メルマガ 第66号(H30.9.30)

(2018年9月30日発行)毎月随時発行予定(記事、論文の引用は太文字で掲載しています。)  
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当ひろばでは、10月21日(日)午後に丸亀市城乾コミセンで「子どもたちの家族との懇談会」を予定しているが、この懇談での話題にとても適した論文がネットで見つかったので紹介する。
◆外国人児童生徒の学習支援における家族の協力と課題
 松浦 康世(日本大学国際関係学部国際総合政策学科 助教)
 https://www.ir.nihon-u.ac.jp/pdf/research/publication/04_39_04.pdf
 この論文は、ボランティア支援者と日系外国人大学生への聴き取り調査によって分析されたものだが、「児童生徒に見られる学習意欲や学力低下のみならず、不登校や非行のような深刻な問題まであるが、程度の違いはあっても、どの問題も日本語力不足と親の無関心に起因していることが共通している。」とあり、その二つの原因について考察している。以下、一部要約。
 (家族の協力)外国人児童生徒が健全に成長するためには、第一に言葉の壁を乗り越えなければならない。一見する と不自由なく会話ができるような生徒でも、実はその壁があるために学習や学校の指示についていけなくなっている場合が多い。ボランティア支援者たちは、全体授業を担当する教師や忙しい親たちでは見落としがちな児童生徒一人一人の問題を見つけ出し、様々な工夫や努力により問題解決にあたる役割を担っている。しかし、学習指導における様々な努力があっても、その支援には限界がある。今回調査した3人 のボランティア支援者の意見に共通していたのは、親の関与が最も大きな影響を与えるということだった。ある支援者は、「親や家族が十分に児童生徒の学習に関われない状況にあるとき、学力低下から始まる様々な問題として現れ、それは子どもたちからの SOS 信号である」と語っていた。一方、学習支援者の立場からすれば親の無関心だと思われていたことも、大学生が語った体験談を聞くと、親は決して無関心ではない場合もあることが明らかとなった。自分の日本語力が低いことに引け目を感じ、子どもに注意したくても強く言うことができない場合がある。また、支援者の活動事例の中に見られるように、経済的な理由で仕事が忙しくて子どもの世話ができないという場合も、単純に親を責めることはできない。それらのケースを見ると、子どもの救済と同時に、あるいはそれ以上に親の救済が必要である。どうすれば親子が安心して安定した生活を送れるのか、問題の根本的な原因をつきとめ、解決するための支援策を考えていかなければならない。(地域住民の協力)経済的な問題については、第一に行政の力を借りる必要があると思われるが、親のメンタル面のケアなどについては、地域住民の協力が大きな力となる。日本語が不十分で子どもを叱ることができないような親の場合も同じである。どちらも日本語の運用能力の低さから、地域住民とのコミュニケーションがとれず、地域の中で孤立してしまっている可能性がある。そのような親たちが地域と関わりを持ち、楽しく安心して生活できるようになるためには、地域 住民の積極的な働きかけと配慮が必要である。実際、この調査に協力してくれた支援者たちはボランティア団体に所属し、日ごろから日本語支援やその他様々な行事や活動を通して、日本に在住する外国人との交流を続けている。それらの活動は、外国人に対する日本語学習の補助や日本文化の紹介といった一方的な働きかけだけではなく、地域住民に対して異文化理解を促し、国籍に関係なく協働してコミュニティーを作っていくための働きかけを同時に行うものである。地域住民が、在日外国人の言葉の壁を理解した上で、常に声掛けをして、必要な手助けをすることにより、外国人がその地域に溶け込み、安定した生活が送れるようになる。このような活動が自治体や任意団体によって継続されることにより、異文化理解や多文化共生の意識がその地域に根付いていく。
(支援の連携)活動事例の中には、問題解決にあたり、親や家族だけでなく、学校の教師や学習指導員の他、場合によっては行政機関や相談機関などとも連携をとるケースも見られた。それはボランティアだけの力では 親にコンタクトを取ることが難しい場合である。支援者の立場では家庭の問題に踏み入る権利がないか らである。支援者は、事態の深刻さから必要に迫られ、関係者や関係各所に連絡を取る方法を模索するようになる。ボランティア支援者の存在は、児童生 徒を孤立させず、それら関係者や関係機関と結びつける役割を果たしているのである。しかし、このように支援者が一人で、学校、親、行政、相談所などと連絡を取り、問題解決のためのコーディネイトをするのでは荷が重すぎる。関係者、関係各所がそれ ぞれの役割を果たすことは大切であるが、行政があらかじめ連携するための体制を整え、支援者の存在を把握し、いざというときに連携のための指示を与えるといったリーダーシップの取り方が最も効率が良いと思われる。今後、行政において、子どもたちを孤立させないような支援の連携を、関係者、関係各所とともに検討していくことが望まれる。(紙面の都合でまとめだけを掲載、ぜひ原文で。)
◆平成29年の「在留資格取消件数」について(法務省9月28日プレスリリース)
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri07_00175.html
※法務省が在留資格の取消しの内訳を公表したのは初めて。
1)平成29年の在留資格取消件数は385件。これは平成28年の294件と比べると31.0%の増加,平成27年の306件と比べると25.8%の増加2)在留資格別にみると,「留学」が172件(44.7%)と最も多く,次いで,「日本人の配偶者等」が67件(17.4%),「技術・人文知識・国際業務」が66件(17.1%)3)出入国管理及び難民認定法第22条の4第1項各号の取消事由別にみると,第6号が172件(44.7%)と最も多く,次いで,第2号が66件(17.1%),第3号が52件(13.5%)、第5号が25件(6.5%)。
※第6号:在留資格に応じた活動を3カ月(高度専門職は6カ月)以上行わない。第2号:偽りその他不正の手段で上陸許可を受けた。(例・在留資格「日本人の配偶者等」を得るために,日本人との婚姻を偽装して,不実の婚姻事実が記載された戸籍謄本等を提出した上,在留期間更新許可を受けた。・ 在留資格「技術・人文知識・国際業務」の活動に当たらない業務に従事する予定であったにもかかわらず,偽りの職務内容をもって申請を行い,当該在留資格への変更許可を受けた など。)第3号:不実の記載のある文書又は図画の提出又は提示 により,上陸許可等を受けた。(・ 取消対象者を採用する予定のない会社を勤務先として記載した申請書を提出し,在留 資格「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更許可を受けた。・在留資格「技術・人文知識・国際業務」で在留する夫が実際には就労していない会社の在職証明書を提出することにより,当該夫の扶養を受けることを目的とした妻 (取消対象者)が在留資格「家族滞在」の在留資格認定証明書の交付を受けた など)第5号:在留資格に応じた活動を行っておらず, かつ,他の活動を行い又は行おうとして在留している。(留学生が学校を除籍された後に,アルバイト又は犯罪行為(詐欺・窃盗等)を行って在留していた。・ 技能実習生が実習実施先から失踪後に,他の会社で稼働して在留していた。・ 在留資格「特定活動(外国人建設就労者)」をもって在留する者が,受入機関から失踪し,他の会社で稼働していた など)
4)国籍・地域別にみると,ベトナムが179件(46.5%)と最も多く,次いで,中国が84件(21.8%),フィリピンが30件(7.8%)
◆ 編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 上記論文の中で「(学習支援を行うボランティアなどの活動は)地域住民に対して異文化理解を促し、国籍に関係なく協働してコミュニティーを作っていくための働きかけを同時に行うものである。地域住民が在日外国人の言葉の壁を理解した上で、常に声掛けをして、必要な手助けをすることにより、外国人がその地域に溶け込み、安定した生活が送れるようになる。このような活動か継続されることにより、異文化理解や多文化共生の意識がその地域に根付いていく。」とあり、我々子どもたちの学習支援活動をする者にとっては、非常に心強く感じられた。
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〒761-2408 丸亀市綾歌町富熊5034-14 TEL:080-3921-9414 E-mail: qzp10324@gmail.com

メルマガ 第65号(H30.9.17)

(2018年9月17日発行)毎月随時発行予定(記事、論文の引用は太文字で掲載しています。)  
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【1】 今号のトピック
◆ ひろば活動 10月下旬に保護者会開催予定
最近の特徴としては、中国から来た子ども2名が継続して参加していること。送り迎えする親の意識が高いと思われる。ペルー、フィリピンの子どもは安定した参加が少ないのが気になる。10月下旬に、できれば保護者会を開催する予定だ。その場で、子どもの教育のことを中心に話し合いができればいいと考えている。保護者会の内容等について、ご意見をお寄せください。
