福祉について

日本の社会保障・社会福祉制度については、外国人住民の在留資格にかかわらず原則的に適用される。原則的と断るのは、ここで言う外国人住民には旅行者などの短期滞在者を含まず、オーバーステイなど非正規滞在者は含まないということ。ただし、これらの外国人でも適用される場合があり、また、中長期正規滞在者であっても、制度の壁があり、そのことが日本での生活に支障が生じていることも事実である。

1) 生活保護

生活保護法には、国籍条項があり、帰化した外国人はもちろん日本国民であれば請求できる。また、日本での活動に制限のない永住者、永住者の配偶者等、日本人の配偶者等、定住者の在留資格をもつ外国人(在留資格者以外では在日韓国人などの特別永住者、難民認定者を含む。)には請求権は認めないが、準用することになっている。(昭和29年厚生省通知、平成2年厚生省社会局保護課口頭指示)昭和26年の最高裁判決では、外国人は法に基づく保護対象ではなく、受給権を有しないとあるが、受給することが違憲とは言っていない。※外国人生活保護受給者は、受給後には永住資格は得られない。さらに、生活保護を止まなければ家族の呼び寄せもできない。(その家族も来日後に生活保護を受給するおそれがあるため。)外国人の生活保護受給は人道上の観点から準用するとあるが、永住者、定住者などに限定している。技術・人文知識・国際業務、技能など日本での活動に制限のある外国人の受給を全く認めないことは問題であろう。無制限に認めることには問題があると思うが、日本で適法に長期間、滞在し、就労し、税金も支払っているこれら外国人に対しては、もっときめ細やかな配慮があってもいいのではないかと考える。

2)国民健康保険

これまで、1年以上の在留期間があれば国保加入できたが、平成24年7月から、在留期間が3か月を超える外国人でも国保の加入対象になった。3か月以下でも興行、技能実習、家族滞在、特定活動の在留資格を有し、客観的な資料により3か月を超えて滞在することが認められる外国人は加入できる。ただし、医療滞在ビザと呼ばれる「特定活動での医療、保養などを受ける活動、その者の世話をする活動」については国保に加入できない。在留資格が短期滞在、外交、一部の特定活動、健康保険加入者、後期高齢者医療被保険者、生活保護受給者、欧米7か国の外国の社会保険加入者を除き、国保に加入できる。※在留期間3か月以下の外国人は、事業者などから3か月を超える滞在を認める資料を求めにくい事情のある方もあろう。また、在留資格が切れたが、急病になった後、在留特別許可が出て、療養する特別活動の在留資格を得た外国人の場合、国保加入が認められなかったケースもある。医療という生命に関わる保険へのアクセスは日本人ほど容易くない。

3)医療 「生活困窮者のための無料又は低額料金での診察事業」(社会福祉法)

広く生活困窮者一般を対象とするもので、在留資格の有無にかかわらない。ただ、県内でこの事業を行っている医療機関は、高松市民病院、高松平和病院、香川県済生会病院だけ。また、病院の診療科目もあり、すべての疾病に対応できるものでもない。生活困窮の証明も難しい場合もあろう。4)年金(RINK「すべての外国人労働者とその家族の人権を守る関西ネットワーク」ニュースレターNO.93 草加通常寄稿から抜粋)

在留カードについて

2012年から入管法の改正により、外国人登録証明書に代わり、中長期在留者に対し交付。カードには、氏名、生年月日、性別、国籍、地域、住居地、在留資格、在留期間、就労の可否などが記載。16歳以上は顔写真。16歳以上は常時携帯の義務がある。特別永住者は、在留カードに代わる特別永住者証明書の常時携帯義務はない。

以下は、入管局HPから転載

在留カードは,中長期在留者に対し,上陸許可や,在留資格の変更許可,在留期間の更新許可などの在留に係る許可に伴って交付されるものです。

※ 在留カードには偽変造防止のためのICチップが搭載されており,カード面に記載された事項の全部又は一部が記録されます。

在留カードの交付を伴う各種申請・届出には一定の規格の写真が必要となります。縦40ミルメートル、横30ミリメートル
申請人本人のみが撮影されたもの
無帽で正面を向いたもの
背景(影を含む。)がないもの
鮮明であるもの
提出の日前3か月以内に撮影されたもの

