メルマガ 第55号 2018.3.1

まるがめ子どもにほんごひろば メルマガ             
通算第55号(2018年3月1日発行)毎月1回及び随時発行予定(記事、論文引用:太文字)  
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【1】 今号のトピック
◆今年も丸亀お城村にテント出店します。ご支援を!
第43回丸亀お城村実行委員会の第2回委員会が2月28日19:00から丸亀市民体育館別館2階で開催され、香川まるがめ子どもにほんごひろばの出店を申し込み、決定された。
・開催日は、5月3日(9:00~21:00)・4日(9:00~17:00)
の2日間。
・テント設営は、丸亀場内市立資料館前の芝生ひろば
(第一たべもの部会10テント)
・食べ物は、ペルーの牛串とフィリピンのプト(ココナッツ入り米菓子)(昨年のテント風景)
◆今、外国人住民が置かれている現実(在留資格 編)
○資格外活動の許可を得て、アルバイトでしか働けない「家族滞在」で在留する若者・児童生徒が日本の高校を卒業した後、就労の範囲に制限の無い「定住者」への変更について
・永住者、日本人の配偶者等、定住者など身分・地位に基づく5つの在留資格ではなく、活動に基づく21の在留資格のうち技能、留学など16の在留資格の者の扶養を受ける配偶者又は子として来日し、日本の義務教育機関を卒業していない者で、日本の高校に入学、卒業見込み、さらに卒業した者について、法務省入局管理局は、日本の高校に入学、卒業見込み中の者はもちろん、卒業した者も「定住者」への変更を認めていない。その理由として、「日本の義務教育を卒業せず、日本の高校だけを卒業した者については、わが国の社会への十分な定着性が認められないので、「定住者」を許可する特別な理由は認められない。」とする。そして、日本の義務教育の大半を修了し、日本の高校を卒業後、日本で就職先が決まっている者は「定住者」への変更を認める場合があるとしている。(Migrants Network 196号省庁交渉2017 10,11ページ要約)
※例えば、中華料理の料理人(在留資格「技能」)として来日した中国人家族が中国で中学校を卒業した子どもを「家族滞在」で呼び寄せ、その子が日本の高校を卒業しても、日本では資格外活動の許可を得て、アルバイトしかできず、就労の範囲に制限の無い「定住者」への変更はできないということ。これでは、その子の将来の芽を摘むことにならないか。(移住連)高校での進路指導の時に、在留カードを見ながら「あなたは就職は日本では出来ませんから帰ってください、」と教員に言えということですか?
※10年以上在留し、「永住者」の在留資格を得ようとしても、就労資格ももって5年以上在留する必要があり、就労資格でない「家族滞在」のままでは「永住者」には変更できない。
【2】論文・新聞記事・行政機関の記者発表記事・その他情報
◆外国人労働者の就労拡大 首相が検討開始を指示 単純労働者の増加には懸念も(産経2.20)
人手不足の深刻な介護、農業などの業種を中心に即戦力となる人材を招き、少子化で低迷する日本経済の生産性向上につなげる。検討結果は6月ごろまとめる経済財政運営の指針「骨太方針」に盛り込む。入国管理法の改正も視野に同法が定める「専門的・技術的分野」の在留資格に関して対象の拡大を目指す。
 現在、就労目的で日本での在留が認められるのは、「教授」や「介護」「技能」など18業種。これ以外の農業、建設なども加えるか検討する。18業種についても、実務経験といった在留資格取得のための要件の緩和を検討する。
 どの業種を緩和の対象とするかは、ITを使っても生産性を向上させられないか、高齢者や女性の活用でどこまで補えるかなどを判断基準とする。国籍取得を前提とする「移民」につながらないよう、在留期間を制限し、家族の帯同も基本的に認めない。
◆保険料二重払い解消 駐在員年金、7万人対象(毎日 1.29)
【北京・共同】河野太郎外相は28日(日本時間同)の王毅中国外相との会談で、双方の駐在員が社会保険料を二重払いしている問題を解消する社会保障協定の締結で実質合意した。協定の文言確定作業を進め、早期署名を目指す。中国で勤務する日系企業駐在員7万人が対象となり、日本側の軽減効果は年間400億円以上が見込まれる。
 日本外務省によると、特に負担が重いとされる年金保険料に関し、協定の締結により(1)5年以内は派遣元国の年金制度にのみ加入(2)5年超は原則として派遣先国の年金制度にのみ加入--とすることで一致した。
※社会保障協定:日本では主要諸外国と年金に関する社会保障協定を締結しており、その場合は外国人労働者が5年以内の日本滞在であれば協定相手国の保障制度を選択することができます。
ただし、あくまでも協定相手国の事業所からの派遣の場合に限られ、日本での現地採用の場合は日本の社会保障制度が適用されることになります。
現在日本は、ドイツ、イギリス、韓国、アメリカ、ベルギー、フランス、カナダ(オーストラリア、オランダ、チェコスロヴァキアは準備中)と社会保障協定を締結しています。
※短期在留外国人に対する脱退一時金
日本の年金制度においては、短期在留外国人が年金を受けることができない場合の措置として、脱退一時金制度が設けられております。脱退一時金は原則として要件にすべてあてはまる方が出国後2年以内に請求した場合に支給されます。(国民年金の場合 3年以上加入:23万円余)
◆不法滞在者再収容、5年で4倍に 政府、東京五輪で監視強化(四国 2.13)
入国管理施設に収容された不法滞在外国人のうち、条件付きでいったん解放されながら就労禁止違反などを理由に再収容された人が5年間で約4倍に増えていたことが12日、分かった。政府は2020年の東京五輪に向けた治安対策と説明。再収容者には難民申請中が多く、支援者は「仕事しないと暮らせない。難民保護に反し、非人道的だ」と批判している。
入管当局は原則、在留資格がなく強制送還の対象となった外国人を一時的に施設に収容。だが、母国が身柄引き取りを拒否したり、本人が難民申請中だったりすると、直ちに送還できず、収容が長期化する。そうした場合、病気や人道上の理由から就労禁止を条件に「仮放免」許可を出し、拘束を解くことがある。
 法務省によると、12年の再収容者が121人だったのに対し、16年は474人。17年も9月末時点で434人に達している。仮放免者数も12年末の2645人から16年末には3555人と増えたものの、再収容者の比率も大幅に高まった。
【3】編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  3月に入った。1日は今年一番の春の嵐に。朝から強風が吹き荒れている。寒かった今年の冬もこれで終焉と思えば、嬉しくもある。
  4月からは、アイパル香川からの3カ年の業務委託も満了し、委託料もなくなり、ひろばだけの資金で運営することになる。当ひろばが丸亀市市民活動推進課の生涯学習クラブへに登録が承認されたら、城乾コミュニティセンターの会場使用料も免除となる。身を引き締め、ひろばの継続実施に向け、会員みんなで知恵を出し頑張っていこうと思う。新年度の総会は、4月7日(土)、ひろばの始まる前、9時からの予定。会員、準会員のご出席をお願いしたい。
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■編集・発行 香川まるがめ子どもにほんごひろば事務局 文責:安藤 
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メルマガ 第54号(H30.2.5)

通算第54号(2018年2月5日発行)毎月1回 随時発行(記事、論文引用:太文字)  バックナンバーはURL:http://marugame-kodomo-nihongo.net/merumaga.html で閲覧できます。  
【1】 今号のトピック
◆1月27日(土)のひろばは大盛況
昨年最終のひろばとなった12月16日(土)では、クリスマス会の前宣伝もあり、幼児を含め10名の参加があったものの、今年に入り1月6、13、20日は4名、2名、2名と低調だった。ところが27日は10名とまたまた大台を記録する結果となった。ボランティアは5名でてんやわんやに。フィリピンの親子も参加し、充実の1日となった。続く2月3日も8名となり、これからが楽しみ。
◆「外国人児童生徒のためのJSL対話型アセスメントDLA」使い方」研修会に参加(12月23日(土)10~16 於:アイパル)続報(2)
 外国籍等(日本国籍含む)児童生徒の日本語能力測定のツールとして開発されたDLAだが、私たちボランティアが活用するには、その内容の中身の広さ、深さ、判定における判断など多くの課題がありそうだ。ひろばでは、初めて参加する児童生徒には、ひろば独自の簡単なシートを使って、現在の日本語能力を把握しよ
うとしているのだが、これがその後に活かされることはあまりない。ひろばとして、個々の子どもたちの日本語能力をどうとらえ、どのように支援していくかについて議論することが必要だ。(以下、DLAの手順概略 -詳しくは、
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/clarinet/003/1345413.htm をぜひご覧ください。)
DLAが測定しようとする言語能力