◆ 外国人住民との2回目の懇談会予定
8月19日(日)に実施した懇談会では、社会保険や雇用など労働関係の質問が多く出されたことから、労働関係の専門家を呼び、再度開催することになった。現時点では、11月4日(日)か18日(日)を予定している。次回のメルマガで詳細をお伝えしたい。
【2】論文・新聞記事・行政機関の記者発表記事・その他情報
◆大坂なおみ選手の快挙を機に二重国籍制度改正の議論を 国際テニス連盟サイトより (以下概略) http://agora-web.jp/archives/2034644.html
 日本選手として男女初の全米オープンテニスのシングルスに優勝した大坂なおみ選手は日本とアメリカの二重国籍を持つことでも知られている。(母親が日本人であり、父親がハイチ生まれで米国籍をもつ。日本では、父母のどちらかが自国民であれば子も自国民となる「父母両系血統主義」を採っており、また、米国では、国籍を持ち5年以上在住していれば、生まれた子どもも国籍を採れるので、彼女の場合二つの国籍をもつ背景があった。)また、彼女は、昭和60年1月1日以後に20歳に達する以前に重国籍となっており、この場合22歳に達するまでに国籍の選択をしなければならない。(国籍法第14条第1項)彼女は、1997年10月生まれなので、22歳になる来年の誕生日まで日本国籍にするか、米国籍にするか選択することになる。この期限までに国籍の選択をしなかったときには法務大臣から国籍選択の催告を受け,場合によっては日本の国籍を失うことがある。(2020年の東京五輪に日本国籍で出場するためには、来年の10月が期限となる。)日本国籍の選択宣言をすることにより,国籍選択義務は履行したことになるが,この選択宣言により外国の国籍を当然に喪失するかについては,当該外国の制度により異なる。この選択宣言で国籍を喪失する法制ではない外国の国籍を有する人については,この選択宣言後,当該外国国籍の離脱に努めなければならない。(国籍法16条第1項)(つまり、大坂選手の場合、日本国籍を選択しても、米国籍はそのまま持つことができることになる。)(ウイキペディア:出生した子の国籍取得の形式には、血統主義と出生地主義がある。血統主義とは、親が自国民であれば子も自国民であるとする方式で、父親が自国民であることを要件とする場合は父系優先血統主義と、父母どちらかが自国民であれば子も自国民となる場合は父母両系血統主義という。日本、中華人民共和国、大韓民国、イタリア、ノルウェー、フィンランドなどの国々で採用されている。原則として血統主義であるが出生地主義を認める例外規定を設けている国にはイギリス、オーストラリア、オランダ、ドイツ、フランス、ロシアなどがある。出生地主義とは、自国の領域内で出生した子は、両親の国籍にかかわらず自国民であるとする方式である。かつてヨーロッパ諸国も血統主義が一般的であったが、アメリカ独立、フランス革命を経て出生地主義が一部の国で採用されるようになった。出生地主義の国には、アルゼンチン、カナダ、アメリカ合衆国、ブラジルなどがある。多重国籍を認めている国:北米、中南米(一部の国除く)、ロシア、多重国籍を認めていない国:アジア諸国、フィリピン除く、欧州、アフリカはさまざま)世界各国がテロ対策を進めていく中で、多重国籍については厳しく問われる潮流になっている。そこまで重大な事由でなくても、多重国籍の人は、納税や兵役といった、それぞれの国での義務に関してリスクを背負う一面もある。実際、今年4月にはトランプ政権が、アメリカとの二重国籍で外国で暮らす人たちの所得課税強化を打ち出し、フランスでは混乱がおきたそうだ。その反面、日本国籍を選択したくても他国籍の離脱にハードルがある場合がある。ブラジルは国籍離脱を認めていない。アメリカは国籍離脱を認めているものの、パスポート返却の際に2,350ドル(約26万円)もかかる。経済的余裕のない22歳以上の日米の二重国籍者には、単一国籍を課する日本の国籍制度は辛いものもある。タブー視せず、国籍制度の社会的議論を。だから多重国籍をめぐるリスクやデメリット、国籍を選ぶ場合の支障などを総合的に勘案して、これからの国籍制度がどうあるべきか、社会的に議論するべきだろう。ところが日本社会では、国籍は在日コリアンの歴史的経緯があるからかタブー視されている部分があり、政治家も票にならないから積極的には取り上げない。マスコミも朝日新聞などの左派メディアが、蓮舫氏の問題の時のように、ありがちな差別論に終わってしまい、建設的な議論が期待できなかった。来年4月から外国人就労者が拡大することを考えても、この問題を放置したままでいいようには思えない。大坂選手の国籍選択がクローズアップされる今後、社会的議論が少しでも前に進むように望みたい。
◆ 日系人四世の受け入れが今年7月から始まっている。しかし、定住者資格ではない。
現在、在留資格「定住者」である日系人3世までの方は就労制限がなく、配偶者や子どもとともに長期間日本で生活することが可能。このたび入管法の改正により、日系人四世の入国が認められた。しかし、いろいろ制限がある。○在留資格:特定活動 最長5年滞在可能○年齢:18歳以上30歳以下○家族を帯同しないこと○帰国旅費が確保されていること○入国時に日本語能力試験N4程度、在留更新時に日本語能力試験N3程度が必要○生活支援を行う受入サポーターが申請前に確保されていること(就労、日本での生活に関する状況確認を月に一度行い、在留資格の更新時に入管に対して、状況報告をする必要がある。) など非常に制限がある。
※政府の外国人労働者の新たな受け入れの一環であるが、受入サポーターの役割には疑問を感じる。また、技能実習生よりは1企業の受け入れ人員も多く、今後の行方に注視すべきだ。
編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 喫茶店にあった週刊誌の「コンビニで働く留学生」記事に目がとまった。「コンビニは現在5万8千店舗を数え、10兆円規模を誇る巨大マーケット。だが、従業員の数は07年からの7年間で8万3千人も減った。そこへ助っ人として現れたのが留学生。今や4万人超のコンビニ外国人につながった。留学生のほとんどは日本語学や校専門学校へ通っており、原則週28時間(長期休暇中は1日8時間以内)のアルバイトのもと働く。留学生の数は約31万人。日本語学校は全国に680校、この5年で200校増えた。留学生は学びながら働ける世界でも珍しい国にやってくる。ローソンでは奨学金制度を導入している。」
 日本のコンビニでの留学生への依存はかなりだ。中には、留学生は名ばかりで、働くことが目的で来日する外国人もいる。日本語学校が留学生のアルバイトを斡旋し、週28時間を超えて働かせ、逮捕者もでた。学校はその後閉鎖になったと聞く。
 在留外国人は約256万人、外国人労働者は約128万人。NHK「外国人“依存”ニッポン」によると、産業別の割合を担い手不足が深刻な20~30代に絞ると、農業は14人に1人、漁業は16人に1人、製造業は21人に1人」
 問題なのは、職場での労働災害、いわゆる労災申請でここ数年外国人労働者が増加しているという。技能実習生の労災死は、日本全体の労災死の割合の2倍というデータもある。今、政府は2020東京五輪に向け、新たな在留資格の拡大を目指しているが、危うさばかりが気にかかる。
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メルマガ 第64号(H30.9.4)

(2018年9月4日発行)毎月随時発行予定(記事、論文の引用は太文字で掲載しています。)  
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【1】 今号のトピック
◆丸亀市及びその周辺地域で定住する外国人住民との懇談会報告
○とき 8月19日(日)15:20~17:00
ところ 丸亀市城乾コミュニティセンター1階小会議室
参加者 ペルー人5名、フィリピン人5名、通訳2名、行政書士2名、行政相談委員2名、四国行政評価支局2名、日本人関係者4名 計22名
出された主な意見●とその回答の概要
●労働基準監督署、職業安定所に次のことについて、会社を指導してもらいたい
①超過勤務時間をカットされて、実際に超過勤務した労働時間分の残業手当が支給されない。
②給与は時間給で支払われているが、会社から最初に示された時給単価よりすくない。
③賃金や休暇等の勤務条件について書面で交付してほしい。
□会社名を教えてもらえれば、匿名でも関係機関に申し出て、調査依頼することができる。
●友人を日本に呼びたいが、どのような手続きが要るのか、教えてほしい。
□地位による在留資格か、身分による在留資格かによって手続きは異なる。そのあと、日本の在留資格についての説明があった。
●シングルマザーでない女性が児童扶養手当などの母子家庭の手当てをもらっている。私たちの税金が使われていることに我慢できない。調査できていないのではないのか。
□本人からの申請に基づき、調査していると考える。明らかな証拠があるのなら市に伝えるが。
●フルタイムの会社に転職したいが出産を控えており、有給休暇、産前産後休暇はすぐもらえるのか。
□有給休暇は雇われてから6か月継続勤務しないと権利が発生しないが、産前産後休暇は産前6週間前から産後8週間までもらう権利がある。また、出産手当や育児手当、出産一時金について、その後説明あった。
●健康保険料や年金掛け金のことがよくわからない。どういう職場であれば引かれるのか。
