研修会情報・研修会参加報告

◆日本語指導者スキルアップ講座IN TOYONAKAに参加した堤透さんからの報告(平成27年7月25日) 
とよなかJSL日本語指導ボランティア会員が12の教案例について報告された。
田中 薫代表—–大阪教育大修士卒(’77)以後教育大付属、大阪市立中などで教職。’89から16年間、帰国した子供の教育センター校で教職(’05)。その後5年間、市立中学での日本語指導担当。その後こども日本語教育スーパーバイザーとして活動し、とよなかJASLを結成。学校での成績を上げるための日本語力を身に着けさせる事に注力。
豊中市の特徴 帰国子女が多い、中小学校、幼稚園児への月一回帰国者
教室、国際交流センター —-月木金 日本語講座あり(阪大学生ボラなど)
日本語指導は1年、長くて2年で卒業させる。
(1)文字、カタカナやり直し (全学年)
カタカナ読み書き(平仮名と類似のカタカナ、カタカナ同志で似ている字などをまとめて、速度を上げて)
絵カードで読み・書きスピードアップ、併せて上位概念も。
(2)形容詞文初級 (小学高学年)  
25組50個の形容詞を大きな図表に示し一気に覚えさせる。2語文から4語文へ、「これ?」と「ここ?」の違い、これは豚です」「ここはしっぽです」「は」と「が」の違い「豚は しっぽが 短いです」
(3)初期の動詞文型  (小学高学年、中学)
動詞をグループ分けせず、一気に多様な助詞と動詞の組み合わせを指導、直感的に正しく助詞が使い分けられるように、4~5語文へ常体(友だち、家族)と敬体(先生、目上)での肯定・否定の使い分け、「うん。うううん。」「はい。いいえ。」絵カードで助詞と動詞の使い方、組み合わせを。
(4)ことばのきまりへの導入 (小学高学年)
助詞の正しい使い方、5Wを意識した文を作るカードゲーム5枚で5語文を作る。
(5)時をあらわす言葉初級 (中学、小学高学年)
その月のカレンダーを書く(日付、曜日、月、週、日にち 読み方)一日の中の時間(24hr)の流れ、時間の概念を持つ、時間帯の表現、学校の行事や長期の休暇などを年表にまとめる。
(6)用言のつなぎ 初級 (中学、小学高学年)
形容詞文2文を繋ぐ、表現したい内容によって異なる繋ぎ方、一文の接続助詞と二文の接続詞の使い方
順接、逆接、添加など。
(7)修飾用法・中級 (中学、小学高学年)
豊かな修飾節を使って、詳しく説明が出来る。 修飾節を使う、公園などの情景の絵を見て、情景を豊かに表現する。5W1Hを考えて、短文を長文化する。
(8)感情と理由の表現・中級 (小学校 中・低学年)
原因・理由と感情の因果関係を表現する文を作る。絵の人物を見てどうしたのか(原因・理由)を言い、感情を表現する。気持ちを表す語彙と絵カード。
(9)瞬間動詞(結果動詞)と継続動詞(動作動詞)  (中学、小学高学年)
「動詞」の性質を知り「ている」の使い方を知る。時間の流れと、場面の転換を理解し正しく表現する。
3枚の絵カード(食事前、中、後)について、繋ぎの言葉(まだ、これから、いま、もう、など)を適切に使って文作り。
(10)雨ふりの絵 上級 (中学、小学高学年)
人が家を出かける時に雨が降っている絵を見て「家を‥‥  、雨が降‥‥  」の文を完成させる。学習者の心情、場面などを考慮して、文を作る。更にこれを昨日、今、明日などの時点を想定して、文章を作る。
(11)比較文型、程度副詞 初・中級   (中学、小学高学年)
寒帯から熱帯までの服装の違う人物の絵を見て、比較表現と副詞を使ってその状況の違いを明確に表現出来るか。服装の異なる二人を比較し、正確に詳しく違いを話す。 日本地図、世界地図を使い四季の流れを含めて二地点の気候の違いを考え言葉で表現する。地理の学習につなげる。
(12)四則計算 (足し算、引き算)初級   (全学年)
