著書数冊あり、国内外の小学校等での講演など多方面の活動
と き 12月9日(日)12:00~13:30
ところ 丸亀市城乾コミュニティセンター 2F大会議室
テーマ EDUCATION CAN CHANGE THE WORLD ーYONAOSHI Boxer Eiji   
◆外国人住民を対象とした懇談会 開催状況(ところ:丸亀市城乾コミュニティセンター)
(1)11月18日(日)15:00~16:30 外国人住民の出席はゼロ。
(2)11月25日(日)15:00~18:00
参加者: 相談者11名(フィリピン人の永住者等) 通訳1名
行政相談委員4名 四国行政評価支局2名 高松西年金事務所1名
(3)主な相談内容 
① 死亡した父母に対し、厚生年金や国民年金から何らかの給付はあるのか、その手続は?
② 丸亀市の某会社では外国人労働者から年金手帳や印鑑を預かっており、それぞれの所有者に返却するよう、年金事務所や労働基準局から指導等してほしい。 
③  2カ月間の短期雇用の派遣社員。この間は厚生年金等被保険者でなかったため、国民年金保険料納付催促がきている。どのようにすればよいか
④ 出産に際して、健康保険による各種給付はあるか。(妊娠後、出産前までの間で、休業に関する各種給付措置、健康診断、保健指導など)      
◆新たな在留資格制度について(続報①)
11.20 朝日新聞社の全国世論調査(11.17~11.18電話)で、入管法改正案を今国会で成立させるべきか尋ねたところ、「その必要がない」が64%、「成立させるべきだ」は22%だった。
※NHKの世論調査(11.9~11.11)でも、62%が成立を急ぐ必要はない」としている。
11.21 失踪した実習生からの聞き取り調査の集計データに誤りがあった。「より高い賃金」を求めた失踪が約87%という法相答弁に対し、公表した結果は「低賃金」による失踪約67%と項目名も数値も違っていた。
※今回の改正で、特定技能1号の外国人に対し、新たに、受け入れ企業に代わって、社会生活上の支援計画の作成や計画の実施を行う「登録支援機関」が創設される。業界団体、民間法人、社労士などが想定されているが、悪質な業者の参入をどう防ぐかの具体策はない。
11.22 衆院法務委員会での質疑から
・技能実習および特定技能1号は、永住許可に関する就労資格には含めず、(中略)特定技能2号は就労資格にカウントしてよいと考えている。
・初年度の(技能実習生から特定技能1号への)移行は約55~59%、5年後の累計は約45%。
(特定技能2号については)実際の受け入れが数年先送りされる見通しであることが分かった。
※いろいろな問題点をもつ「特定技能」の創設。1号と2号の技能水準の線引き、試験内容、家族帯同のこと、永住許可の前提要件5年の就労の算定など、制度設計の中身が全く詰まっていないことが暴露したと言える。さらに建設、造船の2業種に限定する方向の「特定技能2号」の技術水準は1号より高く、志願者が見込めず、先送りしようとしている。
・政府は国籍を問わず、保険を使える扶養家族を「日本居住」に限る一方で、「帰国予定がある一時的な海外居住」との枠組みで例外を設ける。子どもの留学や家族そろっての海外赴任などは認め、従業員の海外赴任の終了後に家族だけが海外生活を長期間続ける場合や、従業員の親が海外移住した場合は認めない方向だ。
11.23 建設・造船業界で特例として認めらていた制度(2015.4から始まった「特定活動」の扱いで、最長22年度末まで時限付きで受け入れが認められている。)について、「特定技能1号」に移す方針を示した。(この制度で)技能実習で3年間働いた人が追加で2年働くことや、実習後に一度帰国した人でも最長3年の再入国を認めており、9月末現在で計約7千人が働いている。
11.28 入管法案 衆院通過 委員会審議17時間
与党と維新は26日、法施行後の見直し時期について「3年後」から「2年後」に短縮するなどの修正で合意。大島議長は、改正案成立後に(省令で)政府が決める受け入れ業種や支援計画などについて、来年4月の法施行前に全体像を国会に説明するよう政府与党に求める考えを示した。
◆入管法改正の足元で 血の通う政策だってある 朝日 ザ・コラム 11.22(一部 中略)
ただいま審議まっさかりの、日本に外国人労働者を呼び込むための出入国管理法改正案。人を人として見ていないというか、労働力の調整財源のコマのように扱っているように思える。その足元で検討が進む小さな政策のことを紹介したい。日本語教育が必要な高校生に寄り添う支援策だ。外国人労働者が増えれば、いずれどんどんログイン前の続きニーズの増す政策である。
 海老原周子さん(36)は中1の時に父の赴任でロンドンに渡り、インターナショナルスクールに入った。 高校生で帰国し、大学卒業後、民間企業を経て国連機関である国際移住機関(IOM)の日本職員に。絵や映像を使った外国人の青少年向けのワークショップやイベントを始め、
2011年に退職した。アートを通じた居場所作りだ。高校生や中退者、高校卒業生が多く集まり、彼らへの支援が圧倒的に足りないとわかってきた。「小中学生へのケアが十分なわけではないが、高校生にはもっと足りない。将来の進路を考える時に学校の先生に相談できず、親もわからず、友達も少ない。進学や就職をしたくてもお金も情報もない」。学びたい、正規で働きたいという熱意があるのにバイト生活になり、抜け出せずにやる気を失う例を多く見てきた。
 外国人の多く通う定時制高校に、教諭と研究者と共に「多言語交流部」を作り、サポート役として入って相談にも乗ってきた。「部活をきっかけに学校が楽しくなればドロップアウトせずに通い続けられて、進路も相談できる」。実際、部活動に積極的にやってくる生徒たちは進路や進学も決まるそうだ。けし粒のように小さな活動かもしれないが、着実に結果を出している。
 今年の春、つてをたどって担当の文部科学省の国際教育課にたどりついた。実態調査をすること、高校の現場にNPOなどが入り、学校の内外で連携して日本語に加えてキャリア支援まで行う事業を提案した。彼女の案をもとに高校の中退率や進学率といった調査項目を加えた。結果はどんぴしゃで、日本語教育が必要な生徒の中退率は公立高校の平均の7倍になること、進学率や正規の就職率も低いと数字になって表れた。
 こうした高校生を支援するため、NPOや高校が連携して学習や進路の支援に取り組む事業が2億円、概算要求に盛り込まれた。
 自分らしく生きる。そのためにはきっと自分のことを親身に考えてくれる人や話を聞いてくれる人、居場所が必要だ。異国の地ではなおのことだろう。情緒的な言い方をすれば、人の顔が見えて血が通い、体温を感じる支援だ。それは入管法改正案に欠けていると思われる点でもある。
◆ 編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
21日、外国人を支援している全国組織の「移住連」は技能実習制度の廃止、新たな在留資格での家族帯同の容認、賃金の保証などを求めるアピールを採択した。より良い制度設計を望みたい。
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