□参加者の多くが、社会保険関係のことが理解できていないので、後日、このことについて懇談会を開催するので参加してほしい。日時は追ってお知らせする。11月上旬までには開催したい。
【2】論文・新聞記事・行政機関の記者発表記事・その他情報
◆日立も技能実習不正か 目的外の職場に配置の疑い  8/23(木) 朝日新聞
 日立製作所笠戸事業所(山口県下松市)で、一部のフィリピン人技能実習生が、目的の技能が学べない職場で働かされている疑いがあることが分かった。技能実習制度を所管する法務省は7月、技能実習適正化法に違反している可能性があるとみて、国認可の監督機関「外国人技能実習機構」と合同で笠戸事業所を検査した。法務省は日立と実習生を紹介した団体に対して、同法に基づき改善を求める処分や指導を検討している模様だ。
(実習目的とは違う職場で技能実習生が働かされている問題の構図)
 複数の実習生が朝日新聞に実習状況を証言した。笠戸事業所は鉄道車両の製造拠点で、新幹線や官民一体で受注した英国高速鉄道の車両製造などを手がけてきた。実習生によると、フィリピン人実習生が数百人働いているという。実習生の証言によると、配電盤や制御盤を作る「電気機器組み立て」の習得のために昨春から日立で働いている複数の実習生が、英国向けの高速鉄道や日本の新幹線の車両に、窓や排水パイプ、カーペットやトイレを取り付ける作業しかしていないという。複数の実習生は法務省と実習機構による聴取にも同じ内容を訴えたという。
国の基準は、電気機器組み立ての技能習得に配電盤や制御盤の加工などを「必須業務」と定めており、窓などの取り付けは該当しない。法務省は、1年目に必須業務を一切させない場合は不正行為にあたるとみている。
 技能実習を巡っては、三菱自動車と日産自動車で実習生に実習計画外の作業をさせていたことが発覚している。日立の実習生は、三菱自や日産と同じ「協同組合フレンドニッポン」(本部・広島市、FN)が紹介していた。FNは国の許可を得て実習状況を監査する「監理団体」で、法務省と外国人技能実習機構は、FNが適正に監査をしていたかどうかも調べている。
■実習生の権利保障、議論を(視点)
 外国人技能実習生を実習計画と違う仕事につかせている疑いはこれまでも指摘されてきた。日本を代表する大手製造業で相次いで発覚したことで、制度の「建前」と「本音」が大きくかけ離れているとされる矛盾が改めて浮かび上がった。(中略)
 実習生は、職場を自由に変えることも家族を呼び寄せることもできない。一定期間を過ぎれば確実に帰国する。都合のいい労働力として活用され、対象職種が広がって人数も増えている。建前と本音のずれが抱える矛盾のしわ寄せを受けているのは、実習生だ。
 政府は「移民政策とは異なる」としつつも、来年度にも新たな在留資格を設ける方針。最長5年間の実習を終えた実習生がさらに5年間滞在できるようにもする。労働者としての権利や人権を保障し、待遇を改善する視点で議論する時期に来ている。
※昨年2017年11月に技能実習適正化法が施行され、新たな技能実習制度がスタートしたばかりなのに、三菱自動車と日産自動車に続き、日立製作所という大手企業の不正が明らかになった。これまで多くの問題を抱えながら実施されてきた技能実習制度であるが、実習機関の監視を強化するため、いい加減な管理監督しかできなかった国際研修協力機構(JITCOジツコ)に代わり、新たに「外国人技能実習機構」(高松事務所は高松高裁近くのビル内)が創設された矢先の事案である。厚生労働省「平成29年の監督指導・送検の概要 」では、監督指導を実施した実習実施者のうち70.8%に労働基準関係法令違反が認められた。主な違反事項は、労働時間(26.2%)、使用する機械に対して講ずべき措置などの 安全基準(19.7%)、割増賃金の支払(15.8%)の順に多かった。今回の不正は、実習目的とは違う仕事をさせていたもの。フィリピンの理科系大学を卒業し、日本の電気機器組み立ての仕事をするはずが鉄道車両の窓を手作業で取り付ける作業ばかりをしていたと言う。実習の監査をすべき監理団体が売り込んだ企業と結託した不正行為だ。監理団体は全国に2千2百余あり、全国26万人余の実習生と契約しており、1団体当たり約100名だ。その多くが50名未満の会社で実習しており、人数枠が5名として、1団体当たり約20社の実習生を受け入れている勘定だ。実習生4,331人の香川県内でも約40~50の監理団体があると聞く。「外国人技能実習機構」では実習生からの来所相談、フリーダイヤルでの母語相談、メール、手紙での相談が実施される。機構には従来にない権限や機能が与えられおり、注視したい。
編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 9月1日(土)のひろばは子どもたちにとっては夏休み最後の土曜日。さぞや宿題が気になって普段より多くの子がやってくるものと期待していたが、あてはずれ。ペルー3名、中国2名 計5名の参加であった。この子たちも宿題が目当てではなく、主に自主勉強であった。
 昨年7月ぶりの外国人住民との懇談会。スペイン語と英語の通訳を介したこともあり、意見を参加者が共有するのに時間を要した。職場関係の質問が多く、子育て、教育や暮らし向きの意見はなかった。マンツーマンで聞き取りすればまた違ったのかとも感じた。次回の開催に期待を
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メルマガ 第63号(H30.8.16)

通算第63号(2018年8月16日発行)毎月随時発行予定(記事、論文引用:太文字)
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【1】 今号のトピック
◆最近のひろば活動
○夏休みのひろばへの児童生徒の参加状況とペルーの青年の高校受験
 夏休みの宿題もあり、子どもたちの参加意欲は高いのではと思っていたが、ここ3回の子どもたちのひろばへの参加数は、7/21が4名、7/28が2名、8/4が3名と低調であった。例年、夏休み前には、丸亀市内の小学校にひろばのチラシを配布してきたが、今年はできなかったのが低調となった一つの原因かもしれない。ひろばの存在を子ども、親たちに意識してもらうためにも、時機を得た広報はこれからも必要だろう。
 最近、ペルーから再来日した若者と知り合った。丸亀市内の小学校を卒業、中学校の中途まで丸亀市内で暮らし、親の都合で一旦ペルーに帰国後、ペルーの中学校を卒業し、再度入国した17歳の青年だ。18歳になれば、父親が勤める溶接関係の会社に就職するそうだ。本人には高校への進学意欲があり、できれば働きながら定時制の高校に行きたいという。県高校教育課に問い合わせたところ、ペルーで卒業した中学校の詳細がわかれば、日本の高校受験の資格があるかどうか判断できるという。仮に、外国において日本の中学までの課程を修了した者と同等の学力があると判断できなければ、10月、日本で文部科学省が実施する「中学卒業程度認定試験」を受験し、これに合格すれば、高校に受験できる。ネットでこの認定試験の過去問を見たが、高校受験の問題よりはかなりレベルは低いと感じた。まずは、ペルーに住む祖母に連絡し、卒業した中学校から必要な書類を取り寄せることが先決だ。中学卒業程度認定試験を受けるにせよ、定時制高校の入試試験を受けるにせよ、これまで日本で学んだことをもう一度復習するしかない。ひろばとしても、彼の高校への進学の気持ちを受け止め、何らかの支援ができればいいのだが。
【2】論文・新聞記事・行政機関の記者発表記事・その他情報
◆「弱者は弱者らしく」という本音 ジャーナリスト安田浩一さん 朝日 8/2
○LGBTのカップルを生産性がないなどとした自民党議員の主張を生む社会的背景について
「背景にある「本音」は弱者は弱者らしく、少数者は少数者らしくしておけ」ということではないでしょうか。例えば、外国人労働者が人手不足の職場を補い、低賃金に耐え黙っているかぎりは、守られるべき存在として扱う。(中略)でも、彼ら、彼女たちが自分の権利を主張し、差別を告発した途端、手のひらを返したように「生意気だ!」と激しく攻撃し、治安の問題などにすり替えて攻撃対象にしていく。具体的には、今世紀に入ってから在日外国人へのヘイトスピーチが広がっています。「日本から何かを奪い取っているのがけしからん!」と、むき出しの憎悪をぶつける。多数派の権利、利益を守るためです。」
※この記事を読んで、メルマガ第62号でのサンデル教授の白熱教室での若者たちの意見を思い出した。豊かな国の人々が移民を拒む理由の一つに、自分の社会、地域で自らが享受している既得権益を守りたい、それがたまたま豊かな国に生まれたという運、偶然の出来事だとしても、祖先が獲得した富を受け継ぐ権利を主張するのは当然と考えるからであろう。今の日本では、まだまだ、外国人住民が国や自治体などに向かって、公然と自分の権利を主張し、差別を告発する状況にはない。しかし、将来、移住2世の若者が、日本での自分たちの置かれている現状に異議申し立てをする時代が来るだろう。日本社会は、彼ら、彼女らにどう向き合っていくのか、幅広い議論をする時期はとっくに来ていると思うのだが。
◆NHK Eテレ「外国人とニッポン」~EPA10年 外国人介護士はいま~
