まるがめ子どもにんごひろば
~外国にルーツをもつ子どもたちとその保護者
の学習支援、外国人住民とのつながりに向けて~
通算第47号(2017年7月3日発行)
毎月1回月末及び随時発行
URL:http://marugame-kodomo-nihongo.net/
で閲覧可 本文中引用文は太字記載
【1】 今号のトピック
◆今、外国人住民の置かれている問題(多文化共生編)
・外国人住民との行政相談懇談会から見える問題
6月24日(土)14:00~16:00 ひろばの会場と同じ丸亀市立城乾コミュニティセンターで、丸亀市在住の外国人住民が日ごろ行政に対し思っていることを話し合う行政相談懇談会が開かれた。
主催:四国行政評価支局
参加者:ペルー 9名(男性5名、女性4名)フィリピン 1名(女性)計10名
スペイン語通訳:1名 行政相談委員:5名 香川まるがめ子どもにほんごひろばサポーター:2名 四国行政評価支局職員:3名 合計21名
(意見内容)
○ペルーで取得した運転免許証が偽物と判断され、日本での切り替え手続きができなかった。このことに納得できず、他県で手続きをしたら、切り替えができた。どうして香川県ではできなかったのか、教えてほしい。
○スペイン語で運転免許証を取得できる環境を整備してほしい。香川県では英語だけである。
○香川県民の運転マナーは悪く、危険でもあり、マナー向上図ってほしい。。
○自動車教習所の教習料金は高額であるため、外国人でも免許を取得しやすいよう安い料金に設定してほしい。。
○行政機関は、日本語の分からない外国人に対して、税金の使途を丁寧に説明してほしい。。
○市役所は、多様な外国語に対応する相談窓口を整備すべきである。神奈川県では、多くの言語の対応ができるよう相談サービスが整っている。
○永住許可申請に当たって、入国管理局から6万円を請求されたが不当ではないか。
○雇用保険料を不当に天引きされており、困っている。
○ペルーに一時帰国している間、知らぬ間に国民年金の保険料を滞納している状況になっていた。事前に納付するよう周知してほしい。。
○行政機関は、正当に在留する外国人に認められている権利について、日本語が分からない外国人に対して積極的に周知してほしい。。
※運転免許に関する意見が多く出された。それだけ、生活上、運転免許は必要であるからだろう。
外国人住民が香川県で運転免許を取得するうえで、困難な状況があるなら、それを改善するよう働きかけが必要だ。免許取得をあきらめ、無免許での運転をする者がいるとしたら問題である。
※行政からの個人向けの通知などをすべて多言語、あるいは在留外国人の多い国の言語だけでも対応することができればいいのだが、全国一律となると相当厳しく、また市町業務だけでもそれらに対応することはコスト面から難しいのが現実であろう。相談窓口業務を充実するよう、市町への働きかけは必要だし、また、外国人住民も信頼できる日本人との交流を通じて、これらの情報を理解する努力も必要ではないかと思う。多文化共生もそんなところから、深まってくるかもしれない。
【2】論文・新聞記事・行政機関の記者発表記事・その他情報
◆子どもの貧困13.9%、12年ぶり改善 (毎日新聞 H29.6.27)
7人に1人と、なお高水準
厚生労働省は27日、2016年の「国民生活基礎調査」を公表した。経済的に厳しい家庭で育つ17歳以下の子どもの割合を示す「子どもの貧困率」(15年時点)は13.9%と前回調査(12年時点)より2.4ポイント低下し12年ぶりに改善した。国民全体の中で生活の苦しい人の割合を示す「相対的貧困率」(15年)は前回より0.5ポイント下がり15.6%だった。子どもの貧困率の改善について、厚労省は「景気が回復し、子育て世帯の雇用や収入が上向いたため」とみている。貧困状態にある子どもは7人に1人となった。経済協力開発機構(OECD)が14年にまとめた加盟国など36カ国の平均は13.3%で、日本はそれをまだ上回る。
ひとり親世帯の貧困率(15年)は50.8%と12年より3.8ポイント低下したものの、依然5割を超えている。暮らし向きは、母子世帯の82.7%が「苦しい」と答え、37.6%の世帯は「貯蓄がない」と回答した。政府はひとり親世帯に支給する児童扶養手当の2人目以降分を昨年8月から増額したが、今回の調査にその効果は反映されていない。
※NHKテレビによれば、ユニセフの最新報告(世界の豊かな41カ国の18歳未満の子どもの状況をまとめた)では、子どもの豊かさに関する総合ランキングでは、ノルウェーが1位。日本は12番目。アジアでは韓国が8番目でトップに。貧困、健康、教育、栄養、格差など10の分野ごとのランキングを発表している。中身を見てみると、栄養、就労は1位(メキシコやトルコでは3人に1人が十分な栄養がとれていない。)、健康が8位、教育が10位と上位にあるが、貧困では23位(社会保障が子どもの貧困にどれだけ役立っているか、その効果が小さい国 ※ある識者は、生活保護や児童手当が限られた効果しかだしていないと分析 対策に充てる財源をねん出する必要を指摘)、格差に至っては32位(収入が中位と下位の世帯の差が大きい国、家庭環境の学力への影響が大きい国)と低位にランクされる結果となっている。国民の格差に対するテロの不安が広がる中、トランプの米国と右派勢力の台頭が話題になったフランスをみると、米国が総合で37位、フランスが19位と共に下位となっている。米国では5人に1人の子どもが十分な栄養をとれておらず、フランスでは、41カ国の中で、最も家庭環境の差が学力に影響している国になっている。
※41カ国中23の国で、ここ数年で収入が中位と下位の世帯の差が大きくなっている。ユニセフでは、子どもへの対策を最優先にするよう、各国に求めている。
◆外国人留学生 最多の2147人に (四国新聞 H29.6.14)
2015年度に日本の高校に3カ月以上留学した外国人は13年度に比べ482人増えて2147人で、比較可能な1992年度以降の調査で最多となったことが13日、文部科学省の国際交流状況調査で分かった。
3カ月以上の外国留学をした日本の高校生は300人増の4197人だった。
調査は86年度から全国の国公私立高校を対象にほぼ隔年で実施し現在、92年度以降のデータが比較可能とされる。東日本大震災の影響を受けた2011年度に大幅に減少となったがその後は急速な回復傾向を示していた。 文科省は「修学旅行など日本への教育旅行を促す国の取り組みや、各自治体の国際交流に関する施策が功を奏したのではないか」と分析している。
外国人留学生を出身地別に見ると、中国が最多の873人で、次いで米国173人、タイ134人、ドイツ131人、オーストラリア106人、韓国81人の順。
一方、海外留学した日本の高校生の行き先別では、米国が1247人でトップ。ニュージーランド833人、カナダ791人、オーストリア515人、英国131人と続いた。
ただ、滞在期間が3カ月未満の日本の高校生は、13年度調査より6507人減の3万1645人。学校や教育委員会が主催する団体研修が多く、文科省は欧州などで起きたテロの影響で実施を控える傾向があったとみている。
【3】編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
7月1日のひろば参加児童生徒数は3人。前回6月24日が7人であり、毎週土曜日開講となった4月以降の低調傾向から脱したかとボランティアも喜んだも束の間の結果となった。
しかし、一喜一憂するよりも、今後も、小中学校への働きかけを続ける一方、保護者とのつながりへの取り組みを進める必要を感じた1日であった。
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