 「DLA」は、<はじめの一歩>(「導入会話」と「語彙力チェック」)と、<話す><読む><書く><聴く>の4 つの言語技能から構成される。DLA測定の前段階として「導入会話」で①CF(会話の流暢度)と「語彙力チェック」で②DLS(弁別的言語能力)を測定する。一定程度の日本語能力があると判定されれば,<話す><読む><書く><聴く>テストにより①CF②DLS③ALP(教科学習言語能力)を測定し、6段階のJSL評価をする。
 6段階評価(ステージ1~6)に基づいて、日本語指導が必要な児童生徒の支援の段階が決まる。
・ステージ1~2 は、日本語による意思の疎通がむずかしく、サバイバル日本語の段階です。在籍学級での学習はほぼ不可能で、手厚い指導が必要です。
・ステージ3 は、単文の理解がむずかしく、発話にも誤用が多く見られるレベルです。クラス活動に部分的参加を始めつつ、個別的な指導をすることが必要です。
・ステージ4 は、日常生活に必要な基本的な日本語がわかり、自らも発話ができる段階です。話し言葉を通したクラス活動にはある程度参加できるレベルです。しかし、授業を理解して学習するには読み書きにおいて困難が見られ、個別的な指導が必要です。
・ステージ5~6 は、教科内容に関連した内容が理解できるようになり、授業にも興味をもって参加しようとするレベルです。読み書きにも抵抗感が少なく、自律的に学習しようとする態度が見られます。必要に応じて支援をしていくことが必要です。
「DLA」の進め方
・「DLA」の実施方法は「対話」を重視し、マンツーマン形式で行います。
・子ども一人あたりの所要時間は、45~50分以内で実施してください。
・一人あたりの所要時間の目安は、「はじめの一歩」は5分程、「話す」は15分程、「読む」は30分程、「書く」は40分程、「聴く」は15~20分です。
・どのテストを実施するかは、実施者が決めます。子どもの日本語力に応じて、適宜選択してください。 
「DLA」の流れ
 ・観察による子どものステージが予測できない場合は、指導者あるいは実施者は、①「導入会話」②「語彙力チェック」によって子どものレベルを確認します。
④<話す>に進むか、⑤<読む>⑥<書く>⑦<聴く>に進むか判断してください。文字がわかるレベルであると判断された場合は、④を省略しても構いません。⑤⑥⑦の実施の順序は、子どもの日本語力に応じて柔軟に対応してください。
・1回の実施で全ての「DLA」を行うのは望ましくありません。数日に分けて実施することを心がけてください。なお、どのくらいの頻度で実施するかについてですが、指導や学習の成果を把握するために実施する場合は、半年に一度実施するのがよいでしょう。また、指導の在り方を検討するための情報を得るために実施する場合は、その都度実施することも可能です。
(以上『外国人児童生徒の総合的学習支援事業 外国人児童生徒のためのJSL 対話型アセスメント DLA』の第1章「対話型アセスメント(略称DLA)の概要」より抜粋)
◆今、外国人住民が置かれている現実(国籍編)(続報)
自分に向き合う-国籍、ルーツ、アイデンティティ あなたには「理解者」がいますか。
-日本とペルーの間を移動して-(宇都宮大学院生 小波津ホセ)
国籍とは特段の問題がなければ出生時に決定される。しかしながら、アイデンティティは成長過程の中で構築され、その人の土台となり強化されていく。このため、個人の中だけで形成されるものとは言いがたい。アイデンティティの形成に際して家庭、学校、地域などの生活環境の中での周囲の人々との関わりは大きな影響を及ぼし、だからこそ、そうした中での若者への配慮は重要だと考える。(中略)私自身のペルーと日本での経験から、アイデンティティとは移動する人にとって土台となるものであり、同時に壁でもあると考える。そして、アイデンティティの構築と壁の克服には「理解者」が必要になるが、ここでいう「理解者」とは同じ境遇を経験した人やいわゆるロールモデルとなる人である。振り返ると、理解者との出会い、そして自分自身と向き合った経験がアイデンティティの確立に大きな役割を果たしたと思う。 (Migrants Network195号23Pより抜粋)
【2】論文・新聞記事・行政機関の記者発表記事・その他情報
◆ 日系4世の就労制度を創設 日本語能力など条件に(毎日新聞 2018年1月9日)
法務省は今年度中に、ブラジルやペルーなど海外在住の日系4世の若者が日本で就労できる新たな在留制度を創設する。入国の際に一定の日本語能力を求め、1年ごとの更新で最長5年間在留できる。労働力不足の解消に利用される懸念もあることから、国内の親族やホストファミリーなどによる身元保証がある場合に限って在留資格を与える。
 現行制度の日系人の受け入れは、3世と4世で大きく異なっている。3世までの日系人やその配偶者は「定住者」「日本人の配偶者等」の在留資格が得られ、就労も自由。4世は日本で定住する3世と生活する未成年の未婚の実子のみ「定住者」として入国できる。3世の扶養を受けることが前提となっているため、原則として就労はできない。新制度は、年間数千人規模の受け入れを想定。18~30歳の4世に「特定活動」の在留資格を与え、就労を自由にする。入国の際は日本語能力試験の「N4」(基本的な日本語を理解できるレベル)を求め、入国後も日本語のレベルアップを更新の要件とする。原則として、家族を連れてくることはできない。法務省は近く、1カ月程度の意見公募(パブリックコメント)の実施を予定している。
【3】編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  4日(日)の朝、山手の我が家の周りは雪景色が出現。海沿いと山間部?では別世 界に。外国人住民にとって、国籍とアイデンティティを自分の意識の中で合致できるかが重要。
「日本社会はどれだけ彼らに居場所を提供し、かれらが自分たちの価値観で考え、行動することを認め、受け入れてきただろうか。」という前述の小波津ホセさんの言葉は日本人に重い課題。
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■編集・発行 香川まるがめ子どもにほんごひろば事務局 文責:安藤 
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メルマガ 第53号(H30.1.8)

「まるがめ子どもにほんごひろば」             
~外国にルーツをもつ子どもたちとその保護者の学習支援、外国人住民とのつながり に向けて~ 
通算第53号(2018年1月 8日発行)
毎月1回月末及び随時発行 
URL:http://marugame-kodomo-nihongo.net/閲覧可  
◆今年最後のひろばは、今年最大の参加人数に
12月23日(土・祝)がひろばの会場である城乾コミセンの休館日のため、16日(土)が今年最後のひろばとなった。このため、毎年、クリスマス直前のひろばでの恒例のプレクリスマス会は、今年は一週間前の開催となった。今年最後のひろば、子どもたちの参加が気かがりであったが、結果は、子どもの参加が過去最大の12名(幼児3名、小学生8名、中学生1名)、保護者も4名、特別参加者が3名、サポーターが9名(うち四国学院大生1名)、アイパルから2名の総勢30名となった。10時から1時間は宿題などの学習支援、11時からはプレクリスマス会。まずは定番のクリスマスソング(ジングルベル、赤鼻のトナカイ)を田辺サポーターのエレクトーン演奏で全員で合唱。次に子どもたちの発表タイム(私の希望又はやりたいことなどをカードに書き、各自発表)さらにビンゴゲーム(賞品付)、最期は特別ゲストの吉川さんによるお話で大いに盛り上がった。
◆外国とつながる子どもたちの保護者との話し合い報告
以前から、子どもたちが進んでひろばに来てもらうためには、親などの保護者が自分の子どもの日本での教育や勉強のことををどう考え、今後、子どもの将来をどのように希望しているのかなどを我々サポーターも少しでも知り、保護者と話し合い、子どもへの働きかけを行うことが必要だと我々は考えてきた。参加した保護者:12名(フィリピン10名、ペルー2名)サポーター3名、アイパル関係者2名 ゲスト1名 計18名
○スペイン語、タガログ語、ビサヤ語を通訳できる方の参加があったものの、参加した保護者から、具体的な話はあまりなかった。しかし、多くの保護者が集まったことは、子どもの学校のこと、教育のこと、勉強のことへの関心の高さを物語っている。あまり議論できなかった理由は、日本人とこのような話し合う場に出席したことが少なく、意見を言うことに慣れていないこともあると思われる。サポーター側からは、子どもの学校や勉強についての話に耳を傾け、子どもと話し合うことが必要であること、地域には子どもたちを支援するグループがあるので、そこに参加させてほしいこと、何でも相談できる日本人の友達を作って欲しいことなどを話した。最後に、このような話し合いの場を今後も設けたいことを話した。
◆「外国人児童生徒のためのJSL対話型アセスメントDLA」使い方研修会に参加(12月23日(土)10~16 於:アイパル)
