メルマガ 第53号(H30.1.8)

「まるがめ子どもにほんごひろば」             
~外国にルーツをもつ子どもたちとその保護者の学習支援、外国人住民とのつながり に向けて~ 
通算第53号(2018年1月 8日発行)
毎月1回月末及び随時発行 
URL:http://marugame-kodomo-nihongo.net/閲覧可  
◆今年最後のひろばは、今年最大の参加人数に
12月23日(土・祝)がひろばの会場である城乾コミセンの休館日のため、16日(土)が今年最後のひろばとなった。このため、毎年、クリスマス直前のひろばでの恒例のプレクリスマス会は、今年は一週間前の開催となった。今年最後のひろば、子どもたちの参加が気かがりであったが、結果は、子どもの参加が過去最大の12名(幼児3名、小学生8名、中学生1名)、保護者も4名、特別参加者が3名、サポーターが9名(うち四国学院大生1名)、アイパルから2名の総勢30名となった。10時から1時間は宿題などの学習支援、11時からはプレクリスマス会。まずは定番のクリスマスソング(ジングルベル、赤鼻のトナカイ)を田辺サポーターのエレクトーン演奏で全員で合唱。次に子どもたちの発表タイム(私の希望又はやりたいことなどをカードに書き、各自発表)さらにビンゴゲーム(賞品付)、最期は特別ゲストの吉川さんによるお話で大いに盛り上がった。
◆外国とつながる子どもたちの保護者との話し合い報告
以前から、子どもたちが進んでひろばに来てもらうためには、親などの保護者が自分の子どもの日本での教育や勉強のことををどう考え、今後、子どもの将来をどのように希望しているのかなどを我々サポーターも少しでも知り、保護者と話し合い、子どもへの働きかけを行うことが必要だと我々は考えてきた。参加した保護者:12名(フィリピン10名、ペルー2名)サポーター3名、アイパル関係者2名 ゲスト1名 計18名
○スペイン語、タガログ語、ビサヤ語を通訳できる方の参加があったものの、参加した保護者から、具体的な話はあまりなかった。しかし、多くの保護者が集まったことは、子どもの学校のこと、教育のこと、勉強のことへの関心の高さを物語っている。あまり議論できなかった理由は、日本人とこのような話し合う場に出席したことが少なく、意見を言うことに慣れていないこともあると思われる。サポーター側からは、子どもの学校や勉強についての話に耳を傾け、子どもと話し合うことが必要であること、地域には子どもたちを支援するグループがあるので、そこに参加させてほしいこと、何でも相談できる日本人の友達を作って欲しいことなどを話した。最後に、このような話し合いの場を今後も設けたいことを話した。
◆「外国人児童生徒のためのJSL対話型アセスメントDLA」使い方研修会に参加(12月23日(土)10~16 於:アイパル)
「JSL対話型アセスメントDLA」については、以前このメルマガでも紹介したことがあったが、具体的な使い方については実際よくわからなかったように思う。そこで、少しは理解したいと思い、今回、DLAの開発者の一人である東京外国語大学の伊東教授の研修会に参加した。外国籍等の児童生徒が増加する中、日本語指導を行う学校の担当教員は、その子どもの日本語能力の評価判定に困っているという実情がある。①会話力はあっても、学習言語がどの程度身についているかわからない。②観察からの評価のみで基準がなく不安である。③日本語指導の目標や到達レベル、指導終了の目安がなく、指導に苦慮している。④日本語能力の判定の仕方がわからない。こんな現場からの声を受けて、DLAの開発につながった。日本語能力の評価ツールであるDLAは、対話型を基本とし、指導者と子どもたちが一対一で向き合うことで日ごろの学習成果と支援する必要な学習内容を知るうえで必要な情報を得られる構成となっている。(紙面の関係で次号に続く。)http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/clarinet/003/1345413.htm
◆今、外国人住民が置かれている現実(国籍編)
最初に我が国の国籍差別の歴史を述べる。まず、関東大震災での朝鮮人虐殺がある。これを受けてか、いわゆるポツダム勅令によって厚生年金法が改正され、厚生年金保険の被保険者資格の国籍差別が撤廃。しかし、対日平和条約発効を機に一片の通達によって旧植民地出身者は日本国籍を失った。同じ状況にあったドイツとオーストリアでは国籍問題規制法を制定し、在独オーストリア人の国籍選択権が保障されたのとは大きな差だ。続いて戦傷病者戦没者遺族等援護法、国民年金法、児童手当3法での国籍差別条項の登場。しかし、ベトナム難民受け入れを機に日本はさまざまな人権条約を批准した結果、公営住宅の外国人開放、国民年金法、児童手当3法の国籍条項の削除、日本の国籍法が父母両系に改正(その際日本人母の20歳未満の外国籍の子は届出により日本国籍を取得できるとの特例が設けられた。蓮舫議員の二重国籍はこの特例の結果であった。)などが行われた。国籍の父母両系への移行によって重国籍が増え、国籍は同じでも「出自による差別」が起こるようになった。(Migrants Network195号8,9Pより抜粋)
次に国際結婚家族の国勢をめぐる問題 1985年に父母両系の国籍法が成立し、母親が日本人である子どもは日本国籍を得たが、これによって重国籍が増えることを問題とした政府は、国籍の選択制度を新設した。子どもたちは父と母からそれぞれ異なった国籍や文化、歴史を受け継ぎ、両方から影響を受け、自らの人格を形成しながら成長するが、22歳になるまでに国籍を選択しなければならないこの制度は、子どもに父母の一方を選ばせるに等しく、多大な負担と苦痛を与える。また、一方、日本国籍を選択した場合、外国国籍離脱に努めなければならないという規定は、努力義務にすぎず、国籍離脱ができない国がある中、複数の国籍を持つ日本人はこの一方的な押し付け義務規定に不安を駆り立てられる。国籍を二つ持つということは、二つの国の権利と自由を同時に行使することではなく、日本でいるときは他の日本人と変わらず、一方の国籍は潜在的にあるだけで、それを使うことは大使館、領事館以外にない。そしてもう一方の国に帰るとその国の国民になるわけで、日本人という法的地位には意味がない。国家と個人の絆である国籍に関わる制限の壁を低くして、「国民」の範疇を多言語化する試みが外国人の参政権や公務員の国勢条項撤廃である。「国民の範囲」を国籍に限定する国家主義から国内的には「住民」としての結びつきを重視する「住民主義」への移行を検討するために、「国籍」を相対化し、社会構成員の「国民化」の意味を問い直してみる必要があるだろう。複数国籍取得の可能性もそれらの一つだろうか。     (Migrants Network195号18,19Pより抜粋)(次号に続く)
◆技能実習の職種にコンビニ運営業務を 業界が申請
業界の人手不足を解消するのが本音であろうが、さらなる労働搾取につながらないことを祈る。
【3】編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
明けましておめでとうございます。メルマガ配信が大変遅れ、申し訳ありません。昨年末の保護者懇談会、クリスマス会を契機に、保護者とのつながりの必要性を感じています。今年はつながりをより意識したひろば運営を心掛けたいと思っています。ひろばも今年7月で6年が経過しま
す。今後とも、応援よろしくお願いします。
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