インドネシアとの経済連携協定(EPA)締結平成21年から10年が経過した。放送のテーマは介護施設で働くインドネシア介護福祉士の現状と課題を浮き彫りにすること。ある施設関係者は「10年前は、介護士不足から組織の活性化を図るため外国人介護福祉士候補者を受け入れたが、今では、組織の一員として欠かせない存在になっている」と話す。国家資格を取得した後も働き続ける介護福祉士にも課題がある。平成21年に来日した1期生のインドネシア青年は今、30歳後半、人生の分岐点にかかり、今後は帰国して事業を起こしたいという。施設としてはずっと働いてほしいが、彼の人生を考えると仕方がない。今後、定住したいというインドネシア男性は、妻子を呼び寄せたが、日本語が話せない妻が孤立しないかが不安。地域でも日本語支援や交流活動を通じて、日本での定着を模索している。
※外国人看護師候補者は在留期間3年の間、毎年、国家試験を受験できるが、外国人介護福祉士候補者の場合、在留期間4年で国家試験の受験資格を取得した後、これまで1回だけしか受験できず、不合格者は帰国しなければなかったのを合格点の5割以上を得点できた不合格者は在留期間を1年延長し再受験が可能となった。
◆外国人看護師・介護福祉士候補者の受け入れについて(厚生労働省HPより)
日・インドネシア経済連携協定(平成20年7月1日発効)に基づき平成20年度から、日・フィリピン経済連携協定(平成20年12月11日発効)に基づき平成21年度から、日・ベトナム経済連携協定に基づく交換公文(平成24年6月17日発効)に基づき平成26年度から、年度ごとに、外国人看護師・介護福祉士候補者(以下「外国人候補者」という。)の受入れを実施してきており、累計受入れ人数は3国併せて4,700人を超えました。(平成29年9月1日時点)
これら3国からの受入れは、看護・介護分野の労働力不足への対応として行うものではなく、相手国からの強い要望に基づき交渉した結果経済活動の連携の強化の観点から実施するものです。
(受け入れ状況)H30.1.1現在
インドネシアは平成20年度、フィリピンは平成 21 年度、ベトナムは平成 26 年度からの受入れ
○外国人看護師候補者受け入れ数 3カ国の総計 1,203人・インドネシアH20~H29 622人 フィリピンH21~H29 506人 ベトナムH26~H29 75人   
H28国家試験合格率(合格者数/受験者数)14.5%(日本人含めた率:88.5%)
○外国人介護福祉士候補者受け入れ数 3カ国の総計 3,529人・インドネシア H20~H29 1,494人 フィリピンH21~H29 1,437人 ベトナム  H26~H29 598人   
H28国家試験合格率(合格者数/受験者数)49.8%(日本人含めた率:72.1%)
○香川県・外国人介護福祉士候補者受け入れ数 3カ国の総計 159人 ・インドネシア H22~H29 80人  フィリピン H26~H29  66人 ベトナムH26~H28  13人
○香川県分の外国人看護師候補者受け入れ数はデータ不明   
編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
いよいよ、19日(日)15時から、丸亀市城乾コミュニティセンターで「外国人住民との懇談会」が開かれる。この企画は、昨年7月以来だが、これからも長く日本で暮らすことになる外国人住民とこのような会を持ち続けることは、同じ空の下で暮らす日本人にとっても大切だろう。前回のメルマガで、NHKが放送したハーバード大学マイケル・サンデル教授の白熱教室「移民を拒む権利はあるのか。」の中で、ある青年が「人として大切なのは、人と人とが共感して暮らしいくことだ。想像力を豊かにし、新しい文化を共に創造していけるように考えるべきではないか。」と言ったことが思い出される。
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■編集・発行 香川まるがめ子どもにほんごひろば事務局 文責:安藤 
〒761-2408 丸亀市綾歌町富熊5034-14 TEL:080-3921-9414 FAX:0877-86-6328
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メルマガ 第62号(H30.8.1)

通算第62号(2018年8月1日発行)毎月随時発行予定(記事、論文引用:太文字)  バックナンバーは、URL:http://marugame-kodomo-nihongo.net/merumaga.htmlで閲覧できます。  
【1】 今号のトピック
◆外国人住民との懇談会開催
と き:8月19日(日)15時〜 ところ:丸亀市城乾コミュニティセンター1階小会議室
◯昨年6月24日、7月22日に続き、今年も開催します。どなたでも参加できます。
 今年は、どんなメンバーが参加し、どのような意見がでるのか。じっくりお聞きしたい。
(参考までに昨年の内容を書きます。昨年のメルマガと重複しますがお許しください。)
※懇談会はペルー人、フィリピン人の10名と行政相談委員6名ら計20名余りが参加した。1回目は外国人住民から意見が出され、これら意見を受け、後日関係機関への調査がなされ、2回目にその報告があった。出された意見は、外国で取得した運転免許の切り替え手続きの適正化や、スペイン語での運転免許試験の実施、日本語が不十分な外国人に対する税金の使途の説明、多様な外国語に対応する相談窓口の整備、雇用保険料の天引きの説明、一時帰国時の国民年金の保険料徴収の説明、日本語が不十分な外国人の権利についての積極的な周知など、日本人には気づきにくい外国人住民にとっては切実な問題ばかりであった。
【2】論文・新聞記事・行政機関の記者発表記事・その他情報
◆教育現場に 外国人児童増加に対応 佐野で研修会/栃木 毎日新聞 2018年7月27日
日本語がよく理解できない外国人の子ども支援に役立てようと、多言語翻訳アプリの使い方を学ぶ教員向けの研修会が26日、佐野市で行われた。教育現場では日本語指導を必要とする外国人の児童や生徒数が増加し、学校生活や授業に支障が出ている場合も多く、その解決につながるか注目される。研修で使用されたアプリは、独立行政法人「情報通信研究機構」(NICT、東京)が開発した「VoiceTra」(ボイストラ)。スマートフォンなどにインストールして使用し、英語や中国語などに加え、ポルトガル語やスペイン語、フィリピン語など31言語に対応している。同アプリは個人旅行客の使用を想定して開発されたが、外国人の子どもの教育支援に長く取り組み、教育向け多言語翻訳システムの開発研究を進める宇都宮大国際学部の若林秀樹・客員准教授が、学校で使われる用語や文書をNICTに提供。同アプリの翻訳システムが更新され、教科書に出てくる単語などが訳されるようになったという。若林さんによると、近年、学校では多言語化が進み、子どもの母国語が10以上の学校もある。また、日本語が理解できない子どもが少数で支援が行き届かない場合も多く、子どもの孤立化を防ぐためにも有効なツールだという。この日の研修会には小中学校の教員や指導員など約20人が参加し、講師を務めた若林さんの説明を聞きながら、スマートフォンを操作して多言語翻訳を体験した。若林さんは「多言語翻訳は身近な存在、少しのコツを覚えれば子どもや保護者に母語で伝えられることも多い。言語の壁があって自分には無理と思い込んでいる教員に、ぜひ試してほしい」と話している。
※問い合わせ先 宇都宮大国際学部 若林秀樹 studioazul@hkg.odn.ne.jp
◆外国人受け入れ拡大 「共生」への道 NHK 時論公論 7.30 (筆者要約)
政府は、来年4月から、新たな在留資格の創設を目指す。これまで国は、医師、弁護士、大学教授など専門的、技術的な人材に就労目的の在留を認めており、単純労働での在留は、留学生、技能実習生、日系人などに限定してきた。今回の外国人の受け入れ拡大は、就労目的の在留資格の表玄関の拡大を目指すもの。介護、農業、工場など人手不足の業種に限定して、高度な専門性がなくても、日本語能力や技能の試験に合格した者、技能実習を終えた実習生が対象で、最長5年の在留を認める。家族の帯同は認めず、単身のみ。在留期間中に国家資格などを取得すれば、その後の更新が認められ、家族を連れて来ることも可能となる。問題は、最長5年の実習生が新たな在留資格を認められた場合、最大10年の単身生活を余儀なくされること。帰国後に技能を役立てるという制度の趣旨に反することになる。この機会に、制度設計を根本から見直すべき。さらに、地域で暮らす外国人の生活支援の充実が必要だ。法務省が総合調整する権限をもつ予定。外国人に施策が届くように、法律で国と地方の責任を明記し、地域格差が出ないように財源を確保すべき。人口減少時代にあって、社会を支える外国人との共生の道を目指すためには、言葉や文化の壁を抱える外国人への手厚い支援と地域住民の理解と協力が欠かせない。社会全体でこの問題に向き合い、議論を重ねることが必要だ。
◆ハーバード大学マイケル・サンデル教授の白熱教室「移民を拒む権利はあるのか。」NHK7/23
以下は、世界中から参加した若者の間で交わされた意見(筆者要約)
○移民と難民の違いは何か。難民は、戦争や迫害、飢餓などから逃れるために国境を超える人々であり、豊かな国は受け入れる道義的責任があるが、単に経済的に豊かになりたいという理由で国境を超える移民とは区別して考えるべきだ。
○豊かな国が経済的理由でやってくる移民を拒む権利があるかどうかは、社会や地域の経済の面と文化の面の両方を考える必要がある。経済の面では、社会保障などの公的サービス、雇用の問題などから人数は制限すべきとの意見がある。また、文化の面では、その社会、地域の同一性、アイデンティティを破壊するのではないかとの意見がある。