「JSL対話型アセスメントDLA」については、以前このメルマガでも紹介したことがあったが、具体的な使い方については実際よくわからなかったように思う。そこで、少しは理解したいと思い、今回、DLAの開発者の一人である東京外国語大学の伊東教授の研修会に参加した。外国籍等の児童生徒が増加する中、日本語指導を行う学校の担当教員は、その子どもの日本語能力の評価判定に困っているという実情がある。①会話力はあっても、学習言語がどの程度身についているかわからない。②観察からの評価のみで基準がなく不安である。③日本語指導の目標や到達レベル、指導終了の目安がなく、指導に苦慮している。④日本語能力の判定の仕方がわからない。こんな現場からの声を受けて、DLAの開発につながった。日本語能力の評価ツールであるDLAは、対話型を基本とし、指導者と子どもたちが一対一で向き合うことで日ごろの学習成果と支援する必要な学習内容を知るうえで必要な情報を得られる構成となっている。(紙面の関係で次号に続く。)http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/clarinet/003/1345413.htm
◆今、外国人住民が置かれている現実(国籍編)
最初に我が国の国籍差別の歴史を述べる。まず、関東大震災での朝鮮人虐殺がある。これを受けてか、いわゆるポツダム勅令によって厚生年金法が改正され、厚生年金保険の被保険者資格の国籍差別が撤廃。しかし、対日平和条約発効を機に一片の通達によって旧植民地出身者は日本国籍を失った。同じ状況にあったドイツとオーストリアでは国籍問題規制法を制定し、在独オーストリア人の国籍選択権が保障されたのとは大きな差だ。続いて戦傷病者戦没者遺族等援護法、国民年金法、児童手当3法での国籍差別条項の登場。しかし、ベトナム難民受け入れを機に日本はさまざまな人権条約を批准した結果、公営住宅の外国人開放、国民年金法、児童手当3法の国籍条項の削除、日本の国籍法が父母両系に改正(その際日本人母の20歳未満の外国籍の子は届出により日本国籍を取得できるとの特例が設けられた。蓮舫議員の二重国籍はこの特例の結果であった。)などが行われた。国籍の父母両系への移行によって重国籍が増え、国籍は同じでも「出自による差別」が起こるようになった。(Migrants Network195号8,9Pより抜粋)
次に国際結婚家族の国勢をめぐる問題 1985年に父母両系の国籍法が成立し、母親が日本人である子どもは日本国籍を得たが、これによって重国籍が増えることを問題とした政府は、国籍の選択制度を新設した。子どもたちは父と母からそれぞれ異なった国籍や文化、歴史を受け継ぎ、両方から影響を受け、自らの人格を形成しながら成長するが、22歳になるまでに国籍を選択しなければならないこの制度は、子どもに父母の一方を選ばせるに等しく、多大な負担と苦痛を与える。また、一方、日本国籍を選択した場合、外国国籍離脱に努めなければならないという規定は、努力義務にすぎず、国籍離脱ができない国がある中、複数の国籍を持つ日本人はこの一方的な押し付け義務規定に不安を駆り立てられる。国籍を二つ持つということは、二つの国の権利と自由を同時に行使することではなく、日本でいるときは他の日本人と変わらず、一方の国籍は潜在的にあるだけで、それを使うことは大使館、領事館以外にない。そしてもう一方の国に帰るとその国の国民になるわけで、日本人という法的地位には意味がない。国家と個人の絆である国籍に関わる制限の壁を低くして、「国民」の範疇を多言語化する試みが外国人の参政権や公務員の国勢条項撤廃である。「国民の範囲」を国籍に限定する国家主義から国内的には「住民」としての結びつきを重視する「住民主義」への移行を検討するために、「国籍」を相対化し、社会構成員の「国民化」の意味を問い直してみる必要があるだろう。複数国籍取得の可能性もそれらの一つだろうか。     (Migrants Network195号18,19Pより抜粋)(次号に続く)
◆技能実習の職種にコンビニ運営業務を 業界が申請
業界の人手不足を解消するのが本音であろうが、さらなる労働搾取につながらないことを祈る。
【3】編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
明けましておめでとうございます。メルマガ配信が大変遅れ、申し訳ありません。昨年末の保護者懇談会、クリスマス会を契機に、保護者とのつながりの必要性を感じています。今年はつながりをより意識したひろば運営を心掛けたいと思っています。ひろばも今年7月で6年が経過しま
す。今後とも、応援よろしくお願いします。
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■編集・発行 香川まるがめ子どもにほんごひろば事務局 文責:安藤 
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メルマガ 第52号 2017.12.2

「まるがめ子どもにほんごひろば」             
~外国にルーツをもつ子どもたちとその保護者の学習支援、外国人住民とのつながり に向けて~ 通算第52号(2017年12月 2日発行)
      毎月1回月末及び随時発行
 ※太字は引用文掲載
  URL:http://marugame-kodomo-nihongo.net/閲覧可  
【1】トピック
◆外国とつながる子どもたちの保護者と話し合う会を開催します。
と き 12月10日(日)11:30~12:30
ところ 丸亀カトリック教会 会議室 
開催の経緯:最近、ひろばへの子どもたちの参加が少ない日が多くみられるため、サポーターから、「子どもたちはひろばをどう思っているのか、ひろばが子どもたちにとって行きたい場所になっているのか、保護者は子どもの学習についてどんな思いをもっているのか、などをサポーターも理解すべきではないか。そのためにも、保護者と話し合う機会をもつべきでないのか」という意見があったことから今回の企画となった。当初は、ひろばの会場である丸亀市城乾コミュニティセンターを会場にと考えたが、多くの外国人住民への周知と参加しやすい場所として、まず手始めに外国人保護者が多く集う「丸亀カトリック教会」とし、今後は、丸亀市城乾コミュニティセンターで継続してこのような話し合いの場を開催することを考えることになった。
(話し合う内容)
○参加した保護者の状況(小学生がいる保護者、中学生がいる保護者、両方いる保護者)や子どもの状況(日本で生まれた、母国で生まれ来日(小学校前に来日、小学校卒業時に来日)、家庭内言語などを聞くことを通して、参加保護者の子どもを取り巻く状況を把握し、以下のような質問を投げかけてみようと思っている。(通訳の外国人住民に参加してもらう。)
○家で学校の話しをしますか。授業は分かるといってますか。宿題は家でしていますか。
○うちの子は日本語を上手に話すので、学校の授業もわかるはずだ・・・と思っていますか。。
(生活言語と学習言語の違い,語彙を増やすこと、論理的思考力を伸ばすことの大切さ)
○高校への進学は、中学校で頑張ればなんとかなる、中学校でなんとかしてくれると思っていませんか。
(小学校での学習の基礎の必要性、中学校の学習の難易度の高さ、高校入試の厳しさ、香川県では外国籍
等生徒への優遇措置はない)
○日本の学校のシステムはしっかりしているし、先生も優秀なので、子どもの将来のことは心配していないと思っていますか。(学校による対応の違い、学校による在籍児童生徒の数の差、サポートする講師の数と時間数)
○高校進学については、・進学させたい・進学してほしい・学校が決めてくれるだろう・高校進学しなくても仕事はあるから心配していない。
※日本は、まだ学歴社会、資格要件に高校卒業あるもの多い、子どもの将来に多くの選択肢を提供できるかどうか。
※日本語教室の存在を知ってもらう。保護者が子どもの背中を押す努力が絶対必要。子どもは学校で勉強に疲れているので、お休みまで勉強したくない。
◆城乾小学校の「ワールドフェスタ」を見学(11.19)
こくさい教室の子どもたちの発表を見ようと城乾小学校体育館を訪れた。体育館内は、前の方に全校児童が着席しており、その後方が保護者席となっていた。最後尾には椅子席も用意され、私は、ここから見学することにした。こくさい教室の発表が始まった。内容は、桃太郎の劇。40名近くのこくさい教室児童が、犬、猿、雉に分かれて出場し、鬼役の先生をこらしめるというお話になっていた。桃太郎にしたがっていく様子が楽しかった。児童のみなさん お疲れさまでした。
「ワールドフェスタ」は、外国籍等の児童が多い城乾小学校の全校生による発表会で、特色ある活動ある活動として紹介されている。以下は引用文。
1目的
ワールド学習(多文化共生を目指す総合的な学習の時間)の総まとめとして、自分たちが調べたことや思ったこと、考えたことを全校生や保護者、地域の方々に発信し広めていく場として、平成23年度から毎年11月に開催している。
2 始めたきっかけ
本校に外国にルーツがある児童(以下、外国籍等児童)が増えてきたため、平成23年度に「外国人子女」加配が配置され、取り出し指導を実施する「こくさい教室」が設置された。当時、日本国籍の児童と外国籍等児童との間で、文化や生活習慣の違いから生じる戸惑いやトラブルがあった。そこで、今後のグローバル化社会を見すえ、多文化共生に基づく人間関係づくりを進める一環として、ワールドフェスタを実施することになった。
平成28年度は、全校生269名のうち59名(約22%)が外国籍等児童である。(平成28年10月31日現在)
【2】書籍・論文紹介・新聞記事・行政機関の記者発表記事・その他情報
◆外国人犯罪 8割が「不安」(四国新聞 11.16)に疑問
「全国的に増加傾向にある外国人犯罪について、県民の約8割が不安を感じていることが、時事通信社と四国新聞社が実施した県民1千人対象の合同世論調査2017で明らかになった。」との記事があった。「県警によると、来日外国人犯罪の検挙件数は2016年が94件で、過去10年間で最多。」と続く。この県警からの聞き取りの真偽を確かめるため、県警の統計をWEBで調べてみた。