子どもたちは四則計算に使われる表現の多様性に付いて行けない。果物、動物、文具など数個ずつ描かれた絵カード、または実物を単に数字の計算だけでは不足。数の概念が身に付いているか。1-30までをすらすら言う。30から反対に、1-30の 偶数だけ、奇数だけ、を言えるか。合わせて10になる数 (直感的に言えるか)。ものの絵や実物を見て足し算の表現を言う。どんな言い方が有るか。「あわせていくつ」「みんなでなんこ」「ぜんぶでなんぼ」「長さ、重さ、かさ」などの単位も使えるか。足し算の問題文の大事な部分はどこか。問題文を作らせる。引き算に付いても同様に。
以上の日本語指導は日記が書ける、子どもどうしの話し合いが出来るまで。
学校で覚えた事は強い。言葉遣いで間違った場合、意識を持たせて訂正する。
◆外国につながる子どもへの日本語・学習支援ボランティア養成講座
(簗瀬 報告)
実施日時:平成28年1月9日(土)10:00~16:00
実施場所:(神戸市)国際健康開発センター
主催:公益財団法人 兵庫県国際交流協会多文化共生課
【第1部】『外国につながる子どもがいるからこそ』の教育実践とは(講師)結城恵氏
【第2部】『読む・書く』の指導方法を考える~小学校の実践例をとおして(講師)伊藤敦子
【第1部】
●講師は群馬大学 大学教育・学生支援機構 教育基盤センターの教授。
●外国人への日本語教育実践を通じて、子どもに分からせる教育を追究している。
●兵庫県に居住する学童の6%は外国籍である。外国人対応の先進県といわれるが、兵庫県の教育委員会全体で認識が共有化されているわけではない。ましてや県庁では認識は低い。しかし地域住民一般やボランティアの意識は高いといえる。
●2.4万人の外国籍の子どもたちは、バイリンガリストであり、社会で生かされるべきであると考える。
●群馬県大泉町は住民の27%が外国籍である。群馬大学の各学部の学生は、外国人対応の現場実践(多文化共生の活動)を行っている。
●兵庫県では、こども多文化共生センターや県立国際高等学校(中高一貫教育)を設置している。また子ども支援教室は53か所。
●「外国につながる子どもだからこその教育実践」:そのような子どもがもつ文化的・社会的背景に配慮し日本での学校生活や学習に適応できるための教育実践。ex.日本語教育や適応指導、多言語による進路ガイダンス、不就学・不登校の子どもたちのための居場所つくり、母語保持、保護者支援。
●「外国につながる子どもたちがいるからこその教育実践」:人権教育・国際理解教育だけではなく、「だからこその教育実践」を、日本で生まれ育った子どもにも波及させるもの。
●このような子どもたちの学習上のつまづきは、日本語を母語とする子どもにも、実は共通するものである。この試みが日本人の子どもたちにも「わかる教育」を提供することになる。
●子どもに「わかった」と言わせて帰らせたい!!
●「あなたはここにいる」「あなたはここにいていいんだよ」、でもこれは外国人の子どもたちだけのことか?
【第2部】
●講師は愛知県小牧市の小牧市立大城小学校教諭。
●JSLとは:文部科学省初等中等教育局国際教育課が「日本語教育」と「教科教育」を統合する手段として作ったJSL(Japanese as a second language)のためのカリキュラムのこと。詳しくはネットで参照のこと。(検索:clarinet)
●DLAとは:文部科学省初等中等教育局国際教育課が,学校において児童生徒の日本語の能力を把握し,その後の指導方針を検討する際の参考とするため作成した、「外国人児童生徒のためのJSL対話型アセスメントDLA(Dialogic Language Assessment for JSL)」のこと。詳しくはネットで参照のこと。(検索:clarinet)

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