○富には限りがあるから、その社会、地域に暮らす人々には、自らの富を守る既得権があるのではないか。移民も制限すべきではないか。それは、例えば、子どもは親の遺産を相続する権利があるかどうかを考えよう。祖先、親は努力して富を獲得してきたのだから、息子にはそれを受け継ぐ正当性があるという考え。これを国に置き換えれば、西欧諸国は、植民地から収奪することで富を築いてきたが、西欧人はこの富を受け継ぐ正当な権利があると言えるのか。
○移民は、これまでその社会、地域の経済に貢献してきていることが知られている。それなら、その社会や地域から恩恵を受けるべき権利はあるのではないか。
○どの国に生まれるかは、その人の運、偶然である。そんな運や偶然で豊かな国で生まれた人は
そうでない人、移民が入ることを拒むことは本当に許されるのか。
○あるパーティをするとして、その参加者について考えよう。その場所に、自分たちと考え方や価値観が違う人を呼ぶだろうか。コミュニティも同じで、文化や習慣の同じ人と生活したいと考えるのが自然である。しかし、それが排除する理由になるのか。
○どんなメンバーで社会を構成するかは、その社会、地域で暮らす人々で決めるべき。どんな移民を受け入れるかも、その国の人々が決めるべき。長期的な視野に立ち、経済的なメリットと人々の豊かさにつながる文化が混じることの恩恵を考えるべきではないか。
○国を家に例えれば、廊下で区分された部屋でそれぞれ住んでいるのと同じ、共存できるはず。
○グローバルな社会では、国家、社会の帰属意識を強めるのではなく、世界国家、コスモポリタン的なアイデンティティを養うべきではないか。
○人として大切なのは、人と人とが共感して暮らしいくことだ。想像力を豊かにし、新しい文化を共に創造していけるように考えるべきではないか。
編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
熱中症も怖いが、冷たい物をとりすぎた夏バテも心配である。被災者の懸命な復旧作業は今なお先が見えない。国の手厚い施策を早急に実施してほしい。NHKの時論公論、サンデル教授の白熱教室ともに興味深い。文化の混じ合うことで人生が豊かになることを日本人はもっと考えるべきか。島国日本の将来を見据えた国民的議論を誘導する政治力も求められる。
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メルマガ 第61号(H30.7.17)

通算第61号(2018年7月17日発行)毎月随時発行予定(記事、論文引用:太文字)  バックナンバーは、URL:http://marugame-kodomo-nihongo.net/merumaga.htmlで閲覧できます。  
【1】 今号のトピック
◆7月7日(土)のひろばは、大雨警報、土砂災害警戒情報が発令したため中止した。しかし、ここで問題があった。ボランティアさんへの連絡はできるのだが、子どもたちへの連絡が完全にはできない。とりあえず、4家族には連絡できたが、ここ1~2カ月の間、よく参加してくれていた2~3家族には連絡できなかった。そこで、当日、センターの玄関前で待機し、やってきた親子に中止を知らせることにしたところ、連絡ができなかったフィリピンの家族のうち、1家族がやってきた。次回の7月14日(土)のひろばでは、今回のような不測の事態だけでなく、子どもの体調不良や事故にも備えるため、家族の連絡先を整備することになった。家族には、個人情報のひろばでの適切な管理について説明し、理解を得たいと考えている。
【2】論文・新聞記事・行政機関の記者発表記事・その他情報
◆“日本語パートナーズ”経験者と話す会in高松(主催:国際交流基金アジアセンター)
日本語パートナーズとして、インドネシア、タイ、フィリピンで活動した4名の生の声を聴く会
とき 7月29日(日)14:00~15:30 会場 Café Style Hazuki 2階(高松市北浜12-7)
参加料:無料、定員:30名程度 申し込み:http://jfac.jp/partners/
※日本語パートナーズ” は、アジアの中学・高校などの日本語教師や生徒のパートナーとして、授業のアシスタントや、日本文化の紹介を行います。専門的な知識は必要なく、①満20歳から満69歳で日本国籍を有する方②日常英会話ができる方③派遣前研修(約1か月間)に全日程参加できる方などの応募要件に当てはまればどなたでも応募できます。
◆日本語教える先生、養成本格化 外国籍の子ら増加、研修で専門的に 朝日 7.10
日本語指導を必要とする子どもが増えるなか、日本語を教える専門性をそなえた教員を育てていこうと、各地で取り組みが始まっている。国も、教員の養成や研修のモデルプログラム作りに乗り出した。
「言葉の問題なのか、発達障害なのか。そう考えるのではなく、目の前の子がどこにつまずいているのかを見ましょう」。6月下旬、浜松市教育センターで、日本語指導担当の教員らを対象にした「外国人児童生徒指導リーダー研修会」が開かれた。この日のテーマの一つは、日本語指導と発達障害。様々な子どもの学習支援に携わる、NPO法人アジャスト(愛知県)の清長豊代表理事が講師をつとめた。
 参加した小学校の女性教諭(48)は「日本語が理解できないからなのか、発達障害からなのか、見分けが難しいケースにまさに直面している」と言う。「子どもの行動を細かく見て、そこからどういう指導、教材が必要なのか考える。それでいいんだと腑(ふ)に落ちた」
 浜松市には、日本語指導を必要とする小中学生が多く暮らす。市教委によると、市内の外国籍児童生徒は1,727人(5月1日現在)。このうちの1,085人と、日本国籍の177人の計1,262人に日本語指導が必要と判断した。市立小中学校の約8割に在籍する。
 市教委では昨年度、日本語指導の核となる教員を育てようと、この研修会を始めた。校長から推薦を受けた教員を対象に、より専門的な外国人指導などを学ぶ。通訳や支援員など、様々な人材をコーディネートする力も育みたいという。
 日本語指導担当の教員は数年単位で代わることが少なくない。市教委教育総合支援センターの櫻井敬子・外国人支援グループ長は「核となる人材を育て、その教員が市内各地で中心となり、指導の全体のレベルを上げられれば」と言う。「市の目標は編入後3年で学級活動にある程度参加できる力をつけること。自分の力で学習できる子に育てることは自立した社会人につながる」
 教員採用に「日本語指導」の枠を設ける自治体も出てきた。
 福岡市では昨年、日本語指導専門の教諭を年度途中ながら初めて募集した。59歳以下、正規教員として3年以上の勤務経験、日本語指導経験がある、もしくは指導可能――などを要件に小中計20人を募り、17人を採用。学級を持たず、日本語指導に専念する。
 市教委によると、日本語指導が必要な小中学生は昨年2月末に324人で、15年の266人から急増。担当者は「即戦力を確保するとともに、専門的に指導できる人を育てたい。学校の事情で日本語指導担当が決まる現状では、せっかくの経験が生かされない」と言う。今年度は、通常の教員採用試験でも「日本語指導」の枠を設けた。
 日本語指導が必要な小中高校生らが9,275人(16年5月1日)と全国で最も多い愛知県。国立の愛知教育大は昨年度、小学校の教員養成課程に日本語教育選修を設けた。今年度は「外国人児童生徒支援教育」を必修化。2年生約900人全員が前期に履修する。上田崇仁教授(日本語教育学)は「多くの子にとって、最初に出会う日本社会が学校。慣れない言葉で新しいことを学ぶ大変さに寄り添い、支えるためには、教員の力の底上げが喫緊の課題だ」と話す。
 ■指導必要な子、4万3千人超 文科省調査、1991年以来最多
 文部科学省の調査によると、日本語指導が必要な子どもは、2016年5月1日時点で全国の公立小中高校などに4万3,947人。前回調査の14年度から6,852人増え、1991年に調査を始めて以来、最も多くなった。一方、日本語指導が受けられたのはこのうちの7割超。指導できない学校側の理由では「担当できる指導者がいない(足りない)」などの回答が多かった。
 文科省は14年、学校教育法施行規則を改正。個別の日本語指導を「特別の教育課程」として正規の教育に位置づけた。17年度には、日本語教育学会に委託し、日本語指導を担当する教員の「養成・研修モデルプログラム開発事業」を始めている。
 同事業の調査研究本部代表をつとめる、東京学芸大の齋藤ひろみ教授(日本語教育学)は「教員に求められる資質や能力をもう一度整理し、その力を養うにはどうしたらいいのか。議論していきたい」と話す。
◆日本人37万人減、総務省人口調査 外国人は最大の増加 朝日新聞 7/12
今年1月1日時点の住民基本台帳に基づく総務省の人口調査で、外国人は249万7,656人となり、前年より17万4,228人(7.5%)増えたことが分かった。外国人の人数、増加幅ともに統計を取り始めてから最大だった。9年連続で減った日本人の労働力不足を外国人が補っている形だ。総務省が11日、公表した。都道府県別で外国人の増加率が最も高いのは熊本で16.6%。大規模農家による技能実習生の受け入れなどが要因という。鹿児島や島根など14道県で10%を超えた。時期によって労働者数が大きく変動する造船業の影響が大きい長崎を除き、46都道府県で増えた。日本で暮らす外国人の在留管理制度が大きく変わったのは2012年。外国人登録証が廃止され、各市区町村の住基台帳に登録されるようになった。7.5%という増加幅は、それ以降の調査で最大だった。5年前と比べて外国人は2割増えたことになる。
※香川県は、外国人人口11,532人(高松市4,106人、丸亀市2,023人 両市で53%を占める)。外国人比率1.1%。増加率は8.13%で全国22番目と中位。