来日外国人の刑法犯と特別法犯の検挙、送致件数の合計が94件である。確かに、過去10年間で最多である。しかし、資料によると、「来日外国人とは、我が国にいる外国人のうち、いわゆる定着居住者(永住権を有する者等)、在日米軍関係者及び在留資格不明の者以外の者をいう。」とある。ということは、訪日する県内旅行者などの短期滞在者が年間30万人、技能実習生、留学生や身分によらない在留外国人が6千人であり、そのなかで94件であるから、日本全体の検挙率が計算上0.3%、県内が0.03%となる。外国人犯罪は日本人の10分の1少ないではないか。世論調査では、「外国人犯罪に対する不安感はあるかどうか」の質問であり、これでは、真面目に暮らしている永住者、日本人等配偶者、定住者、特別永住者を含めた外国人全体という形で8割の人が不安感を感じていると取られてしまう。新聞社は、ここんところをどれだけ理解して、記事にしているのか。県警の報道資料を鵜呑みに、不安感だけを煽ってはいないのだろうか。
【3】編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今日12月2日のひろばは、てんやわんや、いや大盛況といった方がいい日となった。サポーターが3人と少ないうえに、児童が8名参加してくれた。うれしい悲鳴だが、しっかりした対応ができなかったことは、子どもたちに申し訳ない思いで一杯だ。子どもの参加数は流動的であり、継続した支援ができるよう、12月10日の保護者懇談会では、このことも含め、よく話し合いたいと思った。
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メルマガ 2017.11.2

「まるがめ子どもにほんごひろば」             
~外国にルーツをもつ子どもたちとその保護者  
の学習支援、外国人住民とのつながりに向けて~ 
通算第51号(2017年11月 2日発行)
毎月1回月末及び随時発行 
URL:http://marugame-kodomo-nihongo.net/閲覧可  
【1】今号のトピック
◆日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(平成28年度)」の結果について(文部科学省)平成29年6月13日発表
公立学校に在籍している外国人児童生徒数(平成28.5.1 文部科学省 学校基本調査) 80,119人 H26より6,830人増(H26対H24 1,744人増加)※2年前の前回調査に比べ、3.9倍増加。日本語指導が必要な外国人児童生徒数 34,335人 H26より5,137人増(H26対H24 2,185人増) ※2年前の前回調査に比べ、2.4倍増加。「特別の教育課程」により日本語指導を受けている外国人児童生徒数は、11,251人(H26:5,788人 )42.6%(H26:23.9%)日本語指導が必要な日本籍児童生徒数 9,612人(7,897人)(H26より1,715人 H24より1,726人増加)うち、「特別の教育課程」により日本語指導を受けている日本人児童生徒数は、2,767人(1,238人) 38.8%(20.0%)
(香川県の状況) ○日本語指導が必要な外国人児童生徒 小学校 97人(64人) 中学校 21人(25人) 高等学校3人( 4人)特別支援 0人(5人) 計 121人(H26:98人) (H24:66人)
母語内訳 スペイン語 38人(30人)フィリピノ語 35人(30人)中国語 31人(23人)ポルトガル語 2人(5人) 英語 3人(3人)その他12人( 7人 )
○日本語指導が必要な日本籍児童生徒
 小学校20人( 31人)中学校 5人(0人) 高等学校1人( 0人)特別支援 2人(2人)
  計28人(H26:33人) (H24:26人)○母語内訳 スペイン語 3人(0人) フィリピノ語 11人(11人)中国語0人(1人) ポルトガル語 0人(1人)その他 3人(2人)
○学校基本調査
香川県内の外国人児童生徒数(毎年5月1日現在):小学校 H21年度 118人,H28年度 178人と7年間で51%増、中学校H21年度 54人が28年度 86人と59%増となっている。高校はH21年度 35人が28年度 26人と25%減となっている。28年度総数では281人である。(H21:207人)
◆中国帰国者支援交流センターからの高校入試特別措置情報の協力依頼
先月、上記センターの安場さんから、外国人生徒・中国帰国生徒等の高校入試を応援する有志の会が行っている県立高校の外国人生徒入試特別枠/措置の調査に関わっていただけないかとのメールがあった。このセンターが公開している高校入試に関する全国調査(全国都道府県、政令指定都市)は香川県の実情を知る情報として貴重であり、個人的には以前から評価していたところでした。団体としてもしっかりしており、先日ひろばのメンバーにも諮り、窓口になることの了承を得ました。
※中国帰国者支援交流センター:日本に永住帰国した中国・樺太(サハリン)残留邦人とその家族(帰国者)を支援する機関として平成13年、国からの事業委託を受けて開設し、現在全国の主要都市7箇所に支部センターがある。帰国者に対する日本語学習・交流支援事業や生活相談・就職援助事業などを行っており、その中に帰国者の進学・進路情報の提供事業があり、このたびの高校入試特別措置情報もその一つである。
○2017年入試の調査結果の概要
外国人生徒、中国帰国生徒、海外帰国生徒への高校入試の特別措置には、特別入試枠と入試特別措置がある。特別入試枠とは、特定の高校に外国籍生徒や中国等帰国生徒を対象とした入学枠があり、特別な試験を受けられる場合の枠をさす。入試特別措置とは、一般入試を一般の生徒とともに受験する際に、何らかの措置(時間延長、漢字にルビ、問題用紙の拡大コピー、別室受験、注意事項の母語表記、教科減、辞書の持ち込み可など)を受けられる場合の措置をさす。
調査対象:都道府県・政令指定都市60地域のうち、全日制高校では特別入試枠措置18地域(中四国なし)、入試特別措置30地域(中四国では鳥取県、徳島県実施)。その他として、特別の措置はないが、何らかの優遇措置を行っている地域(中四国では、島根県が個々の状況に応じて、時間延長、科目減等、愛媛県が海外帰国生徒について、一定の要件を満たせば募集定員を超えて入学を許可、香川県は以下のとおり)がある。
香川県の場合:特別入試枠 なし・入試特別措置 なし ただし、「帰国生徒等(外国人生徒を含む。)の選抜にあたっては、海外経験を十分考慮するとともに、その事情により一定の配慮をすることができるものとする。」日本語能力に配慮して面接を行っているが、学力検査での時間延長や課科目減などは行っていない。http://www.kikokusha-center.or.jp
※先日、県高校教育課を訪問した。外国籍中学生徒の高校進学率を聞いたところ、データを知らなかった。また、外国籍中学生徒に対する高校入試への対応は、ここ15年間全く改正されていない。
現在の日本語指導を必要とする児童生徒数の増加や中学校での授業についていけない生徒の増加を踏まえ、せめて何らかの措置(時間延長、漢字にルビ、問題用紙の拡大コピー、別室受験、注意事項の母語表記、教科減、辞書の持ち込み可など)を検討してほしい旨要望した。
【2】書籍・論文紹介・新聞記事・行政機関の記者発表記事・その他情報
◆外国人実習生、介護職追加 11月施行 ~事業所、開設3年が要件~(四国新聞 10.12)
外国人の技能実習制度に介護職種を追加する法改正が11月に施行されるのを前に、厚生労働省は11日までに、受け入れ先の事業所や実習生に求める要件を公表した。開設3年以上の事業所を対象とし、実習生は入国段階で基本的な日本語を理解できる能力が必要とした。受け入れ人数の上限を常勤介護職員の総数までとすることも定めた。介護現場の人手不足が続く中、ベトナムなどアジア諸国からの来日が想定されており、年明けに第1陣が入国するとみられる。ただ、受け入れ事業所数や人数については厚労省は把握していない。
(介護の外国人技能実習生に関する主な要件)
○受け入れ事業所(・訪問サービスは対象外・開設後3年以上・実習生5人につき1人以上の指導員・規模に応じて実習生の人数に上限設定。最大でも常勤介護職員と同数まで。)
○実習生(入国時に「基本的な日本語を理解できる」日本語能力試験N4程度・入国時。原則240時間の日本語学習と42時間の介護講習・2年目は日常的な日本語をある程度理解できる N3程度)
※四国新聞10.29
在留期間は最長5年。11月1日施行の技能実習適正化法では、実習生の出身国側と日本国内の受け入れ先事業所をつなぐ監理団体を許可制とし、事業所に実習生ごとの実習計画を作成させる。
制度の適正な運用のため、今年1月に法務、厚労両省が設立した「外国人技能実習機構」が実習生計画を審査、認定し、実習生の相談を受ける。実習の強制、パスポートの保管の禁止には罰則。
【3】編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今回の介護職の追加は、2025年には介護職が38万人不足する推計に対応するもの。学費や渡航費など受け入れ側が負担する初期費用は1当たり約75万円かかるそうだが、それでも日本人を採用するより投資効果は高いという。技能実習生の奪い合いも始まっており、新設された「外国人技能実習機構」がどこまで人権侵害をチェックできるか疑問だと専門家は指摘する。