住居地を変更したときに,変更後の新しい住居地が記載される欄です。在留期間更新許可申請・在留資格変更許可申請をしたときに,これらの申請中であることが記載される欄です。※ 申請後,更新又は変更の許可がされたときは,新しい在留カードが交付されます。資格外活動許可を受けたときに,許可の内容が記載される欄です。

在留カードには「有効期間」があります。

在留カードの有効期間は,次のとおりです。

永住者
16歳以上の方 交付の日から7年間
16歳未満の方 16歳の誕生日まで

永住者以外
16歳以上の方 在留期間の満了日まで
16歳未満の方 在留期間の満了日又は 16歳の誕生日のいずれか早い日まで

在留資格とは?

(在留資格とは?ビザ(査証)との違い)
 ・外国人が日本に入国し活動するためには、出入国管理及び難民認定法等の規定に  より、在留資格が必要になる。在留資格には27の区分があり、それぞれに活動で  きる内容が定められている。
 ・身分や活動等に変更が生じた場合は、入国管理局において在留資格の変更が必要  になる。
 ・在留期間は資格ごとに定められており、この期間を超えて在留する場合は、更新  許可申請を行い、認可される必要がある。在留期間が終了したにもかかわらず、  更新しないと「オーバーステイ(超過滞在)」となる。※ビザは、日本への上陸  申請の要件となるもので、外国にある日本の大使館や領事館がパスポートに押印  やシール貼りして行う。在留資格は入国後の在留を許可するもので、ビザと異な  るが、しばしば同意語として使用される。

  在留資格には、出入国管理及び難民認定法(入管法)による26の区分と日本  国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特  例法(入管特例法)による特別永住者の計27の区分がある。

  在留資格一覧表    ※ 平成28年4月現在 (入国管理局WEBより転載)

(活動に基づく在留資格)21区分 左記筆者加筆
①在留資格名
②本邦において行うことができる活動
③該当例
④在留期間

①外交
②日本国政府が接受する外国政府の外交使節団若しくは領事機関の構成員,条約若しくは国際慣行により外交使節と同様の特権及び免除を受ける者又はこれらの者と同一の世帯に属する家族の構成員としての活動 ③外国政府の大使,公使,総領事,代表団構成員等及びその家族 ④外交活動の期間

公用
②日本国政府の承認した外国政府若しくは国際機関の公務に従事する者又はその者と同一の世帯に属する家族の構成員としての活動(この表の外交の項に掲げる活動を除く。) ③外国政府の大使館・領事館の職員,国際機関等から公の用務で派遣される者等及びその家族 ④5年,3年,1年,3月,30日又は15日