編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
西日本豪雨の被災地域の記事が連日流れる。この暑さの中、被災者支援のボランティア活動には頭がさがる。高齢の身では何にもできないという無力感ばかり。ただ、広島県、岡山県の被害を対岸の火事としない活動は、私たちにもできることだと思った。
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メルマガ 第60号(2018.7.3)

まるがめ子どもにほんごひろば メルマガ (創刊2014.1)

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【1】 今号のトピック
◆最近のまるがめ子どもにほんごひろばの活動状況について
アイパル香川の「まるがめ子どもにほんごひろば」への助成事業が終了し、香川まるがめ子どもにほんごひろばとして単独の活動を開始して3カ月が経過した。この間、ひろばの開催は11回。子どもたちは平均6人、ボランティアは平均8人であり、昨年度の平均人数を現時点では共に上回っている。参加している子どもたちの状況を一言でいうと低学年化である。昨年度までは、6年生、5年生といった高学年の子どもたちが約半数を占め、この子たちの行動がひろばの雰囲気を形成していて、比較的まとまった、穏やかな場であったように思う。活動のスケジュールとしては、40分の個別学習活動を2回、そのあと30分のグループ活動としているものの、2回の個別学習活動を継続できない子どもが多く、我慢できず、一人勝手に別行動に走ってしまう。そういう場合、ボランティアとしても、これまで読書やカード遊びなど他活動を勧めたりして、宿題など個別学習に向かわせる努力を行ってきたのだが、それがなかなかうまくいっておらず、子どもをフリーにしている時間が多々見受けられる。ボランティア間の話し合いでは、もっと子どもに寄り添う気持を強くもち、こころを通じ合えているという感覚をお互いもてるという、より質の高いボランティア活動が望まれるという意見が出された。「~しなさい。」ではなく、「~しようね。」でお互い受け入れ合うことのむつかしさ。顔見しりになり、慣れれば慣れるほど、「このくらいは許されるという甘えの感覚」が芽生える。非常にむつかしい課題である。そもそも、学校ではない子どもたちの自由な空間、居場所として場をめざすひろばである。引き続き、ボランティア間の対話を重ねたい。
【2】論文・新聞記事・行政機関の記者発表記事・その他情報
◆特別支援学級の在籍割合 外国人の子、日本人の倍 6.24 朝日新聞
特別支援学級在籍率、外国人の子が日本人の倍 民間調査
ブラジル人ら外国人が多く住む地域の小学校で、外国人の子どもが日本人の2倍以上の比率で障害児らを教える特別支援学級に在籍していることが、民間団体の調査で分かった。日本語が十分にできないために障害があると判断され、特別支援学級に入れられている例もあるといい、調査した団体は「実態把握と支援が必要だ」としている。
 特別支援学級は障害がある児童らを教えるために置くことができる。文部科学省は対象児童を決める際は障害の状態や教育上必要な支援などを考慮し、障害の判断は「総合的かつ慎重に」するよう求めている。
 外国人児童が多く通う学校の校長らによると、「日本語ができないことは特別支援の対象」としている例や、日本語が理解できないため、障害があるかどうかの見分けが難しいケースがある。ただ、文科省特別支援教育課はこうした実態を「調査しておらず、理由は分からない」としている。調査した民間団体(筆者加筆)は「特別支援学級に在籍している外国籍の子どもの現状や、指導状況の実態調査が必要だ」として、子どもたちの出身国の関係者の協力も求めるべきだと指摘している。
〈特別支援学級〉 学校教育法では知的障害者や肢体不自由者らのために置くことができるとされている。2013年の文部科学省通知では障害の状態や教育上必要な支援などを勘案し、「特別支援学級で教育を受けることが適当である」子どもを決め、障害の判断は「総合的かつ慎重に」行うよう求めている。通常学級より教員の配置は手厚く、現在は8人の子どもで1学級を設け、教員を配置できる。
※外国につながる子どもたちは、本来、取り出しの中で、別教室を用意するのが通例だが、日本語が十分でないということで発達の状況がわからず、特別支援学級扱いをしている事例があるということが問題である。外国の子どもの発達障害の判断は、日本語能力が十分でないこともあり不明確になっている。全国の調査では、在籍児童の6%の比率で発達障害が診断されているという。専門の職員による診断にいる慎重な判断が必要である。
◆列島をあるく 外国人 身近に 6.19 朝日新聞
保育から日本になじもう 言葉・生活ルール教え就学準備
◯日系ブラジル人ら在日外国人が多い茨城県常総市で、NPO法人が外国人の子ども向けの保育所や学童支援をスタートさせた。外国人の子どもたちが、日本の学校になじみ、日本社会に羽ばたいて行けるような、モデル的な保育所になることを目指している。
保育所は「茨城NPOセンター・コモンズ」が運営する認可外保育所。日本人と同じ保育園に通ってもなじめず、日本語の上達が遅い子どもが少なくない。そこで、子どもの保育とともに、就学準備に力を入れる保育所を作ることにした。「このあたりの在日外国人は工場勤めが忙しく、日本語と接する機会がほとんどない人が多い。日本語や生活のルールをきちんと教え、学校生活や授業についていけるようにしたい」と言う。
※常総市の人口は6万人余りと丸亀市より少ないが、在留外国人数は4,800人余と丸亀市の2倍以上。食品工場などで働く日系ブラジル人などが多いという。20年前に「茨城NPOセンター・コモンズ」は発足。当初はNPO法人の設立支援などをしていたが、リーマン・ショックを機に派遣切りにあった日系ブラジル人の再就職支援などを開始。外国人も高齢者も障害がある人も、みんなが気軽に集まれる交流拠点にしたいという。
※香川県内にも「茨城NPOセンター・コモンズ」のようなNPO法人が望まれる。外国人住民だけではなく、高齢者や障害がある人などが気軽に集まれる交流拠点を目指す方向性は、将来の地域づくりへの視点として重要であると思うのだが。
◆途上国に技能広めるはずが… 形骸化する実習制度 朝日デジタル6.20
外国人技能実習制度の不正行為が三菱自動車と日産自動車で。発覚した。日本の技能を途上国に広める「国際貢献」を掲げる制度なのに、両社は一部の実習生を技能が学べる現場に充てていなかった。国は新法で制度の厳格運用に乗り出したばかりだが、現場で制度が形骸化している実情が改めて浮き彫りになっている。
技能実習生に違法残業など、4,226事業場で法令違反
 両社にフィリピン人実習生を紹介していたのは「協同組合フレンドニッポン」(FN、本部・広島市)。技能実習制度上、国の許可を受けた非営利の「監理団体」で、実習先の紹介や実習状況の監査を担っている。FNは全国に2千以上ある監理団体の中では大手にあたる。
昨年11月施行の技能実習適正化法は、技能実習について「労働力の需給の調整の手段として行われてはならない」と定める。適正化法では、監理団体による監査が重視されている。今回の不正について三菱自も日産も「今年に入るまで監理団体から指摘を受けたことがない」という。監理団体は受け入れ企業から実習生一人あたり月額数万円の「監理費」を受け取るため、関係者は「受け入れ企業は(監理団体)のお客さん。厳しいことは言いにくい」と明かす。
編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
外国人移民抑止に対する米国大統領の政策が最高裁で認められたり、EU各国の難民受け入れ政策には差があり、先が見えない。異国での生活に一縷の希望をもつ人々に世界は人間として迎える構えがあるとは到底思えない。日本の難民施策も2万人の申請に20人の認定と厳しい。
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メルマガ 第59号 2018.6.16

通算第59号(2018年6月16日発行)毎月随時発行予定(記事、論文引用:太文字) 
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【1】 今号のトピック
◆「ふれあいまつり城乾」でのテント出店          
去る6月3日(日)、当ひろばの活動場所である丸亀市城乾コミュニティセンターとその西にある丸亀市立城乾小学校に挟まれた市道エリアが1日限りの歩行者天国になった。当ひろばは市立西幼稚園の正門近くのテント。テント内では、①にほんごビンゴクイズ ②JICA四国の出前講座「ガチャポンで国際理解」③外国人住民とのおしゃべり・相談コーナーが行われた。①と②では、主に小学生の子どもたちとその保護者約50組が参加し、日本語のビンゴの完成へのお菓子と国際理解クイズの正解者のガチャガチャのプレゼントで大喜びであった。
③外国人住民とのおしゃべり・相談コーナーには、ペルーの若者、中国から小学生を最近呼び寄せた母親、労災事故の手術を予定しているペルー人、夫がガンの手術を受けるペルー人主婦、息子の国際免許がおりないで困っているペルー人などが訪れ、3人の行政書士が対応に当たった。
1.書類にしろ、看板にしろ、少しでも多くのスペイン語表記をしてほしい。
仕事を探しているが、その仕事の探し方が分からない。ハローワークという所は何をする所なのか。その場所は?