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■編集・発行 香川まるがめ子どもにほんごひろば事務局 文責:安藤 
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メルマガ 2017.10.2

まるがめ子どもにんごひろば メールマガジン
~外国にルーツをもつ子どもたちとその保護の学習支援、外国人住民とのつながりに向けて~ 
通算第50号(2017年10月2日発行)毎月1回月末及び随時発行 
URL:http://marugame-kodomo-nihongo.net/で閲覧可 本文中引用文は太字記載

◆外国人住民からの相談事例
去る6月24日(土)と7月22日(土)に総務省四国行政評価支局が主催で丸亀市城乾コミュニティセンターにおいて開催した「外国人住民との行政懇談会」以降、参加した外国人住民らから各種の相談が寄せられるようになった。その中から、当人のプライバシーに配慮したうえで、皆さんに情報提供することで、今後の外国人住民との交流の中で参考としてほしいと思われる事例について報告する。
○国際免許における再入国3ケ月ルールをご存知ですか?(相談事例その1)
その外国人住民は母国で自動車の国際免許を取得し、その後日本に入国した。そして母国の運転免許証の更新のため、再入国手続きをとり、昨年12月下旬に出国し、今年2月上旬に日本に入国した。ある日、自動車運転中、道路交通法違反で警察官に止められた。その時、母国の運転免許証と国際免許証、さらにはパスポートを提示したところ、警察官から「あなたは、直近の再入国に際し、出国から入国の期間が3か月未満であるので、今回の上陸の日から1年間有効となる国際免許に関する規定が適用になりません。このため、上陸の日は遡ることになり、パスポートで確認すると今回より前の再入国日が上陸の日となるが、その日は昨年4月であり、国際免許の有効期間は今年の4月までとなる。今は9月であるので、有効期間は過ぎており、あなたは無免許運転をしていることになります。」と言われたとのことだ。この3カ月ルールを多くの外国人は知らない。日本で自動車を運転する場合、外国で取得した運転免許証を日本の運転免許証に切り替える方法もあり、この場合、外国で免許を取得後、その国等に通算して3か月以上滞在していたことが要件になる。
(参考)
 外国人住民の皆さんが日本で自動車を運転することが可能な方法は、
① 日本の免許証を取得する。
② 外国で運転免許を取得し、さらに道路交通に関する条約(ジュネーブ条約)に基づく国際免許証を取得する。
③ 外国で取得した運転免許証を日本の運転免許証に切り替える。この3つです。
・①の場合:日本人と同じよう、居住地の運転免許試験場で技能試験と学科試験を受けて、免許を取得することになり、日本語の習得が十分でない外国人住民にとって、非常に難易度が高く、なかなか合格できないのが実情です。公認の自動車学校に通い卒業すると運転免許試験場での技能試験が免除され、卒業してから運転免許試験場で学科試験を受験し、免許を取得できますが、費用が高額なうえ、学科試験はやはり難関です。
・③の場合:日本語が話せない方には、通訳できる方の同伴が求められる。また外国免許からの切替の際、知識確認、技能確認を行います。一定の外国・地域で免許を取得した方は免除されることがあるが、アジア、南米の国・地域では台湾だけ。さらに外国・地域で免許を取得後、その国等に通算して3か月以上滞在していたことが要件になります。一番の難関は、提出する書類や外国の免許証が正当であるかどうかの審査が厳しく、却下になるケースが多いと聞く。このため、他の都道府県に住所を一時移し、比較的審査の緩やかな自治体で切り替え申請する方もいる。
・そのようなことで、②の国際免許証を取得する方も多くいる。
国際運転免許証で運転するためには次の要件を満たしている必要がある。
・ジュネーブ条約締約国が発行し、同条約に定める様式に合致した国際運転免許証であること。
・国際運転免許証の発給から1年以内であり、かつ日本に上陸した日から1年以内であること。
・道路交通法107条の2に規定するいわゆる「3か月ルール」に抵触していないこと。
○技能実習生と日本人との結婚(相談事例その2)
ベトナムの男性実習生と結婚を希望する日本人女性の関係者から相談があった。3年間の実習が終了し、男性は帰国したが、日本で結婚できるのか?
・大阪にある支援グループからの回答では、
実習生は一度帰国すれば、日本に再入国しにくくなるという事情はある。そもそも技能実習制度は帰国後母国で日本での技術習得の成果を収めることが制度の趣旨であるから。しかし、結婚という特別の事情がある場合は、入国許可は下りる可能性がある。日本の女性に経済力があること(月15万円ぐらいの収入でもOK)、日本での就職の可能性が高い(事業主から在留資格認定證明書が出せるなど)こと、ベトナムでの結婚要件具備証明がとれること などが要件となる。まずは、地元市町や、堺市にある領事館に問い合わせることを伝えた。
◆コンビニの店舗運営を技能実習の職種に追加申請へ コンビニ外国人雇用4万人
コンビニ各社が加盟する日本フランチャイズチェーン協会が「外国人技能実習制度」の対象職種にコンビニの店舗運営を加えるよう、年内にも政府に申請する方針を固めたことが18日分かった。政府は有識者会議で審査し協会が示した実習内容などに問題がなければ認めるとみられる。
人手不足が慢性化しているコンビニ各社は、留学生を中心に外国人アルバイトを積極的に採用しており、セブン-イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソンの大手3社の外国人バイトは今年8月時点で全店員の6%弱に当たる計約4万4千人に達した。直接の雇用者であるフランチャイズ加盟店のデータを基にした概算。技能実習の対象職種になればさらに増えるのは確実だ
技能実習制度は、発展途上国の経済成長を担う人材を育てるため、企業や農家などで外国人を受け入れて技術を習得してもらうもの。しかし近年は、低賃金労働者の確保に利用されているとの批判もある。協会は人手確保が目的ではないと強調。コンビニの店舗運営は相手国の流通産業の発展に資する技能だとして実習体系などを整備し理解を得たい考えだ。(共同)
◆県内増加傾向のイスラム教徒(ムスリム)(四国新聞 H29.9.4)
香川県内のイスラム教の礼拝施設は香川大の3つのキャンパスにある「礼拝スペース」だけ。誰でも利用できるモスク(礼拝所)の建設を目指し、募金などの動きが出ている。県内のムスリム人口はイスラム圏からの滞在者が増加傾向にある。香川大では農学部キャンパスの礼拝スペースを使用し、40人ほどが集まることもある。だが、学外からは利用は難しい。高松市でトルコ料理を営む男性は、友人と徳島市のモスクまで駆けつけたという。香川大医学部の外国人准教授は「利用しやすいモスクを建てたいが、便利な場所は土地代がかさむ。モスクは祈りの場だけでなく、みんなの様子を知り、助け合う場だ。いつかは実現させたい」と話す。
編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 9月の中旬に、ひろばの新しいチラシを丸亀市内の小中学校に送付した。子どもたちが参加しようと思ってもらえるチラシとなるよう会員に工夫して作ってもらった。あいにく、16日は台風来襲で2名のみ参加。23日は休館日で、お休みあけの30日は4名の参加であった。チラシの成果は10月に持ち越しのようだ。
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■編集・発行 香川まるがめ子どもにほんごひろば事務局 文責:安藤 に
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メルマガ 2017.8.31第49号

まるがめ子どもにんごひろば
~外国にルーツをもつ子どもたちとその保護者  
学習支援、外国人住民とのつながりに向けて~ 
通算第49号(2017年8月31日発行)
毎月1回月末及び随時発行 
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【1】今号のトピック
◆まるがめ子どもにほんごひろば100回開講の歩み
平成24年7月24日(土)に初めて開講して以来、平成29年8月19日(土)で記念すべき100回の開講となった。ひろばの歩みを簡単に紹介すると
○平成23年7月から10月に掛けて、アイパル香川主催の「外国にルーツをもつ子どもたちの学習サポーター養成講座」が丸亀市生涯学習センター5階視聴覚教室で開催され、3日間で延べ107名が参加した。これを受け、参加者に子どもたちへの学習支援活動への参加意思を聞くアンケート調査を実施したところ、20数名の参加を確認し、翌年度から丸亀市内での活動を実施した。
○(平成24年度~平成26年度の3カ年)夏休み(4日間)・冬休み(2日間)・春休み(4日間)期間中での開催 延べ参加児童数231名、延べ参加サポーター数345名
○アイパル香川委託業務 平成27年度第1・第3土曜日開講(夏休み(4日間)・冬休み(2日間)・春休み(4日間)期間中の追加開催)  延べ参加児童数111名、延べ参加サポーター数134名
○アイパル香川委託業務 平成28年度第2・第4土曜日開講(夏休み(4日間)・冬休み(2日間)・春休み(4日間)期間中の追加開催) 延べ参加児童数137名、延べ参加サポーター数168名
