まるがめ子どもにんごひろば
~外国にルーツをもつ子どもたちとその保護者
学習支援、外国人住民とのつながりに向けて~
通算第49号(2017年8月31日発行)
毎月1回月末及び随時発行
URL:http://marugame-kodomo-nihongo.net/
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【1】今号のトピック
◆まるがめ子どもにほんごひろば100回開講の歩み
平成24年7月24日(土)に初めて開講して以来、平成29年8月19日(土)で記念すべき100回の開講となった。ひろばの歩みを簡単に紹介すると
○平成23年7月から10月に掛けて、アイパル香川主催の「外国にルーツをもつ子どもたちの学習サポーター養成講座」が丸亀市生涯学習センター5階視聴覚教室で開催され、3日間で延べ107名が参加した。これを受け、参加者に子どもたちへの学習支援活動への参加意思を聞くアンケート調査を実施したところ、20数名の参加を確認し、翌年度から丸亀市内での活動を実施した。
○(平成24年度~平成26年度の3カ年)夏休み(4日間)・冬休み(2日間)・春休み(4日間)期間中での開催 延べ参加児童数231名、延べ参加サポーター数345名
○アイパル香川委託業務 平成27年度第1・第3土曜日開講(夏休み(4日間)・冬休み(2日間)・春休み(4日間)期間中の追加開催) 延べ参加児童数111名、延べ参加サポーター数134名
○アイパル香川委託業務 平成28年度第2・第4土曜日開講(夏休み(4日間)・冬休み(2日間)・春休み(4日間)期間中の追加開催) 延べ参加児童数137名、延べ参加サポーター数168名
○アイパル香川委託業務 平成29年度毎週土曜日開講 延べ参加児童数61名、延べ参加サポーター数88名
計 開講数 100回 延べ参加児童数540名、延べ参加サポーター数735名
●1回平均参加児童数:5.4名、1回平均参加サポーター数:7.3名となった。なんとかマンツーマンでの学習支援はできた。サポーターの皆さんにはこれまでの労に感謝したい。ありがとう。
※県内15か所ある地域日本語教室の中で、活動歴は5年と短く、100回程度でなんの記念かというご意見もあろうが、県内で子ども対象の教室は当ひろばのみであり、四国の他3県でも私の知るかぎりなく、当ひろばの存在意義はあると考える。外国にルーツをもつ子どもたちの教育は、学校現場が担うものであり、私たちボランティア活動はそれを補完するものでなく、また、その実力もないが、日本のこのような子どもたちへの教育が十分に行えていない現状は看過すべきでなく、国や地元の市町教育委員会に支援策の充実を要望するとともに、私たちは私たちでできる
ことをしっかりやっていくこと、学校でもない、家庭でもない、子どもたちの第3の居場所になるよう、しっかり寄り添っていこうと、100回記念に当たり、会員ボランティアと話し合った。
○ペルーから中学1年生で丸亀市立東中学校に入学した青年(33歳)との懇談会開催
100回を記念して、日本語が全く話せない中学生として来日し、現在坂出市で勤務するペルー人青年から当時の子どもとしての心境などを聞いた。
・丸亀市立東中学校には、入学当時、外国人は、私の他に日本生まれのペルー人2名が在籍。半年間くらい日本語の50音、ひらがなを中心に学んだ。その後ブラジル人1名が在籍し、担当教員が付くことになり、彼と一緒に私も学んだ。ペルーの教育は厳しく、進級できない者もいる。それに比べれば日本の学校は楽であり、学校生活も楽しいことが多かった。(外国人児童への生活指導は自由放任か。)何事も前向きに考える性格だった彼は、日本の生活にもほとんど違和感なく慣れることができ、学校で孤独に感じることもなかったと当時を振り返り話す。中学校に日本語ゼロで入学と聞いて、戸惑いや不安から日本の学校生活に馴染めず、授業についていくことができにくい子どもが多いと聞いていたが、彼の場合は少し例外であるかも知れないと思った。中学卒業後は、丸亀技術訓練学校の機械科に1年間通い、旋盤の技術を取得し、造船関連会社に就職した。日本人と結婚し、現在小学校に通う2人の子どもがいる。ペルーに子どもを連れて行き、ペルーの文化を理解してほしいと思っているが、兄は日本語とスペイン語のバイリンガルの父親に憧れているが、弟はあまり興味を示さないという。今後は、妻から日本文化を、父親からペルー文化を学び、両国の文化を理解する人間に成長してほしいと願っている。
◆スペイン語での運転免許学科試験の受験についての要望
去る6月24日、四国行政評価支局が主催する「外国人との行政相談懇談会」が丸亀市城乾コミュニティセンターで開催され、席上、参加したペルー人の多くから、スペイン語での運転免許学科試験の受験についての要望があったことから、以下の趣旨の要望書を作成し、多くのペルー人、日本人からの署名を添え、県公安委員会、県運転免許センターに以下要望する予定である。
「近年、日本に在留する外国人の滞在期間の増加に伴い、日本で運転免許証の取得を希望する外国人も年々増えています。
公共交通機関の整備が十分にでない本県では、自動車は職場への通勤、買い物など生活の足であり、外国人にとっても自動車免許の取得は不可欠であります。しかし、日本語の習得が十分でない外国人住民にとって、日本語による学科試験合格は非常に高いハードルとなっており、多くの外国人住民が免許を取得できずにいます。
香川県においては、昨年末、在留外国人数は1万人を超える状況にあり、そのうち、永住者、日本人の配偶者等、定住者などいわゆる定住外国人数を国籍別でみると(韓国、朝鮮籍は日本語能力が高い人が多いと聞くので除く。)、中国、フィリピン、ペルーの順となっております。
さて、香川県運転免許センターにおける外国語での学科試験では、これまで英語での受験が可能でしたが、今年度から中国語での受験が可能になったと聞いており、県内に住む中国人にとって朗報であり、この決定を高く評価いたします。
しかしながら、上記のように、香川県内で、運転免許を希望する定住外国人数は、中国人、フィリピン人、ペルー人の順で多いので、中国語、英語に加えて、スペイン語で学科試験が受験できるとならば、県内の大多数の定住外国人が運転免許を取得できる環境が本県において整うことになり、全国的に高く評価できるものと考えます。
スペイン語が母語であるペルー人は、日系人も多く、主に造船関連会社を中心に雇用されております。県内でおよそ400人余が在留し、その約7割が丸亀市で暮らしております。スペイン語で運転免許学科試験の受験ができることは、県内に在住する多くのペルー人が念願するところであり、どうか、この実現につき、ご高配賜りますよう、署名を添え、強く要望するものです。」
(この趣旨に賛同される読者は、メールください。署名文をお送りします。)
◆ひろばのちらしをリニューアル
これまで、ワンパターンのひろばチラシであったので、もっと見やすい、もっと親しみの持てるものにすることを狙いにリニューアルすることになった。会員の田辺さんから原案をいただいた。これを子どもたちが見て、学校とは違った学びの場を少しでも感じてもらえれば嬉しい。
【3】編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ひろば100回開講。よく数えたねとある会員から言われた。たった100回、されど100回。小さな歩みであるが、これからも積み重ねていきたい。
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