2.3月中旬に来日した中国籍の小学5年生の娘は、学校で中国語の話せる先生がいないので、重要なところが分からず困っている。できれば、中国語の話せる先生を配置してほしい。
学校では、視覚によるものは理解できるが、聞き取りではスピードが速いので付いて行けない。何か対応策を考えてほしい。
日本語の授業は1日3コマであるが、時間的にもう少し配慮してほしい。
来日してまだ日が浅いが、先のことが不安である。中学校に上がるまでに日本語も上達したいし、何よりも授業に付いていきたい。今のままでは、ストレスがたまる一方である。何とかしてほしい。
学校に相談する場合、担任の先生にだけ相談すればよいのか、他にも関わっている先生方にも相談した方がよいのか。
3.現在は健康保険の任意継続であるため、傷病手当金の支給申請ができない。8月に手術を受け傷病手当金を申請したいので、社会保険に加入したい。そのための手続きの流れや手続きの仕方を教えてほしい。
4. 夫がガンの手術を受けなければならないが、私がパートなので収入の面で不安が大きい。高額療養費の制度を利用したいが、どのようにすればよいのか。 
以前、市役所に問い合わせに行ったが、市役所の人から「他にもパートで働きなさい。」と言われた。収入に何か要件でもあるのだろうか。
5.永住権の場合、期間更新を1年間放っておいたらどうなるのか。
6. ペルー人であるが、パスポートの更新は、名古屋のペルー大使館まで行かなければならないので不便である。何とかならないのか。
7. 飲酒運転で罰金刑を受けた者がいる。この場合、次の期間更新の時に許可が下りるのか。本人はすぐに帰国したが、再入国は可能なのか。
再入国が可能であれば、次に日本に来る場合は何年後であれば認められるのか。
8. 国際免許を持っているので、高松の免許センターに切り替えに行ったが、認められなかった。おかしいのではないのか。
9. 技能実習生は、何年日本に居ることが可能になったのか。
10. 外国人の家族滞在できる場合の在留資格の範囲が狭い。もっと家族滞在できる在留資格の間口を広げてほしい。
※どれも、切実な問題ばかり。いろんな機関を通じて、解決につなげればと思っている。
【2】論文・新聞記事・行政機関の記者発表記事・その他情報
◆医療費未払いの訪日観光客、再入国拒否へ…政府 2018年6月13日 朝日新聞
 訪日した外国人観光客が医療費を支払わずに出国するケースが相次いでいる問題で、政府は、医療費の未払いを繰り返す恐れのある訪日客の再入国を拒否する方針を固めた。2020年度から本格実施したい考えだ。増え続ける訪日客の医療体制を整備する政府の総合対策の柱として、14日に発表する。
 厚生労働省の調査(16年)によると、訪日客など外国人患者を受け入れたことのある医療機関の35%が、過去1年間に未払いを経験。未払いなどをリスクと考える医療機関も64%に上り、政府は3月から総合対策を検討していた。
 再入国拒否は、日本にとって好ましくない外国人の入国を認めない出入国管理法の規定に基づく措置。厚労省は、全国の医療機関から未払い歴のある訪日客の情報を集め、法務省に通報する。法務省は入国審査にそうした情報を反映させる。
◆今、外国人住民が置かれている問題(在留期間更新 編)
定住者資格のパキスタン人から相談があった。マレーシア国籍の妻(日系3世)が在留期間中、交通事故を起こし、通行人に入院する怪我をさせ、罰金刑を科せられた。その後、在留資格の更新のため、入国管理局に申請したところ、不許可になったため、かがわ外国人サポートセンター
に相談した。入管は文書で「定住者の在留資格について、法務大臣が告示で定めた地位を有していると認めず、また他に本邦への居住を認めるに足りる特別の理由も認められません。」とした。
この法務大臣の告示には、四号に「日本人の子として出征した者でかつて日本国民として本邦に本籍を有したことがあるもの者の実子であって素行が善良であるもの」とある。刑事罰の罰金を科せられたことが理由と思われる。これが、道路交通法の行政罰である過料であればたぶん不許可にはならなかっただろう。弁護士にも相談したが、日本で3年の居住と短く、また養育すべき未成年がいるなど日本で生活しなければならない確かな理由が見つからないのであれば、帰国を受け入れ、数年経って再入国の申請をしたほうがいいという。
※もし、交通事故当時、相談できる日本人などが周囲におり、弁護士による被害者との和解などの手続きができていれば、刑事罰ではなく、行政罰で済んでいたのでないか。残念である。
【3】編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
昨年に続き、「ふれあいまつり城乾」テント内で外国人住民とのおしゃべり・相談コーナーを
 設けた。6家族が訪れてくれた。これを受け、7月には、もっと多くの外国人住民を呼んで、
 生活相談会を行いたいと思っている。興味ある方はご連絡ください。
 また、ひろばに賛助会費としてこれまで5名の方からの入金があった。この場を借りて感謝
申し上げたい。皆さんのご協力のもと、ひろば活動、メルマガ活動を続けていきたいと思って
いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
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▼「まるがめにほんごひろば」の学習サポーターの申し出及びメールマガジンの配信を希望され
る方は、随時申込を受け付けていますので、お気軽にご連絡ください!
■編集・発行 香川まるがめ子どもにほんごひろば事務局 文責:安藤 
〒761-2408 丸亀市綾歌町富熊5034-14 TEL:080-3921-9414 FAX:0877-86-6328
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香川まるがめ子どもにほんごひろば URL:http://marugame-kodomo-nihongo.net

メルマガ 第58号 2018.5.31

「まるがめ子どもにほんごひろば」             
~外国にルーツをもつ子どもたちとその保護者の学習支援、外国人住民とのつながりに向けて~ 
通算第58号(2018年5月31日発行)毎月1回月末及び随時発行 
URL:http://marugame-kodomo-nihongo.net/閲覧可 
【1】今号のトピック
◆丸亀お城村テント出店報告
 ご来場の皆さん、ご支援、ご協力いただいた皆さん、ありがとうございました。お陰様で、5月3日、4日の2日間、丸亀市立資料館前の芝生広場内で、ペルー、フィリピンの住民と協力して、両国の料理(アンティクーチョ、マハ)を(セット300円)で販売することができました。
テントには、日本人市民はもちろん、丸亀市在住のペルー人、フィリピン人、中国人など多数お立ち寄りくださり、料理を介し、交流することができました。販売個数は500個に少し足りませんでしたが、なんとか黒字を確保できました。反省会では、料理の材料費に経費がかかりすぎており、料理内容の変更を検討すべきことや外国人住民と交流するための広報や内容での工夫など来年度にむけての課題も多く出ました。今後、じっくり検討していきたいです。
◆ふれあいまつり城乾にテント出店
昨年に引き続き、6月3日(日)に開催されるコミュニティセンターまつり「ふれあいまつり城乾」にテント出店します。テント内では、①日本語ビンゴクイズ ②JICA出前講座(ガチャガチャで国際理解)③外国人住民とおしゃべり の3つのコーナーで出店します。皆さん、ぜひお越しください。出店は、10:15~14:30です。③では、「halqa-はるか」の協力を得て、フェアトレードコーヒーの無料提供を行います。
【2】書籍・論文紹介・新聞記事・行政機関の記者発表記事・その他情報
◆外国人の介護実習生 初の受け入れ 6月にも中国の2人(朝日新聞5/13)
外国人技能実習制度に昨年11月に追加された介護職種で、監督機関「外国人技能実習機構」が初めて実習生の受け入れを認定した。第1号は中国人女性2人で、手続きが順調に進めば6月にも入国する見通しだ。日本の多くの介護施設は人手不足にあえいでおり、今後、中国や東南アジア各国からの介護実習生の受け入れが加速しそうだ。認定は5月1日付。受け入れ窓口の監理団体で1カ月間の研修を受けた後、宮崎県延岡市の「メープルウェルフェアーサービス」が運営するグループホームと、介護付き有料老人ホームで働く。現制度では来日後1年以内に、日本語能力試験N3(日常的な場面で使われる日本語をある程度理解できるレベル)に受かれば、最長5年働ける。不合格なら帰国となる。
◆こども食堂「秋寅にじいろ食堂」開設 中讃テレビニュース2018.4.20放送より抜粋○以前このメルマガで紹介したが、子どもの貧困対策として、「家でも学校でもない第三の居場所」を日本財団がベネッセと協力して、全国に100拠点の整備を目指すプロジェクトに丸亀市も手をあげ、昨年度に認められた。その後の経過が気になっていたが、4月に中讃テレビで放送された。
丸亀市の通町商店街にある、まちの駅「秋寅(あきとら)の館」に4月18日、秋寅にじいろ食堂がオープンし、たくさんの子ども達が集まりました。地域づくりをテーマにボランティア活動を行っているグループ丸亀まちづくりとーくの会が子ども達が安心して遊ぶことができる場所が少ないのではないかと考え、他のボランティアにも協力を呼びかけ、秋寅にじいろ食堂運営委員会を立ち上げました。秋寅にじいろ食堂は、毎月第3水曜日の午後4時にオープンし、食事までの時間は、宿題をしたり、友達と一緒に遊んだり自由に過ごすことができます。ボランティアの中には、元々、学校の先生をしていた人もいて、勉強で分からない事を聞くこともできます。食事の準備もボランティアの人達が行っていて、子ども達が好きなものなどを聞いてメニューも考えています。調理はボランティアの人達が行っていますが、料理や食器を運ぶのは集まった子ども達が率先して行っていました親子でも子どもだけでも参加可能ですが、事前の予約が必要です。
お問合せ、お申し込みは、秋寅にじいろ食堂事務局 電話070-5355-9856です。
○丸亀市 こども食堂を開設し、運営を行う団体への補助制度:①対象事業 月1回以上開催、1回2時間以上実施、1回10食以上提供 ②補助金額 20万円又は補助対象経費の2分の1のいずれか低い方の額(通算3年交付)
◆外国人就労、拡大に方針転換 新資格の創設着手 政府、骨太に明記