○アイパル香川委託業務 平成29年度毎週土曜日開講 延べ参加児童数61名、延べ参加サポーター数88名
計  開講数 100回 延べ参加児童数540名、延べ参加サポーター数735名  
●1回平均参加児童数:5.4名、1回平均参加サポーター数:7.3名となった。なんとかマンツーマンでの学習支援はできた。サポーターの皆さんにはこれまでの労に感謝したい。ありがとう。
※県内15か所ある地域日本語教室の中で、活動歴は5年と短く、100回程度でなんの記念かというご意見もあろうが、県内で子ども対象の教室は当ひろばのみであり、四国の他3県でも私の知るかぎりなく、当ひろばの存在意義はあると考える。外国にルーツをもつ子どもたちの教育は、学校現場が担うものであり、私たちボランティア活動はそれを補完するものでなく、また、その実力もないが、日本のこのような子どもたちへの教育が十分に行えていない現状は看過すべきでなく、国や地元の市町教育委員会に支援策の充実を要望するとともに、私たちは私たちでできる
ことをしっかりやっていくこと、学校でもない、家庭でもない、子どもたちの第3の居場所になるよう、しっかり寄り添っていこうと、100回記念に当たり、会員ボランティアと話し合った。
○ペルーから中学1年生で丸亀市立東中学校に入学した青年(33歳)との懇談会開催
100回を記念して、日本語が全く話せない中学生として来日し、現在坂出市で勤務するペルー人青年から当時の子どもとしての心境などを聞いた。
・丸亀市立東中学校には、入学当時、外国人は、私の他に日本生まれのペルー人2名が在籍。半年間くらい日本語の50音、ひらがなを中心に学んだ。その後ブラジル人1名が在籍し、担当教員が付くことになり、彼と一緒に私も学んだ。ペルーの教育は厳しく、進級できない者もいる。それに比べれば日本の学校は楽であり、学校生活も楽しいことが多かった。(外国人児童への生活指導は自由放任か。)何事も前向きに考える性格だった彼は、日本の生活にもほとんど違和感なく慣れることができ、学校で孤独に感じることもなかったと当時を振り返り話す。中学校に日本語ゼロで入学と聞いて、戸惑いや不安から日本の学校生活に馴染めず、授業についていくことができにくい子どもが多いと聞いていたが、彼の場合は少し例外であるかも知れないと思った。中学卒業後は、丸亀技術訓練学校の機械科に1年間通い、旋盤の技術を取得し、造船関連会社に就職した。日本人と結婚し、現在小学校に通う2人の子どもがいる。ペルーに子どもを連れて行き、ペルーの文化を理解してほしいと思っているが、兄は日本語とスペイン語のバイリンガルの父親に憧れているが、弟はあまり興味を示さないという。今後は、妻から日本文化を、父親からペルー文化を学び、両国の文化を理解する人間に成長してほしいと願っている。
◆スペイン語での運転免許学科試験の受験についての要望
去る6月24日、四国行政評価支局が主催する「外国人との行政相談懇談会」が丸亀市城乾コミュニティセンターで開催され、席上、参加したペルー人の多くから、スペイン語での運転免許学科試験の受験についての要望があったことから、以下の趣旨の要望書を作成し、多くのペルー人、日本人からの署名を添え、県公安委員会、県運転免許センターに以下要望する予定である。
「近年、日本に在留する外国人の滞在期間の増加に伴い、日本で運転免許証の取得を希望する外国人も年々増えています。
公共交通機関の整備が十分にでない本県では、自動車は職場への通勤、買い物など生活の足であり、外国人にとっても自動車免許の取得は不可欠であります。しかし、日本語の習得が十分でない外国人住民にとって、日本語による学科試験合格は非常に高いハードルとなっており、多くの外国人住民が免許を取得できずにいます。
香川県においては、昨年末、在留外国人数は1万人を超える状況にあり、そのうち、永住者、日本人の配偶者等、定住者などいわゆる定住外国人数を国籍別でみると(韓国、朝鮮籍は日本語能力が高い人が多いと聞くので除く。)、中国、フィリピン、ペルーの順となっております。
さて、香川県運転免許センターにおける外国語での学科試験では、これまで英語での受験が可能でしたが、今年度から中国語での受験が可能になったと聞いており、県内に住む中国人にとって朗報であり、この決定を高く評価いたします。
しかしながら、上記のように、香川県内で、運転免許を希望する定住外国人数は、中国人、フィリピン人、ペルー人の順で多いので、中国語、英語に加えて、スペイン語で学科試験が受験できるとならば、県内の大多数の定住外国人が運転免許を取得できる環境が本県において整うことになり、全国的に高く評価できるものと考えます。
スペイン語が母語であるペルー人は、日系人も多く、主に造船関連会社を中心に雇用されております。県内でおよそ400人余が在留し、その約7割が丸亀市で暮らしております。スペイン語で運転免許学科試験の受験ができることは、県内に在住する多くのペルー人が念願するところであり、どうか、この実現につき、ご高配賜りますよう、署名を添え、強く要望するものです。」
(この趣旨に賛同される読者は、メールください。署名文をお送りします。)
◆ひろばのちらしをリニューアル
これまで、ワンパターンのひろばチラシであったので、もっと見やすい、もっと親しみの持てるものにすることを狙いにリニューアルすることになった。会員の田辺さんから原案をいただいた。これを子どもたちが見て、学校とは違った学びの場を少しでも感じてもらえれば嬉しい。
【3】編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ひろば100回開講。よく数えたねとある会員から言われた。たった100回、されど100回。小さな歩みであるが、これからも積み重ねていきたい。
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メルマガ 2017.8.1

まるがめ子どもにんごひろば
~外国にルーツをもつ子どもたちとその保護者  
の学習支援、外国人住民とのつながりに向けて~ 
通算第47号(2017年7月31日発行)
毎月1回月末及び随時発行 
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【1】 今号のトピック
◆外国人住民のうち、特に若者、子どもの居場所づくりを考える会合が開かれた。
7月21日(金)18:30~ 丸亀カトリック教会に、近隣の教会神父3名、教会関係者2名らが集まり、若者、子どもたちの現状認識を共有することから始めた。万引きをくり返す若者、中学校の勉強についていけず、欠席をくりかえし、市中で遊ぶ生徒、高校にいくことを早期に断念し、将来を描けない子どもたちなど、今を生きることが難しい子どもたちの存在をもっと、同じ地域に住む市民は理解してほしいとの意見。学習も大切だが、日本で生き抜くため、しっかりとした自己意識を彼らがもてるよう支援する場が必要なのではないかとの意見などが出された。当面は、月に1度くらいのペースで、若者、子どもたちと合える場をつくり、それに支援者が加わることから始めようということになった。
とき 9月15日(金)19:00~ ところ 丸亀カトリック教会  お菓子とお茶での懇親会
※参加希望者は安藤までメールください。
◆第2回目の外国人住民行政相談懇談会が開かれた。
6月24日(土)に引き続き、7月22日(土)に同じく丸亀市城乾コミュニティセンターで開かれた。参加したのは、前回とほぼ同じペルー人とフィリピン人の10名。主催者側も前回と同じメンバー。まず、前回に要望のあったもののうち、以下のような主催者側からの報告があった。
○運転免許にかかる要望より
(1)運転免許の切り替えに伴う申請不受理の理由について、県
四国行政評価支局が県運転免許センターで聞き取りを行っ
たところ、以下の回答があった。
① 申請者が提出した添付書類が不足だったため。
② 免許を取得した国で、取得後3カ月以上滞在したこと
が要件であるがその証明ができないため。
③ 外国語での提出書類と日本での本人の事情が異なって
いるため。(例えば、身長、体重の相違など)
④ 免許取得国の免許証の様式が正式なものと合致してい
ないため。
主に以上が考えられるとのこと。
なお、外国人による運転免許切り替え申請数 H28 96件 不受理数38件(約40%)
※前回の懇親会で、切り替え申請時に偽物の免許証と言われたとあったが、上記のいずれかの理由があった可能性もある。ただ、他県に住所を移し、切り替え申請をしたら切り替えができたとのこと。過去の外国人による不正切り替えの事実だけで、運転免許センターが偽物との断定はしないとは思うのだが。個々の具体の事情を問い合うせたのではないため、その理由は判明しなかった。
(2)学科試験のスペイン語翻訳の実施について
昨年まで、外国語による学科試験の実施は、英語のみであったが、今年から中国語が追加された。スペイン語による学科試験については、現在考えていないとの回答であった。
※県内で運転免許を必要とするのは、技能実習生や留学生を除くと、中国人が2,000人余、フィリピン人が1,000人余、次いでペルー人が300人余と推定される。(国籍ごとの在留資格統計がないので不明)ペルー人の約6倍の人数の中国人に対し、運転免許の中国語による学科試験がやっと今年から追加されたことを考えると、そう簡単には認められないだろう。四国行政評価支局からも要望は伝えると言うが、在住のペルー人から多くの署名を集め、陳情書を県公安委員会に提出することも考えていいのではないか。