教授
②本邦の大学若しくはこれに準ずる機関又は高等専門学校において研究,研究の指導又は教育をする活動 ③大学教授等 ④5年,3年,1年又は3月

芸術
②収入を伴う音楽,美術,文学その他の芸術上の活動(この表の興行の項に掲げる活動を除く。) ③作曲家,画家,著述家等 ④5年,3年,1年又は3月

宗教
②外国の宗教団体により本邦に派遣された宗教家の行う布教その他の宗教上の活動  ③外国の宗教団体から派遣される宣教師等 ④5年,3年,1年又は3月

報道
②外国の報道機関との契約に基づいて行う取材その他の報道上の活動 ③外国の報道機関の記者,カメラマン ④5年,3年,1年又は3月

高度専門職1号
②高度の専門的な能力を有する人材として法務省令で定める基準に適合する者が行う次のイからハまでのいずれかに該当する活動であって,我が国の学術研究又は経済の発展に寄与することが見込まれるもの
イ 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて研究,研究の指導若しくは教育をする活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営し若しくは当該機関以外の本邦の公私の機関との契約に基づいて研究,研究の指導若しくは教育をする活動
ロ 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて自然科学若しくは人文科学の分野に属する知識若しくは技術を要する業務に従事する活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動
ハ 法務大臣が指定する本邦の公私の機関において貿易その他の事業の経営を行い若しくは当該事業の管理に従事する活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動
 高度専門職2号
1号に掲げる活動を行った者であって,その在留が我が国の利益に資するものとして法務省令で定める基準に適合するものが行う次に掲げる活動
イ 本邦の公私の機関との契約に基づいて研究,研究の指導又は教育をする活動
ロ 本邦の公私の機関との契約に基づいて自然科学又は人文科学の分野に属する知識又は技術を要する業務に従事する活動
ハ 本邦の公私の機関において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動
ニ 2号イからハまでのいずれかの活動と併せて行うこの表の教授,芸術,宗教,報道,法律・会計業務,医療,教育,技術・人文知識・国際業務,興行,技能の項に掲げる活動(2号のイからハまでのいずれかに該当する活動を除く。)
④ポイント制による高度人材 1号は5年,2号は無期限

経営・管理
②本邦において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動(この表の法律・会計業務の項に掲げる資格を有しなければ法律上行うことができないこととされている事業の経営又は管理に従事する活動を除く。)③ 企業等の経営者・管理者 ④5年,3年,1年,4月又は3月

法律・会計業務
②外国法事務弁護士,外国公認会計士その他法律上資格を有する者が行うこととされている法律又は会計に係る業務に従事する活動 ③弁護士,公認会計士等 ④5年,3年,1年又は3月

医療
②医師,歯科医師その他法律上資格を有する者が行うこととされている医療に係る業務に従事する活動 ③医師,歯科医師,看護師 ④5年,3年,1年又は3月

研究
②本邦の公私の機関との契約に基づいて研究を行う業務に従事する活動(この表の教授の項に掲げる活動を除く。) ③政府関係機関や私企業等の研究者 ④5年,3年,1年又は3月

教育
②本邦の小学校,中学校,義務教育学校,高等学校,中等教育学校,特別支援学校,専修学校又は各種学校若しくは設備及び編制に関してこれに準ずる教育機関において語学教育その他の教育をする活動③ 中学校・高等学校等の語学教師等 ④5年,3年,1年又は3月

技術・人文知識・国際業務
②本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学,工学その他の自然科学の分野若しくは法律学,経済学,社会学 その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動(この表の 教授,芸術,報道,経営・管理,法律・会計業務,医療,研究,教育,企業内転勤,興行の項に掲げる活動を除く。)③ 機械工学等の技術者,通訳,デザイナー,私企業の語学教師,マーケティング業務従事者等 ④5年,3年,1年又は3月

企業内転勤
②本邦に本店,支店その他の事業所のある公私の機関の外国にある事業所の職員が本邦にある事業所に期間を定めて転勤して当該事業所において行うこの表の技術・人文知識・国際業務の項に掲げる活動 ③外国の事業所からの転勤者 ④5年,3年,1年又は3月

興行
②演劇,演芸,演奏,スポ―ツ等の興行に係る活動又はその他の芸能活動(この表の経営・管理の項に掲げる活動を除く。)③ 俳優,歌手,ダンサー,プロスポーツ選手等 ④3年,1年,6月,3月又は15日

技能
②本邦の公私の機関との契約に基づいて行う産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する活動 ③外国料理の調理師,スポーツ指導者,航空機の操縦者,貴金属等の加工職人等 ④5年,3年,1年又は3月