 外国人観光客の急増により、地方の旅館やホテルを中心に人手不足が深刻化している宿泊業も技能実習の対象に追加する方針。今年3月時点で、留学生のアルバイトなど約3万8千人が働いているが、30年までにさらに8万5千人を確保したい考えだ。また、大学や専門学校を卒業した留学生が就労できる分野の拡大や、在留資格手続きの簡素化なども検討している。外国人が増加することで、地域での孤立やトラブルも予想される。政府は、外国人の仕事や生活が充実するよう、相談体制強化や日本人との交流促進などにも力を入れる。=2018/05/20付 西日本新聞朝刊
◆海を渡って日本に治療を受けに来る「タダ乗り患者」が増殖中 「週刊現代」外国人による国民皆保険の「不当利用問題」キャンペーン
○国保加入の在留期間要件が2012年に1年以上から3ヵ月に短縮された。国保の場合、住民登録をして保険料を支払えば、国籍は関係なく、だれでも健康保険証をもらえる。来日してすぐの留学生が保険証を持って病院を訪れ、しかも高額な医療を受けるケースがある。たとえ70歳や80歳の「ニセ留学生」でも保険証さえあれば、日本人と同じ値段で医療サービスを受けられるのだ。○「経営・管理ビザ」で入国する方法もある。これは日本で事業を行う際に発行されるビザで、3ヵ月以上在留すれば国保に入ることができる。この経営・管理ビザを取得するには、資本金500万円以上の会社を設立しなければならない。ただし、この500万円を一時的に借りて「見せガネ」として用意すれば、ビザ申請のためのペーパーカンパニーを立ち上げてくれるブローカーが存在する。さらにそういったブローカーとグルになって手引きする日本の行政書士もいるという。
○外国人が日本の公的医療保険を簡単に利用できる方法がある。本国にいる親族を「扶養」にすればいいのだ。日本の企業に就職すれば、国籍関係なく社保に入ることが義務付けられている。外国人であっても家族を扶養扱いにすることができる。たとえば子供が日本企業で働いていた場合、本国の両親や祖父母を扶養とすると、この両親や祖父母は日本の保険証がもらえる。もし親族ががんになったとすれば、「特定活動ビザ」などを利用し、日本に呼び寄せ、日本の病院で治療を受けさせる。高額療養費制度も使える。さらに本国に戻ってから治療を継続した場合、かかった医療費を日本の国民健康保険が一部負担してくれる「海外療養費支給制度」まである。ほかにも「出生育児一時金」として42万円が受け取れる。これは海外で出産した場合も問題ない。
【3】編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
上記の週刊現代の記事は、どれだけの実例のケースをもって書かれているのか。このような悪質な利用がないとは断定できないが。外国に住む親族を簡単に「扶養」認定できるとは思えない。わずかな実例をもとに掲載しているのであれば、大きな問題である。ことさら、外国人への嫌悪感情を植え付けるための悪意のあるキャンペーンであるとしか言えない。
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メルマガ 第57号 H30.5.1

まるがめ子どもにほんごひろば メルマガ

通算第57号(2018年5月1日発行)毎月1回及び随時発行予定(記事、論文引用:太文字)  
バックナンバーはURL:http://marugame-kodomo-nihongo.net/merumaga.html で閲覧できます。 
【1】 今号のトピック
◆4月14日(土)開催の平成30年度ひろば総会の概要をご報告します。
H27~H29の3年間の(公財)香川県国際交流協会のひろば事業の業務委託が終了し、今年度から、当ひろば独自の事業として開始します。引き続き、ご協力、ご支援よろしくお願いします。
○ひろばの役員を一新:会長は堤さんに、副会長は三好さん、西山さんに、事務局長に安藤が選ばれました。
○実績については、前回のメルマガで報告済みである。
(実施内容)
○宿題支援(計算ドリル・漢字ドリル・国語の問題・理科、社会の問題など)○自分のしたい学習の支援(理科図鑑、漢字などの絵カード、絵本など)○集団での活動(ひらがなクロスワード、しりとり、文のつなぎ言葉、数の数え方、自動詞・他動詞、動物の鳴き声、日本の行事、トランプ、など)
(感想)・子どもたちは、幼稚園園児から小・中学生までおり、それだけ、支援するボランティアも個々に対応を求められることになり、難しいと言える。・主に学校の宿題支援に時間をさいているが、日本語の語彙を増やしたり、日本の文化に親しんだり、仲間との協調性を養ったり、居場所としての役割も考えたい。
○H29決算報告(単位:円)
(収入)・委託料200,000・会費31,000・寄付・その他収入7,000・繰越金22,940計260,940(支出)・参加協力金70,700・賃借料84,250・消耗品費31,620・通信運搬費4,844・印刷製本費10,115・研修費20,867計222,396(次年度繰越額)38,544
◆論文・新聞記事・行政機関の記者発表記事・その他情報
○都道府県立高校(市立高校の一部を含む) 外国人生徒・ 中国帰国生徒等に対する都道府県立
高校 2018年高校入試 の概要(外国人生徒・中国帰国生徒等の高校入試を応援する有志の会資料)・当ひろばも、2018年の香川県立高校入試の調査を依頼された。
・調査対象:62地域(47都道府県、市立高校の15市).全日制高校と定時制高校のそ れぞれについて、「外国人生徒」と「中国帰国生徒等」を区分して「入試特別措置」 と「特別入学枠」の状況を把握。
入試特別措置: 一般入試を一般の生徒とともに受験する際に受けられる何らかの措置。この概要(例:時間延長、漢字にルビ、辞書の持ち込み、小論文における翻訳、 問題用紙の拡大コピー、別室受験、注意事項の母語表記、教科減等)
特別入学枠: 特定の高校に、外国人生徒や中国等帰国生徒を対象とした入学枠があり、特別な試験を受けられる場合の枠。(例:日本における在住期間が6年以内の場合、県内のすべての県立高校に枠があり、学力検査は作文と面接のみを実施している等)
○地域別の「入試特別措置」と「特別入学枠」の状況(全日制高校と定時制高校)について
・神奈川県、山梨県、福岡県、福岡市、長崎県、鹿児島県の6地域はすべて該当
・さいたま市、石川県、井原市、高知県の4地域はすべて非該当
・全日制高校のみがすべて該当の地域が、東京都、横浜市、大阪府の3地域。一方で、全日制高校のみがすべて非該当の地域が、札幌市と 名古屋市の2地域。定時制高校のみがすべて非該当の地域が、福島県、埼玉県、福井県、岐阜県、静岡県、奈良県、岡山県、広島県、広島市の9地域。
 ※上記地域以外の地域が38地域。この地域の内容は、外国人生徒と中国帰国生徒の対応に差がある地域や入試特別措置はあるが特別入学枠がない地域、逆に入試特別措置はないが特別入学枠がある地域、入試特別措置または特別入学枠があるが上記の定義に該当しない規定のある地域などさまざまである。高知県を除く四国3県をみると、徳島県が一番進んでおり、入試特別措置はある(時間延長、漢字にルビ、辞書持ち込みなど、具体的な措置は各校と教育委員会が協議をして決定する。)が特別入学枠がなく、次に愛媛県は入試特別措置(内容は定めていないが、その都度関係機関と協議して対応を決めている)と特別入学枠(海外帰国生徒が一定の要件を満たせば、募集定員を超えて入学を許可する場合がある)があるが上記の定義に該当しない独自の規定のある地域で、香川県は入試特別措置がある(入学者選抜実施細目において「帰国生徒等の選抜にあたっては、海外経験を十分考慮するとともに、その事情により一定の配慮をすることができるものとする」と定めており、日本語能力に配慮して面接を行っているが、学力検査での時間延長や科目減などは行っていない。)が上記の定義に該当しない独自規定のある地域.
http://www.kikokusha-center.or.jp/shien_joho/shingaku/kokonyushi/kokonyushi_top.htm
◆外国人、技能実習後も5年就労可能に 本格拡大にカジ 日経新聞(H30.4.12)
政府は2019年4月にも外国人労働者向けに新たな在留資格をつくる。最長5年間の技能実習を修了した外国人に、さらに最長で5年間、就労できる資格を与える。試験に合格すれば、家族を招いたり、より長く国内で働いたりできる資格に移行できる。5年間が過ぎれば帰国してしまう人材を就労資格で残し、人手不足に対処する。外国人労働の本格拡大にカジを切る。
 政府は単純労働者の受け入れを原則、認めていない。
一方で働きながら技能を身につける技能実習の範囲拡大や期間延長で事実上、単純労働者の受け皿をつくってきた。幅広く就労の在留資格を与える制度の導入は大きな政策の転換点になる。
政府は今秋の臨時国会にも入国管理法改正案を提出し、来年4月にも新制度を始める方針だ。新設する資格は「特定技能(仮称)」。17年10月末で25万人いる技能実習生に、さらに最長5年間、就労の道を開く。技能実習は農業や介護などが対象。新設する資格とあわせれば、通算で最長10年間、国内で働き続けることができる。新資格で就労すれば技能実習より待遇がよくなるため、技能実習から移行を希望する外国人は多いとみられる。政府は少なくとも年間数万人は外国人労働者が増えるとみている。農業、介護、建設など人手不足の業界を対象にする。新資格の保有者は、より専門性が高い在留資格に変更できるようにする。専門技能を問う試験に合格すれば、海外の家族の受け入れや、在留期間の更新ができる既存の資格に切り替えられる。
【3】編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ひろばに参加する新1年生、新2年生などの子どもたちを目の当たりにすると、新しい年度に入ったことを実感するとともに、私たちサポーターも身を引き締め、子どもたちの支援を頑張ろうとこころ新たな気持ちになる。いよいよ5月3日、4日には丸亀お城村テントの出店である。昨年は2日で400食完売したものの、収支はトントンであったことから、今年は、600食に増やし、収益を少しでも参加してくれた外国人住民に還元できないかと考えているのだが。
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■編集・発行 香川まるがめ子どもにほんごひろば事務局 文責:安藤 
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