○行政情報の多言語での周知について
丸亀市の行政相談委員から、市に対し、以下について外国人住民からの要望を伝え、回答を得た。
(1)行政機関は日本語のわからない外国人に対して。税金の使途を丁寧に説明してほしい。
・納税通知書に、何の税金か、また納付方法について、外国語(英語、中国語、スペイン語)で記載した用紙を同封することを検討する。
(2)行政機関は、外国人に認められている権利について、日本語がわからない外国人に対して積極的に周知してほしい。
・例えば、ゴミ出しのルールを理解していなくて、地域住民に迷惑をかけている事例が多く見られる。対策としては、スマートフォンなどを活用し、ゴミの分別、収集日などを英語、中国語、スペイン語で対応できるアプリを導入することとしている。また、地域の方からの要望があれば、ゴミの分別、収集日などを記載した用紙をお渡ししている。
・権利については多様であるが、児童手当など、毎年あるものは外国人の方でもご存知であると思われるが、臨時福祉給付金などのような臨時的なものは、通知書の内容が理解できず捨ててしまい、受給できなかった事例もあった。臨時給付金のような国の制度では各種外国語訳の説明書が用意されているので、同封するように努める。また、市国際交流協会では、権利についての重要な事項はフェイスブックなどを活用し、周知に努めている。
【2】論文・新聞記事・行政機関の記者発表記事・その他情報
◆総務省が5日発表した今年1月1日時点の住民基本台帳に基づく人口動態調査によると、
※統計上の5歳人口区分から、外国人住民の年齢構成をみると、
○国内の日本人は1億2558万3658人
(20歳未満の割合 17.42% 20歳以上65歳未満の割合 55.41% 65歳以上の割合27.17%)
○国内の外国人は232万3428人
(20歳未満の割合 12.90% 20歳以上65歳未満の割合 80.36% 65歳以上の割合 6.74%)
○香川県内の外国人は1万665人
(20歳未満の割合 10.27% 20歳以上65歳未満の割合 82.43% 65歳以上の割合 7.30%)
○丸亀市内外国人は1,855人
(20歳未満の割合 15.85% 20歳以上65歳未満の割合 82.48% 65歳以上の割合 1.67%)
※外国人住民には、日本人と比べ若年層が多いことはよく知られているが、65歳未満人口でみると、日本人人口が72.82%に比べ、外国人人口は93.26%と圧倒的である。香川県もほほ全国平均であるが、丸亀市をみると、65歳未満人口は98.33%とさらに高い。子どもの数は多いこともあるが、これからは、外国人住民の高齢化対策も考えていかなければならない課題である。
【3】編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ひろばの参加児童生徒数は、開催日平均で 6月が3.7名であったが、 7月には5.4名と増加した。7月には、これば、これまでの常連組に加え、初めて参加した子どもたちが加わったため。学年も低学年生であり、継続した参加を粘り強く促したい。
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■編集・発行 香川まるがめ子どもにほんごひろば事務局 文責:安藤 
〒761-2408 丸亀市綾歌町富熊5034-14
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メルマガ 2017.7.3

まるがめ子どもにんごひろば
~外国にルーツをもつ子どもたちとその保護者  
の学習支援、外国人住民とのつながりに向けて~ 
通算第47号(2017年7月3日発行)
毎月1回月末及び随時発行 
URL:http://marugame-kodomo-nihongo.net/
で閲覧可 本文中引用文は太字記載
【1】 今号のトピック
◆今、外国人住民の置かれている問題(多文化共生編)
・外国人住民との行政相談懇談会から見える問題
6月24日(土)14:00~16:00 ひろばの会場と同じ丸亀市立城乾コミュニティセンターで、丸亀市在住の外国人住民が日ごろ行政に対し思っていることを話し合う行政相談懇談会が開かれた。
主催:四国行政評価支局
参加者:ペルー 9名(男性5名、女性4名)フィリピン 1名(女性)計10名
スペイン語通訳:1名 行政相談委員:5名 香川まるがめ子どもにほんごひろばサポーター:2名 四国行政評価支局職員:3名     合計21名
(意見内容)
○ペルーで取得した運転免許証が偽物と判断され、日本での切り替え手続きができなかった。このことに納得できず、他県で手続きをしたら、切り替えができた。どうして香川県ではできなかったのか、教えてほしい。
○スペイン語で運転免許証を取得できる環境を整備してほしい。香川県では英語だけである。
○香川県民の運転マナーは悪く、危険でもあり、マナー向上図ってほしい。。
○自動車教習所の教習料金は高額であるため、外国人でも免許を取得しやすいよう安い料金に設定してほしい。。
○行政機関は、日本語の分からない外国人に対して、税金の使途を丁寧に説明してほしい。。
○市役所は、多様な外国語に対応する相談窓口を整備すべきである。神奈川県では、多くの言語の対応ができるよう相談サービスが整っている。
○永住許可申請に当たって、入国管理局から6万円を請求されたが不当ではないか。
○雇用保険料を不当に天引きされており、困っている。
○ペルーに一時帰国している間、知らぬ間に国民年金の保険料を滞納している状況になっていた。事前に納付するよう周知してほしい。。
○行政機関は、正当に在留する外国人に認められている権利について、日本語が分からない外国人に対して積極的に周知してほしい。。
※運転免許に関する意見が多く出された。それだけ、生活上、運転免許は必要であるからだろう。
外国人住民が香川県で運転免許を取得するうえで、困難な状況があるなら、それを改善するよう働きかけが必要だ。免許取得をあきらめ、無免許での運転をする者がいるとしたら問題である。
※行政からの個人向けの通知などをすべて多言語、あるいは在留外国人の多い国の言語だけでも対応することができればいいのだが、全国一律となると相当厳しく、また市町業務だけでもそれらに対応することはコスト面から難しいのが現実であろう。相談窓口業務を充実するよう、市町への働きかけは必要だし、また、外国人住民も信頼できる日本人との交流を通じて、これらの情報を理解する努力も必要ではないかと思う。多文化共生もそんなところから、深まってくるかもしれない。
【2】論文・新聞記事・行政機関の記者発表記事・その他情報
◆子どもの貧困13.9%、12年ぶり改善 (毎日新聞 H29.6.27)
7人に1人と、なお高水準
厚生労働省は27日、2016年の「国民生活基礎調査」を公表した。経済的に厳しい家庭で育つ17歳以下の子どもの割合を示す「子どもの貧困率」(15年時点)は13.9%と前回調査(12年時点)より2.4ポイント低下し12年ぶりに改善した。国民全体の中で生活の苦しい人の割合を示す「相対的貧困率」(15年)は前回より0.5ポイント下がり15.6%だった。子どもの貧困率の改善について、厚労省は「景気が回復し、子育て世帯の雇用や収入が上向いたため」とみている。貧困状態にある子どもは7人に1人となった。経済協力開発機構(OECD)が14年にまとめた加盟国など36カ国の平均は13.3%で、日本はそれをまだ上回る。
 ひとり親世帯の貧困率(15年)は50.8%と12年より3.8ポイント低下したものの、依然5割を超えている。暮らし向きは、母子世帯の82.7%が「苦しい」と答え、37.6%の世帯は「貯蓄がない」と回答した。政府はひとり親世帯に支給する児童扶養手当の2人目以降分を昨年8月から増額したが、今回の調査にその効果は反映されていない。
※NHKテレビによれば、ユニセフの最新報告(世界の豊かな41カ国の18歳未満の子どもの状況をまとめた)では、子どもの豊かさに関する総合ランキングでは、ノルウェーが1位。日本は12番目。アジアでは韓国が8番目でトップに。貧困、健康、教育、栄養、格差など10の分野ごとのランキングを発表している。中身を見てみると、栄養、就労は1位(メキシコやトルコでは3人に1人が十分な栄養がとれていない。)、健康が8位、教育が10位と上位にあるが、貧困では23位(社会保障が子どもの貧困にどれだけ役立っているか、その効果が小さい国 ※ある識者は、生活保護や児童手当が限られた効果しかだしていないと分析 対策に充てる財源をねん出する必要を指摘)、格差に至っては32位(収入が中位と下位の世帯の差が大きい国、家庭環境の学力への影響が大きい国)と低位にランクされる結果となっている。国民の格差に対するテロの不安が広がる中、トランプの米国と右派勢力の台頭が話題になったフランスをみると、米国が総合で37位、フランスが19位と共に下位となっている。米国では5人に1人の子どもが十分な栄養をとれておらず、フランスでは、41カ国の中で、最も家庭環境の差が学力に影響している国になっている。
※41カ国中23の国で、ここ数年で収入が中位と下位の世帯の差が大きくなっている。ユニセフでは、子どもへの対策を最優先にするよう、各国に求めている。
◆外国人留学生 最多の2147人に (四国新聞 H29.6.14)
2015年度に日本の高校に3カ月以上留学した外国人は13年度に比べ482人増えて2147人で、比較可能な1992年度以降の調査で最多となったことが13日、文部科学省の国際交流状況調査で分かった。