技能実習1号
②イ 本邦の公私の機関の外国にある事業所の職員又は本邦の公私の機関と法務省令で定める事業上の関係を有する外国の公私の機関の外国にある事業所の職員が これらの本邦の公私の機関との雇用契約に基づいて当該機関の本邦にある事業所の業務に従事して行う技能等の修得をする活動(これらの職員がこれらの本邦の 公私の機関の本邦にある事業所に受け入れられて行う当該活動に必要な知識の修得をする活動を含む。)
ロ 法務省令で定める要件に適合する営利を目的としない団体により受け入れられて行う知識の修得及び当該団体の策定した計画に基づき,当該団体の責任及び監理の下に本邦の公私の機関との雇用契約に基づいて当該機関の業務に従事して行う技能等の修得をする活動
 技能実習2号
イ 1号イに掲げる活動に従事して技能等を修得した者が,当該技能等に習熟するため,法務大臣が指定する本邦の公私の機関との雇用契約に基づいて当該機関において当該技能等を要する業務に従事する活動
ロ 1号ロに掲げる活動に従事して技能等を修得した者が,当該技能等に習熟するため,法務大臣が指定する本邦の公私の機関との雇用契約に基づいて当該機関 において当該技能等を要する業務に従事する活動(法務省令で定める要件に適合する営利を目的としない団体の責任及び監理の下に当該業務に従事するものに限る。)
③技能実習生 ④1年,6月又は法務大臣が個々に指定する期間(1年を超えない範囲)
文化活動
②収入を伴わない学術上若しくは芸術上の活動又は我が国特有の文化若しくは技芸について専門的な研究を行い若しくは専門家の指導を受けてこれを修得する活動(この表の留学,研修の項に掲げる活動を除く。) ③日本文化の研究者等 ④3年,1年,6月又は3月

短期滞在
②本邦に短期間滞在して行う観光,保養,スポ―ツ,親族の訪問,見学,講習又は会合への参加,業務連絡その他これらに類似する活動 ③観光客,会議参加者等 ④90日若しくは30日又は15日以内の日を単位とする期間

留学
②本邦の大学,高等専門学校,高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。)若しくは特別支援学校の高等部,中学校(義務教育学校の後期過程及び中等教育学校の前期課程を含む。)若しくは特別支援学校の中学部,小学校(義務教育学校の前期過程を含む。)若しくは特別支援学校の小学部,専修学校若しくは各種学校又は設備及び編制 に関してこれらに準ずる機関において教育を受ける活動 ③大学,短期大学,高等専門学校,高等学校,中学校及び小学校等の学生・生徒④ 4年3月,4年,3年3月,3年,2年3月,2年,1年3月,1年,6月又は3月

研修
②本邦の公私の機関により受け入れられて行う技能等の修得をする活動(この表の技能実習1号,留学の項に掲げる活動を除く。)③ 研修生 ④1年,6月又は3月

家族滞在
②この表の教授から文化活動までの在留資格をもって在留する者(技能実習を除く。)又はこの表の留学の在留資格をもって在留する者の扶養を受ける配偶者又は子として行う日常的な活動 ③在留外国人が扶養する配偶者・子 ④5年,4年3月,4年,3年3月,3年,2年3月,2年,1年3月,1年,6月又は3月

特定活動
②法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動 ③外交官等の家事使用人,ワーキング・ホリデー,経済連携協定に基づく外国人看護師・介護福祉士候補者等 ④5年,3年,1年,6月,3月又は法務大臣が個々に指定する期間(5年を超えない範囲)
(身分・地位に基づく在留資格等)5区分 左記筆者加筆
①本邦において有する身分又は地位
②該当例
③在留期間

永住者
②法務大臣が永住を認める者 法務大臣から永住の許可を受けた者(入管特例法の「特別永住者」を除く。) ③無期限

日本人の配偶者等
②日本人の配偶者若しくは特別養子又は日本人の子として出生した者 日本人の配偶者・子・特別養子 ③5年,3年,1年又は6月

永住者の配偶者等
②永住者等の配偶者又は永住者等の子として本邦で出生しその後引き続き本邦に在留している者 永住者・特別永住者の配偶者及び本邦で出生し引き続き在留している子 ③5年,3年,1年又は6月

定住者
②法務大臣が特別な理由を考慮し一定の在留期間を指定して居住を認める者 第三国定住難民,日系3世,中国残留邦人等 ③5年,3年,1年,6月又は法務大臣が個々に指定する期間(5年を超えない範囲)

※①特別永住者 ②平成3年(1991年)11月1日に施行された日本の法律「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(入管特例法)」により定められた在留の資格のこと、または当該資格を有する者をいう。いわゆる在日朝鮮、韓国人③無期限