「まるがめ子どもにほんごひろば」
~外国にルーツをもつ子どもたちとその保護者
の学習支援、外国人住民とのつながりに向けて~
通算第43号(2017年4月 15日発行)
毎月1回月末及び随時発行
URL:http://marugame-kodomo-nihongo.net/
閲覧可 本文中引用文は太字記載
【1】今号のトピック
◆ひろば 毎週土曜日開講 開始
4月1日の土曜日からひろばの毎週土曜日開講が始まった。
児童生徒の参加はどうだったのか。1日の第1回目は2名、8日は1名、15日は2名であった。3月末の4回の春休みひろばの参加者が平均5名であったのに比べ、予想外の少ない結果となった。意気込んで今年度毎週の開講を決めたものの、児童生徒への浸透度は低かったのだろうか。小中学校には、子どもたちへのチラシ配布をお願いしたが、どれだけの子どもが毎週土曜日開講を理解し、そして、ひろばに行ってみようと思ってくれたのか。新学期が始まり、子どもたちのひろばへの参加を促進させるためにも、4月中に小学校訪問を行い、学校側と意見交換したいと思っている。
◆丸亀お城村へのひろばテント出店計画の続報
○テント内には、外国人住民を除き、常時4~5人体制(男性2人、女性2人)を維持する。
○1名につき、原則5時間ブロック従事 2日間5ブロック(5/3 7:00~12:00 12:00~17:00 17:00~22:00 5/4 8:00~13:00 13:00~18:00)
○スタッフは、現時点で12名。役割分担 ①テント設営、テント装飾担当3名 ②料理関係担当 2名 ③販売担当12名 ④日本語クイズ担当2名
○ペルーとフィリピンの外国人住民に、1日当たり200セットの料理をつくってもらう。
○大量の料理を作ってもらうのだが、計画どおりに前日までに仕込むことができるのか。料理関係担当の女性2名と連携をとってもらい、実施する。
※ひろばとしては、初めてのお城村テント出店だが、ひろばに参加する子どもたちの保護者など外国人住民との交流の機会にもなることから、精一杯取り組みたい。スタッフ申し込み受付中です。
【2】論文・新聞記事・行政機関の記者発表記事・その他情報
◆今、外国人住民の置かれている問題(差別・偏見編)
「外国人4割、入居拒否経験」(四国新聞4/1)
法務省が日本に住む外国人を対象に初めて実施した「差別や偏見に関する調査」を公表した。
昨年11月、全国37市区を対象に1市区当たり18歳以上500人を無作為に抽出、18,500人のうち4,252人が回答。回答率は23%。外国人を対象とした調査ではこんなものか。いや、そもそもこのような大事な調査が国レベルでは初めてということ、このことの方がもって大きな問題である。自治体レベルでは、多文化共生社会に実現に向けた計画立案に際し、外国人住民の生活実態調査が行われることがあり、その中で、どのようことで日本人からの差別や偏見を感じたかなどの質問がある。しかし、調査対象者は多くなく、国籍、在留資格が限定され、実態には程遠かった。このため、今回の国の調査は遅きに失した感はあるが、評価できる。
(結果)過去5年間に日本で住居を探した2,044人のうち、外国人であることや、日本人の保証人がいないことを理由に入居を断られた経験がある人は、それぞれ約4割だった。物件に「外国人お断り」と書かれているのを見て諦めた人も約27%いた。日本で仕事を探したり働いたりしたことがある2,788人のうち、外国人であることを理由に就職を断られた経験がある人は25%。このうち日本語での会話ができない人はほとんどいなかった。同じ仕事をしているのに日本人より賃金が低かったと回答した人は約20%だった。全体の約30%が差別的なことを言われた経験があり、ヘイトスピーチを見たり聞いたりした4,085人のうち約80%は「不快」「許せない」など否定的な感情を持った。一方、差別を受けたときにどこかに相談したことがある人は全体の約11%。法務局の人権相談窓口を知っている人も約12%にとどまった。
※法務省「人権侵犯事件」統計資料H28 外国人関連 総数 72件 措置 54件
※これまで、このメルマガでも外国人差別事案について、数は少ないが報告してきた。(韓国旅行者による張り紙、南海電車内での車掌の車内アナウンスなど)県内の事例としては、「香川県人権啓発活動ネットワーク協議会」のホームページでは、「県内家主や仲介業者の意向により、外国人にはアパートやマンションに入居させないという差別的取扱いがされたり、公衆浴場において外国人の入浴マナーが悪いとして一律に外国人の入浴が拒否されたり、あるいは、外国人について根拠のないうわさが広まるといった事案が生じています。」とあり、県内でもこれまでに差別事案はあったようだ。また、香川県の「多文化共生推進プラン」(H28.3)策定に伴う「外国人住民アンケート調査結果(2,491人対象)では、「周囲の人が冷たい」102人、「仕事が見つけにくい」68人とある。調査対象の9割は、19歳~39歳であり、中年、高齢者がほとんど含まれておらず、結果の妥当性に疑問も感じる。
総務省の全国調査でも、約30%の外国人住民がなんらかの差別的なことを経験している。2020年の東京オリンピック対策ではなく、私たちの身近で共に暮らしている外国人住民に、私たちはどう向き合ったらいいのか、真剣な議論が必要ではないだろうか。
◆就労外国人ランク付け(四国新聞4/1)
中国政府は1日、国内で就労する外国人を3段階にランク付けし、就労許可証を発給する際などの対応や扱いを分ける新制度を導入した。中国が「有能」とみなした人材を優遇して受け入れ、その他の人数は制限する狙い。日系企業を含む外国企業の活動に影響が出る可能性がある。
新制度を主導する国家外国専家局によると、能力や実績に応じて外国人をA、B、Cの3段階に区分。ノーベル賞など国際的な学術・芸術賞の受賞者などをAランクに位置付け、科学技術や文化、芸術といった専門的分野で一定の経験がある人材などをBランクに、その他はCランクに位置付ける。同時に点数制も導入。収入や学歴、中国語レベルや年齢、中国での勤務地に応じ加算される仕組みで、合計点数を算出する。(中略)Aランクの外国人は就労手続きの簡素化などで優遇、Cランクは政府が受け入れ人数を決めて管理する。
※これは中国の話ではすまされない。我が国にも、高度人材外国人の受入れを促進するため,高度人材外国人に対しポイント制を活用した出入国管理上の優遇措置を講ずる制度を平成24年5月7日から導入している。高度人材外国人の活動内容を,「高度学術研究活動」,「高度専門・技術活動」,「高度経営・管理活動」の3つに分類し,それぞれの特性に応じて,「学歴」,「職歴」,「年収」などの項目ごとにポイントを設け,ポイントの合計が一定点数(70点)に達した場合に,出入国管理上の優遇措置を与えることにより,高度人材外国人の我が国への受入れ促進を図ることを目的としている。(法務省HP)このような外国人を区別して入国させるのは果たしてどこまで許されるのか疑問である。
【3】編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
4月から毎週土曜日開講が開始した。今後、どうしたら子どもたちの参加を促すことができる
のか、学校側とも一緒に考えていきたい。
丸亀お城村へのテント出店、初めての経験で試行錯誤の連続。しかし、ひろばの会員相互の協
力が不可欠であり、ひろばの発展にもつながるイベントである。応援よろしくお願いします。
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