3カ月以上の外国留学をした日本の高校生は300人増の4197人だった。
調査は86年度から全国の国公私立高校を対象にほぼ隔年で実施し現在、92年度以降のデータが比較可能とされる。東日本大震災の影響を受けた2011年度に大幅に減少となったがその後は急速な回復傾向を示していた。 文科省は「修学旅行など日本への教育旅行を促す国の取り組みや、各自治体の国際交流に関する施策が功を奏したのではないか」と分析している。
外国人留学生を出身地別に見ると、中国が最多の873人で、次いで米国173人、タイ134人、ドイツ131人、オーストラリア106人、韓国81人の順。
 一方、海外留学した日本の高校生の行き先別では、米国が1247人でトップ。ニュージーランド833人、カナダ791人、オーストリア515人、英国131人と続いた。
 ただ、滞在期間が3カ月未満の日本の高校生は、13年度調査より6507人減の3万1645人。学校や教育委員会が主催する団体研修が多く、文科省は欧州などで起きたテロの影響で実施を控える傾向があったとみている。
【3】編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 7月1日のひろば参加児童生徒数は3人。前回6月24日が7人であり、毎週土曜日開講となった4月以降の低調傾向から脱したかとボランティアも喜んだも束の間の結果となった。
しかし、一喜一憂するよりも、今後も、小中学校への働きかけを続ける一方、保護者とのつながりへの取り組みを進める必要を感じた1日であった。
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■編集・発行 香川まるがめ子どもにほんごひろば事務局 文責:安藤 
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メルマガ 2017.6.5

まるがめ子どもにんごひろば
~外国にルーツをもつ子どもたちとその保護者  
の学習支援、外国人住民とのつながりに向けて~ 
通算第46号(2017年6月 5日発行)
毎月1回月末及び随時発行 
URL:http://marugame-kodomo-nihongo.net/
で閲覧可 本文中引用文は太字記載
【1】今号のトピック
◆「ふれあいまつり城乾」のひろばテント出店 実施報告
4日、ふれあいまつり城乾に、香川まるがめ子どもにほんごひろばが初めてテント出店した。①日本語ビンゴゲームでは、延べ60人以上の子どもたちがボード上の品目名をビンゴシートにひらがな、カタカナで書き入れ、箱から品目名のカードを引き当て、当たるたびにリーチ、ビンゴと歓声が上がっていた。②JICA国際協力出前講座では、開発途上国への理解を深めるため、世界10か国の旅すごろくゲームで盛り上がった。アフリカのブルンジの経済研修生とアルゼンチンの日本語研修生、JICA四国の推進員の3人は、各組4人(延べ40人)の子どもたちがサイコロをふり当たれば10か国のクイズや日本語のオノマトペや民話、地図記号、漢字あてなどのクイズを出し、共に学ぶ。日本に帰国するまでサポ―ト姿がとても印象的でした。③おしゃべり、相談コーナーでは、外国人住民5人が話す生活上の問題に、サポートセンターの行政書士らが寄り添い、助言を行いました。近い将来、外国人住民との懇談会を企画したいものです。
【2】論文・新聞記事・行政機関の記者発表記事・その他情報
◆今、外国人住民の置かれている問題(多文化共生編)続報
2.11中日新聞、東京新聞掲載「平等に貧しくなろう」社会学者 上野千鶴子氏発言の波紋
メルマガ44号で一部紹介したが、ネット上で、その他の社会学者やフェミニスト、移住研究者などが参戦し、これまで12の意見、反論が掲載された。(詳しくは、URL:http://marugame-kodomo-nihongo.netの「多文化共生」に時系列で12論文掲載)
上野氏本人からの2つの反論以外はほとんどが上野発言に対する批判であったものの、これほどまで、「多文化共生」がネット上で議論されたことはなかったので、筆者には新鮮であった。以下、私見を交え、議論の行方を追ってみたい。
※上野氏は記事の中で「日本はこの先どうするのか。移民を入れて活力ある社会をつくる一方、社会的不公正と抑圧と治安悪化に苦しむ国にするのか、難民を含めて外国人に門戸を閉ざし、このままゆっくり衰退していくのか。日本は「ニッポン・オンリー」の国。単一民族神話が信じられてきた。日本人は多文化共生に耐えられないでしょう。だとしたら、日本は人口減少と衰退を引き受けるべきです。平和に衰退していく社会のモデルになればいい。日本の場合、みんな平等に、緩やかに貧しくなっていけばいい。国民負担率を増やし、再分配機能を強化する。つまり社会民主主義的な方向です。」と述べている。上野氏の発言は、「移民を大量に受け入れると、移民と日本人の間に賃金、権利保障、教育などに不公正が起き、このため、移民による犯罪、日本人による犯罪の両方の抑圧が生じる。日本人の特性からして、これらに上手く対応することは不可能であり、多文化共生は無理。だとしたら、移民と日本人お互いの人権を守るため、移民を拒否し、清貧に生き、緩やかに衰退しましょう。」と要約できる。この意見に対し、①トランプばりの排外主義である②移民は単に政府の政策決定で解決できるものではなく、経済的幸福を求めて移動するという人権の発露である移民は、侵すことができない個人の選択の結果である③移民そのものと治安悪化とはなんら関係はない④平和に衰退するとは、脱成長左派の純粋型だ⑤成長を目指さない社会民主主義思想はこれまでなく、いつから清貧の思想になったのか⑥日本の現状を改善せずして、日本人は多文化共生には耐えられないというような不変の国民性に帰するのは、現状放置にほかならない⑦ジェンダーやセクシュアリティは選択できないが、移民は政治的に選択可能だという主張には、移民という選択の結果生まれた状況に不満があるなら、その選択をしなければよかったのではとする自己責任論に帰着する⑧日本社会が多文化社会に対応できていないなら、それは移民の増加に原因があるのではなく、このような日本社会を改善すべきは日本人側に問題がある、などの反論、批判があげられる。
※上野発言は、著名な社会学者からの意見だけに、その影響力も大きい。その上野氏から「移民を入れると社会的不公正と抑圧と治安悪化に苦しむ」との排外主義的な言説が飛び出し、さらには「ニッポン・オンリー」の国とか単一民族神話といった日本人特性論が持ち出され、それに移民先進国で起きている移民排斥の動きへの本人の危機感が加わったことで、これまで多文化社会に向け何の改善策も講じてこなかった日本人には、多文化共生は耐えられないという結論が導き出された。多文化共生は決して単に仲の良い関係を築くことではなく、異なる文化、民族、習慣などに潜む対立と緊張関係を互いに意識しながら、お互いの存在を問う作業を行う革命的なことだと思うのだが、上野にはそんな動的側面はみえていないのか。私には、日本にとって、大きな課題である移民問題が国民的な議論にならないことに業を煮やした上野氏が、あえて排外主義を打ち出し多文化共生を否定することで、国民的議論を誘導しようとしたのではないかとさえ思えてくる。
①排外主義であるとの批判
犯罪や社会的な混乱が起きるから、移民排斥は正しいとの論法は、(移民が増えると犯罪が増加するという統計はないのだが)移民を受け入れなけられば、社会的な混乱は生じないという発想と同じで、社会的混乱を生み出す人間の意識や社会の在り様などを議論しない暴論であろう。きちんとした法制度やシステムをつくることなく、移民を「安価で雇用調整しやすい」労働力として受け入れた場合に生じる混乱は、国内のみならず国際的な経済格差を生み出すととらえる視点が必要だ。さらに、日本人の特性として、間違った単一民族信仰、一枚岩的日本人意識を持ち出し、多文化共生できない文化だと断じるのは説得力に欠ける。現に住んでいる外国人住民の権利を尊重することも日本人にはできないとでも言うのだろうか。
◆RINK主催 通訳者・相談員スキルアップ講座(6/24 7/1,8,15の4回講座 全13:00~17:00)
6月24日(土):在留資格や在留外国人の現状 7月1日(土):医療(医療相談、医療制度)・教育(学校現場、教育制度) 7月8日(土):家族(結婚・離婚・出生・認知)・入国管理
7月15日(土:労働(技能実習生など)・社会保障(生活保護、保険、年金)
(会場)エル・おおさか 5階501号(大阪市中央区北浜東3-14 TEL.06-6942-0001)
(参加費)4日間参加:3,500円 1日のみ参加:1,000円
(申し込み締め切り)6月21日(水)17:00まで
(問い合わせ)TEL.06-6910-7103 E-mail rink@a.email.ne.jp
【3】編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ふれあいまつり城乾のあった4日は、近くの丸亀カトリック教会の行事とあいにく重なり、ミサ参加の外国人住民とその家族の姿はなく、ほとんどが日本人の子どもたちとの交流になった。ただ、ひろばが城乾コミュニティセンターで開かれていることを知らなかったというまつり参加者が多く、広報の効果はあったのかなと思っています。あとは、子どもたちのひろば参加を待ちたいと思います。
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